2020年10月8日 イチロー

Leica CLのレビュー

X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/320, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

小さいLeicaを使ってみたく、以前から気になっていたCLを大先輩からお借りさせて頂いた。先輩の温かい優しさへのせめてものお返しとして、なるべく詳しくレビューを書いて、誰かのお役に立ちたいと思っている。

ただレビューと言っても、世間様の広くお役に立てる様なまっとうなレビューでは無い(^^)。テキトーに好きにいじる元素材として、小さなAPS-Cライカは楽しいか?のみに主眼を当てた、よく言えばクリエイティブ系、正確に言えばチョイ変態系な遊び方を考えてみる。

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/400, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

首に重量物をぶら下げて歩く場合、よほど強靭な肉体の持ち主以外、誰にとっても軽ければ軽いほど正義だ。デジタルMシリーズの中の最軽量モデル、M9の580gに対し、403gのCLはそれだけで存在意義がある。サイズ感も一回りとは言わないが、全体的にちょっとだけこじんまりとして、旅行など常に持ち歩くライカとしては理想的だ。

ライカにこだわらなければ、370gの世界最小最軽量フルサイズSigma fpなんていう選択肢もあり悩ましい。(個人的にかなり気になってるw)ただしシグマfpは物理シャッター機構を持たない電子シャッターのみのボディのため、それがどういう事なのかハッセルX1DIIで痛い目に合っている僕としては(^^)、警戒してしまう。

Mレンズで遊べる物理シャッター機構を持つ小型機として、本家CLは間違いなく最有力候補だ。

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 125) ©2020 Saw Ichiro.

ほぼ無加工なのはこの二枚くらいかも(^^)

最も興味深いのは、フルサイズのM型に対してAPS-Cセンサーを搭載したCLは、画質的にどの様な違いがあるのか。

CLの画質は先にリリースしたLeica TL2よりも技術的にいろいろ改善されているらしいし、ほとんどのデジタルMモデルよりも新しいセンサーという事で、画質そのものに不満は全く無い。上の写真などは、M10で撮っても見分けがつかない感じになると思う。

特にMレンズと合わせると、ほとんどMと変わらない感じで使えそうだ。ちなみにこのページでCLで撮ったものは全てCapture One20でDNG現像している。カラープロファイルの相性は悪くなさそうだ。

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/250, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

70mm以上の中・長焦点レンズが最も自然に見える僕にとっては、70mm近辺が標準画角になるデジタル中判が理想的なのは変わらないし、長めの焦点レンズが標準画角に使える点だけは、フルサイズに対しAPS-Cは逆立ちしても不利なのは否めない。

往年のMレンズが本来の画角で使えないのも、CLをどう評するか分かれる部分じゃないだろうか。軽いライカとは言え、M9との違いは180gと、言うほど劇的なサイズ差でも無いとも言えるかもしれない。

とは言え、CLだけで猛烈に素晴らしい作品を量産している先輩を何人も知っているし、旅行写真以上のポテンシャルを持っている事は間違いない。要は使い手次第だ。

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/320, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

この記事で登場するレンズは、ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH.と、Summilux f1.4/50mm 1stのMレンズ二本だ。CLごと一式、結構長い事お借りしてしまっている。この場を借りて深く御礼申し上げます!

CL用の標準ズームレンズも使ってみたのだが、スペシャルなMレンズ群に慣れてしまった変態系の僕には、ちょっとだけ物足りないと感じてしまった。Made In Japanと書かれているのでパナソニック製?出てくる絵も一般的な日本レンズの印象で、画質はともかくレンズの作りや材質が、モチベーション的に僕のLeica遊びの感覚と合わなかった。

ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH.

X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/125, ISO 400) ©2020 Saw Ichiro.

そこで真っ先に思い出したのがこのレンズだ。ライカに限らず、広角レンズはどうしてもカリカリの高解像系になりがちだが、エルマリート24mmはしっとり系、柔らかい系の希少な広角レンズとして、個人的にだいぶ以前から気になっていた。残念ながら生産終了してしまった様だが、市場はやっぱり高解像系を求めているのかな。

APS-Cで使うとだいたい35mmくらいの画角で使える。小さくて軽いし、CLとのマッチングも超カッコいい。

エルマリート24の作例をいくつか並べてみる。まあこんな絵にしちゃうなら、しっとりもへったくれも無いが(笑)

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/200, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/60, ISO 400) ©2020 Saw Ichiro.

Mレンズを使う際に気づいた事は、マニュアル・フォーカスの補助としての自動ズームは、Mレンズでピントリングを動かすだけでは残念ながら働かない。フォーカスピークでピント部に色が付くのは問題なく動作するのでなんとかなる。

いやむしろ、ズームにならない方がピントを意識し過ぎずに、もっと大事な部分に目が向けられるとも言えるか。

それとグリッド表示機能はあるが、明るい眩しい白線が縦横に複数入り、ちょっと目立ちすぎて絵に集中しにくいと感じた。本当の補助で良いのだが。

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/400, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/250, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/8.0, 1/60, ISO 8000) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/8.0, 1/60, ISO 8000) ©2020 Saw Ichiro.

Leica Mの速射戦法はCLでももちろん使える。絞りf8、SSはこの時間なら1/60, ISOはAutoで距離計を5mに合わせておけば、あとは写ルンですと同じだ。

ちなみにCLは小さいが、シャッターの音量は小さくない。カシャっ!と今シャッターを切った事が周囲にバレバレだ。Leica M10Pや、次に記事にしようと思っているハッセル・ニューレンズ45Pがびっくりするほど静かなシャッターなので、余計にそう感じる。

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/60, ISO 12500) ©2020 Saw Ichiro.

僕の様に、いつも思考停止状態でテキトーにシャッターを切っていると(^^)、特に主題以外の無用なエリアがたっぷり映り込む広角レンズは、ただ見たまんまを撮っているだけのつまらない写真に陥りやすい。パースを逆手に取るアングルや構図等のひと工夫がなければ、いつまで経っても広角使いの道は遠い。

 

Leica CL, ELMARIT-M f2.8/24mm ASPH. (ƒ/2.8, 1/30, ISO 500) ©2020 Saw Ichiro.

背面液晶がいつも明るくプレビューが表示されているのが、感覚的にはレンジファインダーのM型と一番違うかも。物凄く光ってる物体を持ち歩いていて、夜は目立つしバッテリーの消費などのつまらない事に意識が行く。

調べてみたら、設定のEVF Advancedを選ぶと、メニューやPlayだけ液晶表示して、あとはブラックアウトしておける事が分かった。

電源を切っておいても、電源を入れてから0.5秒くらいでシャッターが押せる。スリープからの起動もメッチャ速い。これは逆にMユーザーが羨ましがるポイントだろう。

Summilux f1.4/50mm 1st

X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/90, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

APS-CセンサーのCLでは75mmとして使える初代ズミルックス50。ボディに対して若干重い感覚はあるが、この組み合わせなら僕がやりたい事のほとんどがストレスなく出来る。貴婦人の優しいフレア感を最も軽量に持ち歩けるLeicaシステムが、楽しくないはずは無い(^^)

以下はすべてズミルックス50の作例。

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1000) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/640, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/800, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

やっぱり小さい事は正義だ。手ぶらで出かける時ですら持って行きたくなるし、深夜の散歩なんかには、CLは最高のパートナーだ。明らかにX1DIIより撮影枚数が増える。

という事で夜の葉山を少し歩いた。葉山の夜は真っ暗なのでf1.4一本だけ装備して小一時間歩いたが、結構楽しかった(^^)

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 400) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 12500) ©2020 Saw Ichiro.

夜中の撮影は、露出補正を予めマイナス3段くらいにしておくと、Auto ISOが無理に明るくし過ぎない感じで、撮り手の感覚に近い結果で露出してくれる様だ。

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 800) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 12500) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 12500) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 800) ©2020 Saw Ichiro.

盛大なゴーストは古いズミルックスのあるあるだ。これが駄目な人は最新のASPH.モデル一択だ。いやちょっと絞れば1stも大丈夫なのかな?

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 8000) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 6400) ©2020 Saw Ichiro.

Leica CL, Summilux f1.4/50mm 1st (ƒ/1.4, 1/60, ISO 800) ©2020 Saw Ichiro.

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