2020年5月3日 ichiro

LEICA M10 Monochrom vs Hasselblad X1D II 50c

X1D II 50c – Distagon 50mm F4 T* (ƒ/4.0, 1/4000, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.

カメラを新調すると大体、ライカだからこう撮るべきとか、中判を活かした絵にしなければとか、本人もおっかなびっくりカメラを触っているし、外野からも余計なウンチクを刷り込まれたりして(^^)、なんとなく変な殻に閉じこもった常識的な写真に囚われてしまう。

我々凡人が記念写真や説明写真の領域から脱するためには、ライカの美点、ハッセルの美点等の先入観、常識をまずはぶち壊す所から始めなければならない。だからこれからは、なるべく中判の良さが台無しの写真を撮る様、心がける。(笑)

X1D II 50c – Distagon 50mm F4 T* (ƒ/4.0, 1/60, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.

僕の場合は、なるべくISO3200以上で撮る奇策に出た。(^^) X1D IIのISO3200〜6400あたりの高感度ノイズが、ほどよく解像度が落ちて好みの質感になってくれる。ISO12800を超えると、ちょっと偽色が煩くなってくるのでB&Wにする前提ならまあOK。昼間でもNDフィルターを入れてシャッタースピード最速にしてでも、ISO3200(笑)。

こいつ、カメラの使い方分かってんのか?と常識人から揶揄にされるくらいが丁度いい。

ちなみにこれらは、ハッセル500シリーズのクローズアップリング・アダプタを使用している。X1D II 50c – Distagon 50mm F4 T* (ƒ/4.0, 1/60, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.

X1D II 50c – Distagon 50mm F4 T* (ƒ/4.0, 1/60, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.

X1D II 50c – Distagon 50mm F4 T* (ƒ/4.0, 1/4000, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.

LEICA M10M vs Hasselblad X1D II

こんな写真を撮っていながら、以前このブログでもご紹介したLeica大先輩の小山さんにお願いして、Leica M10モノクローム(以後、M10Mと書く)とX1D IIの解像度対決を撮って頂いた。僕にとっては解像度はほとんど関係ないがw、LeicaフェイスブックグループでもM10Mユーザーが激増していて、今最も注目されているMなだけにとても興味深い。

X1D IIが5000万画素のデジタル中判、モノクロ専用機のM10Mがカラーフィルターを省いた4000万画素。X1D IIはカラー機なので、Gが2500万、R、Bが1250万画素という内訳だそうで、理論的にはM10Mの方が解像度が高い可能性があるらしい。

レンズはHasselblad XCD 3,2/90(Leica判換算68mm相当)とLeicaの解像番長、アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.だ。

ベース感度がM10MはISO160なので、公平のためにISO200同士、開放f値も異なるのでf4.0同士でシャッタースピードはカメラの自動判定による比較だ。M10MはLightroomのRawストレート、X1D IIは元々カラーなので、モノクロ化したストレート現像で小山さんが作成して下さったモノをお借りした。

左がLeica M10 Monochrom, APO-SUMMICRON-M 50 mm f/2 ASPH(ƒ/4.0, 1/4, ISO 200) 、右がX1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/4.0, 1/6, ISO 200) 、いずれもAdobe LighroomのRawストレート現像。

 

ピントはスピーカーの上端(ウッド部)・ネットに合わせたとの事。X1D IIの方が露出が若干暗めに出ているが、これはカメラの自動露出の判定結果だ。同じf4.0でもだいぶ被写界深度が異なる点が面白い。コントラストもだいぶ違う。

次にf8.0同士の比較。

 

これらは双方LightroomによるRaw現像だ。Lightroom側には、M10Mの専用カラープロファイルはあるが、X1D IIは無いそうだ。ちょっと気になったので、Rawデータをお借りして、ハッセル純正のPhocusで両方を現像してみた。

Phocusで現像すると、M10Mのコントラストの強調が見られない。つまり、悪さをしているのはカメラ側では無く、やっぱりLightroomのカラープロファイルという事だ(^^)

ちょっと露出を揃えて、100%拡大してみる。

Leica M10M f4.0。

Hasselblad X1D II f4.0。

撮影した際には三脚固定している?と思われるが、M10Mの方はシャッターを押す時の振動でもしかしたら手ブレが発生しているかもしれない。X1D IIの方は文句無しに解像している。ちなみに頂いたデータは手違いでX1D IIのf8.0のRawがなかったので、M10Mのf8.0の100%表示も並べてみる。

Leica M10M f8.0。

こちらの方がM10Mとアポズミクロン50の本来の実力に近いと思われるが、本来アポズミクロンはもっと解像していても良い気もしないでもない。このデータだけを見る限り、一応ハッセルの中判センサーの面目は保った格好だが、データサイズがM10Mの一枚51MBに対し、X1D IIは109.1MBと倍以上だったり、取り回しの良さ、速射性や操作性なども含めると、やはりM10Mの存在意義は大きい。

或いはストリートの速射性にこだわらず、純粋に緻密なモノクロ写真を求めるならX1D IIがあるなら敢えてM10M+アポズミクロンを導入する意味はそれほど無いとも言えるし、このLeicaセット200万円コースに対して、ハッセル一式は100万円で収まる。さらにカラーも撮れるという意味では、意外とハッセルはコスパが良いという考え方もある。(ライカが高すぎるだけかw)

ちなみにM10M専用プロファイルを持つLightroomとCapture Oneでの比較。左がLightroom。

以前、カラーでテストした時にはCapture Oneに確かなアドバンテージを感じたが、モノクロの場合はどうか。現像時に毎回コントラストを上げるのが面倒な人は、Lightroomがいいかもしれない(^^) 階調を楽しみたい、或いはコントラスト量を自分で決めたい方はCapture Oneが良さそうだ。これだけコントラストが違うと、解像度の客観的な比較は難しい。

ちなみにさらに気になったので、Capture OneとPhocusをM10MのRaw現像で比較してみた。左がCapture One、右がPhocus。PhocusでLeicaが現像出来る所が面白い。ちなみにX1D IIのRawデータはCapture Oneでは認識されない。

やや、Capture Oneが優勢か?まあこの程度なら、ほとんどAppの各項目の初期設定値の考え方の違いと言えるかもしれない。

実は今、僕のX1D IIは小山さんにお貸しし、僕はM240をお借りしている。今回は室内撮影のため遅いSS比較だったので、近日中に小山さんとお会いする機会があるので、もう一度テストしてみたい。

 

X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/250, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

Lost Tokyo 2020
Hasselblad X1D II 50cでポートレートを撮ってみた
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

Lost Tokyo 2020
Hasselblad X1D II 50cでポートレートを撮ってみた