2023年2月27日 イチロー

銀河ランキングTOP30


NGC 4565 as seen by the ESO VLT FORS (visual and near-UV FOcal Reducer and low dispersion Spectrograph)

20cmF7 BINOに僕は大変満足しているが、15cmF8 APO BINOにも強い興味があり、TSA-120 BINOなんかも気になって気になって夜も8時間くらいしか眠れない。松本さんからはセレストロンC8 BINOはどうか?等、楽しいアイディアがいくつもある。

数日前に懐かしい曲をみつけてヘビロテ。(^^) 歌詞によれば彼らは踏切りに望遠鏡を持って行くそうだが、クレイジーな大人が本気出すと数百万かけて移動時間に7時間とか費やして、シカまで跳ねてクルマも心も凹みながらガス欠になりながら鼻水を凍らせながらマイナス17°をも耐え抜いて星を探しに行くのだ(笑)

20cmF7に口径絞りを被せると13cmになる。劇的にシャープネスが向上し月面や惑星は素晴らしいのだが、これをそのまま同じアイピースで20cmフル口径と見比べるとショックなほど視界が暗くなり、微光星も格段に減って寂しい。しかしこれは口径を絞った事でF7 → F11になり射出瞳が狭くなる事で起きる現象であって、F7.7のTOA130では同じアイピースでこんなに暗くならないはず。(同じ倍率ならこういう事になるのかも)ではF7.5のTSA120ではどういう景色になるのだろうか。

Masuyama 32mm Masuyama 26mm Nikon NAV-17HW Nikon NAV12.5HW Nikon NAV12.5HW + EiC-H10
倍率 射出瞳径 倍率 射出瞳径 倍率 射出瞳径 倍率 射出瞳径 倍率 射出瞳径
20cm F7 x 44 4.6 mm x 54 3.7 mm x 82 2.4 mm x 112 1.8 mm x 140 1.4 mm
15cm F8 x 38 4 mm x 46 3.2 mm x 71 2.1 mm x 96 1.6 mm x 120 1.2 mm
TSA120 (F7.5) x 28 4.3 mm x 35 3.5 mm x 53 2.3 mm x 72 1.7 mm x 90 1.3 mm
FC100DC (F7.4) x 23 4.3 mm x 29 3.5 mm x 44 2.3 mm x 59 1.7 mm x 74 1.4 mm

こう並べてみると、同程度のf値で同じアイピースなら射出瞳径はほとんど変わらず、焦点距離の違いにより倍率だけが変化する。つまり同じアイピースなら微光星の数こそ違いはあれど、視界の明るさそのものに差は無い。50倍程度のメジャー天体なら何を使っても素敵な体験が出来るはずだが、問題は倍率を上げた時だ。僕の場合、射出瞳が1.2mmを切る高倍率域となると深宇宙を見るには暗過ぎると感じてしまうため、どの鏡筒でもざっくり10mmアイピースがDeep Galaxyの程良い塩梅の上限と考えた。

この理屈では手持ちのNAV12.5HW+EiC-H10で得られる倍率が、鏡筒を決定する最重要項目となる。ここが20cmF7が面白い一番の理由で、視界を暗くする事なく無理なく140倍が出せると、迫力の観望体験が出来る系外銀河や球状星団が、実際一気に増える事を学んだ。15cmF8もそれほど感覚的に変わらずに運用出来そうだが、12cmの90倍はどうか。M33やM101など大きな銀河は遜色ない景色が楽しめそうだが、M51やM104などは20cmを見慣れた後ではやや小さいと感じるかもしれない。球状星団も90倍ではちょっと物足りないか?或いは世界が愛するタカハシは最高峰の光学系だ。高いコントラストとシャープネスで全然満足かもしれない。

ハッブル宇宙望遠鏡で撮影したNGC 891北部の近接画像。3.24′ Credit: NASA/STScI/WikiSky

モノは大きく拡大しないと細かい所がよく見えないのは確かだが、そんな細かい所まで見たいかどうかはその人の観望スタイルに依る。(^^) M51子持ち銀河を300倍とか500倍とか、射出瞳を落とさずに視界からはみ出る程に強拡大出来たら、そりゃ腕の詳細構造をさらにハッキリ視認出来るはずで、それは大口径ドブソニアン・オーナーだけの特権だ。10cm〜12cmの場合は広視界でM65、66、NGC3628の3兄弟を一望するのに適しているが(もちろんそれはそれで最高に楽しい)、もっと倍率を上げて一個をフィーチャーするには、視界を暗くするトレードオフを受け入れなければならない。

惑星並に対象が明るければ、より射出瞳を攻める事が出来る。つまり8mmや5mmアイピースで射出瞳径が1mmを切っても良く見えるかもしれないし、そもそも対象が大きければ、10mmアイピースで事足りて射出瞳径1.2mm以上をキープ出来る。

まずは十分に明るくて大きな銀河は全天で何個あるのかを調べてみた。

The Small Magellanic Cloud (SMC) galaxy is a striking feature of the southern sky even to the unaided eye. But visible-light telescopes cannot get a really clear view of what is in the galaxy because of obscuring clouds of interstellar dust. VISTA’s infrared capabilities have now allowed astronomers to see the myriad of stars in this neighbouring galaxy much more clearly than ever before. The result is this record-breaking image — the biggest infrared image ever taken of the Small Magellanic Cloud — with the whole frame filled with millions of stars. As well as the SMC itself this very wide-field image reveals many background galaxies and several star clusters, including the very bright 47 Tucanae globular cluster at the right of the picture.

小マゼラン。大マゼランと共に、これらは天の川銀河の伴銀河なのだそうだ。

このランキングにはEye&Telescope 3.3.2を利用させて頂いた。Windows用の無料アプリだが、Skysafariの様な美しい描画は無いものの、Skysafariには無い優れたデータベース抽出機能を持っている。

これで試しに、口径20cmの限界等級とされる13.6以上の4.0 arcmins(分角)を上回る銀河をフィルタリングしてみると、全天で500ほどヒットする。前回の遠征でのとりあえずの結論、長辺が4分角以下、10.0等級を切る銀河は口径によらず関東近県では見栄えがしない?という仮説の元、10等級以上に条件を厳しくすると200ほどの銀河に絞られた。

こんな素晴らしいアプリを無償提供下さる聖人が居るこの地球と作者ご本人には、感謝の言葉しか無い。もう一人、同じくらい凄い人がいる。何処よりも詳しい詳細データを全天網羅しているサイトを、星空ガイドのKaneさんが教えて下さった。(Kaneさんありがとうございます!)個別の恒星やオブジェクトに関するあらゆる疑問はここで解決出来ると思う。ブラボー!→ The Sky Live

ところでアプリや資料によって、天体の等級やパラメータがかなり異なる。誰かが間違ったのか、解釈に幅があるのかは僕には分からないが、それだけ曖昧な未知の領域という事だろう。Skysafariでも記載が異なる部分満載だが、とりあえず今回はEye&Telescope の登録データに基づいて上位30個をランキングしてみた。

地球から見た銀河 明るさランキング Top 30

name alias/0 alias/1 constellation smallDiameter/arcmin largeDiameter/arcmin visMag hubbleType pa
1 LMC Dor 549.54 645.65 0.4 SBm 170
2 SMC NGC292 Tuc 205.10 319.10 2.2 SBm 45
3 M31 ANDROMEDA GALAXY And 61.70 189.10 3.5 Sb 35
4 M33 TRIANGULUM GALAXY NGC598 Tri 41.60 68.70 5.5 Sc 23
5 NGC5128 Centaurus A Cen 20.00 25.70 6.6 S0 35
6 M81 BODE’S NEBULAE NGC3031 UMa 11.50 24.90 7.0 Sb 157
7 M83 Southern Pinwheel Galaxy NGC5236 Hya 12.20 13.10 7.2 SBc
8 NGC253 SCULPTOR GALAXY Scl 6.80 29.00 7.3 SBc 52
9 M101 NGC5457 UMa 28.30 28.50 7.4 SBc
10 NGC55 Scl 5.90 31.20 7.8 SBm 108
11 M110 NGC205 And 11.50 19.50 7.9 E 170
12 M51 Whirlpool Galaxy CVn 6.60 10.80 8.1 Sbc 163
13 NGC300 Scl 12.90 19.00 8.1 Scd 111
14 M94 NGC4736 CVn 10.80 12.30 8.1 Sb 105
15 M32 NGC221 And 6.50 8.50 8.1 E 170
16 NGC2403 Cam 11.80 23.40 8.2 SBc 127
17 ESO356-4 For 48.75 62.66 8.3 E- 60
18 M104 SOMBRERO GALAXY NGC4594 Vir 4.20 8.60 8.3 Sa-b 89
19 NGC6744 Pav 12.90 20.10 8.3 SBbc 15
20 M49 NGC4472 Vir 8.20 9.80 8.3 E 155
21 M106 NGC4258 CVn 6.60 17.40 8.3 SBbc 150
22 NGC1316 For 7.20 11.00 8.4 SB0 50
23 IC342 Cam 20.90 21.40 8.4 SBc 168
24 M64 BLACKEYE GALAXY NGC4826 Com 5.00 10.30 8.4 Sa-b 115
25 NGC1291 NGC1269 Eri 9.50 11.00 8.5 SB0-a 72
26 M63 SUNFLOWER GALAXY NGC5055 CVn 7.50 12.60 8.5 Sb-c 105
27 M82 CIGAR GALAXY NGC3034 UMa 5.10 10.50 8.6 Sd 65
28 NGC4945 Cen 4.00 19.80 8.6 SBc 43
29 M87 NGC4486 Vir 6.60 8.70 8.6 E 170
30 M77 CETUS A NGC1068 Cet 6.30 7.30 8.7 Sb/P 70

堂々の一位、二位は大マゼラン、小マゼランがダントツだ。南天うらやま。我々日本から拝める銀河としてはもちろんアンドロメダ(全天3位、北天1位)で、M33が4番目に明るいらしい。(北天2位)。M81が6位(北天4位)に付けていて、どおりでいつ見ても立派な訳だ。ちなみに兄弟のM82は27位と意外と開きがあるが、実際眼視ではエッジオンのM82の方が全体像がクッキリ見えやすかったりする。9位に入ってるM101も、実体感としてはもう少し難易度が高い気もしないでもない。先日たまたま通りかかって、腕が見えて驚いたM83は7位(北天5位)。なるほど納得。

M81、83を抑え5位にランクインしたNGC5128 Centaurus Aは、高度が低いながらも関東からも観望出来る。6月が見頃との事だが2月でも深夜に南中する様だ。地球から見える最大の球状星団、NGC5139 Omega Centauriもすぐ脇にあるし、同じくランクインしているNGC4945もご近所だ。これは見に行かない手は無い!いずれも南中時でも高度が10°前後しか無いため、望遠鏡を暗い海に向ける必要があるだろう。次回遠征はケンタウルスをターゲットに伊豆半島に行ってみる。

ソンブレロが18位にランクインしてるのは意外だった。比較的小さいけど明るいという事は、より小さい射出瞳に耐える?今度もっと倍率を上げて見てみる。ちなみにメシエ天体で最も暗い銀河はM108(おおぐま座、10.6等級)で221位、ビリから二番目がかみのけ座のM91、M88(いずれも10.1等級)と続く。

最初は誰でもメシエ天体が入りやすいが、注目すべきはTop30に入ったNGCの方だ。SkySafariでは全部並列にNGCが大量表示されてしまうが、それぞれ重要度(眼視で見る面白さ)的にかなり開きがあって優先順位が分からない。少なくともここに入ったNGCは是非とも抑えておきたい。NGC253なんか相当デカくて葉山のショボい空でも見える。何故メシエ君はこれを登録しなかったのだろう。

ちなみにリストの一番右端の数字は僕の信頼のバイブル、Interstellarum “Deep Sky Atlas”のページ番号にリンクしている。神!(涙)

NGC1291はNGC1669と元々ダブって登録されているらしく、アプリの誤りでは無さそうだ。

大マゼラン。This image shows the entire Large Magellanic Cloud, with some of the brightest objects marked. The field of the new MPG/ESO 2.2-metre telescope image is indicated with an outline. The field of view is about ten degrees across.

次は明るさでは無く、銀河の見掛けサイズの長辺の大きさで比較してみる。

地球から見た銀河 大きさランキング Top 30

name alias/0 alias/1 constellation smallDiameter/arcmin largeDiameter/arcmin visMag hubbleType pa
1 LMC Dor 549.54 645.65 0.4 SBm 170
2 SMC NGC292 Tuc 205.10 319.10 2.2 SBm 45
3 M31 ANDROMEDA GALAXY And 61.70 189.10 3.5 Sb 35
4 M33 TRIANGULUM GALAXY NGC598 Tri 41.60 68.70 5.5 Sc 23
5 ESO356-4 For 48.75 62.66 8.3 E- 60
6 UGC10822 Dra 24.10 37.50 11.4 E-
7 ESO351-30 Scl 27.93 35.16 9.4 E?- 110
8 NGC55 Scl 5.90 31.20 7.8 SBm 108
9 UGC9749 UMi 18.92 30.06 12.7 E- 70
10 NGC253 SCULPTOR GALAXY Scl 6.80 29.00 7.3 SBc 52
11 M101 NGC5457 UMa 28.30 28.50 7.4 SBc
12 NGC5128 Centaurus A Cen 20.00 25.70 6.6 S0 35
13 M81 BODE’S NEBULAE NGC3031 UMa 11.50 24.90 7.0 Sb 157
14 NGC2403 Cam 11.80 23.40 8.2 SBc 127
15 NGC4236 Dra 7.20 21.90 10.1 SBdm 162
16 IC342 Cam 20.90 21.40 8.4 SBc 168
17 NGC6744 Pav 12.90 20.10 8.3 SBbc 15
18 NGC4945 Cen 4.00 19.80 8.6 SBc 43
19 M110 NGC205 And 11.50 19.50 7.9 E 170
20 NGC247 Cet 5.50 19.20 8.9 SBcd 172
21 NGC3109 Hya 3.70 19.10 9.8 SBm 93
22 NGC300 Scl 12.90 19.00 8.1 Scd 111
23 M106 NGC4258 CVn 6.60 17.40 8.3 SBbc 150
24 IC1613 Cet 14.90 16.60 9.3 IBm 50
25 NGC4244 Silver Needle Galaxy CVn 1.90 16.60 10.0 Sc 48
26 PGC93880 Peg 10.00 16.22 11.8 E-
27 NGC4565 Needle Galaxy Com 2.10 15.80 9.5 Sb 136
28 UGC6253 Leo 13.21 15.60 12.0 E-
29 NGC6822 Barnard’s Galaxy Sgr 14.20 15.40 8.7 IBm 5
30 NGC4656 CVn 2.40 15.30 10.1 SBm 33

大きい、明るいとは、我らが天の川銀河から近いという事と思うが、上位4位までは同じだが、それ以下が結構入れ替わる。UGC(ウプサラ銀河カタログ)は北半球から見える銀河カタログだが、UGCとして名前が上がっているという事はこの表ではNGCではパスされた事を意味している。大きさはあっても眼視ではいずれも暗いと思われる。一方、ESOカタログはチリに置かれたヨーロッパ南天天文台(ESO)で撮影されたデータが元になっているため、主に南天の対象だ。ちょっとマニアックになってきたので、UGCとESOを除外してみるとこうなる。

name alias/0 alias/1 constellation smallDiameter/arcmin largeDiameter/arcmin visMag hubbleType pa
1 LMC Dor 549.54 645.65 0.4 SBm 170
2 SMC NGC292 Tuc 205.10 319.10 2.2 SBm 45
3 M31 ANDROMEDA GALAXY And 61.70 189.10 3.5 Sb 35
4 M33 TRIANGULUM GALAXY NGC598 Tri 41.60 68.70 5.5 Sc 23
5 NGC55 Scl 5.90 31.20 7.8 SBm 108
6 NGC253 SCULPTOR GALAXY Scl 6.80 29.00 7.3 SBc 52
7 M101 NGC5457 UMa 28.30 28.50 7.4 SBc
8 NGC5128 Centaurus A Cen 20.00 25.70 6.6 S0 35
9 M81 BODE’S NEBULAE NGC3031 UMa 11.50 24.90 7.0 Sb 157
10 NGC2403 Cam 11.80 23.40 8.2 SBc 127
11 NGC4236 Dra 7.20 21.90 10.1 SBdm 162
12 IC342 Cam 20.90 21.40 8.4 SBc 168
13 NGC6744 Pav 12.90 20.10 8.3 SBbc 15
14 NGC4945 Cen 4.00 19.80 8.6 SBc 43
15 M110 NGC205 And 11.50 19.50 7.9 E 170
16 NGC247 Cet 5.50 19.20 8.9 SBcd 172
17 NGC3109 Hya 3.70 19.10 9.8 SBm 93
18 NGC300 Scl 12.90 19.00 8.1 Scd 111
19 M106 NGC4258 CVn 6.60 17.40 8.3 SBbc 150
20 IC1613 Cet 14.90 16.60 9.3 IBm 50
21 NGC4244 Silver Needle Galaxy CVn 1.90 16.60 10.0 Sc 48
22 NGC4565 Needle Galaxy Com 2.10 15.80 9.5 Sb 136
23 NGC6822 Barnard’s Galaxy Sgr 14.20 15.40 8.7 IBm 5
24 NGC4656 CVn 2.40 15.30 10.1 SBm 33
25 NGC4631 Whale Galaxy CVn 2.80 15.20 9.0 SBcd 86
26 NGC147 Cas 7.80 13.20 9.4 E5/P 25
27 NGC4395 CVn 11.00 13.20 10.0 SBm 147
28 IC2574 Coddington Nebula UMa 5.40 13.20 10.2 SBm 41
29 M83 Southern Pinwheel Galaxy NGC5236 Hya 12.20 13.10 7.2 SBc
30 NGC3628 Leo 3.10 13.10 9.6 Sb 104

だいぶ馴染み深い感じがする。明るさランキングよりNGC天体が沢山上位に食い込んできてこっちの方が面白そうだ。

いつもM31アンドロメダ銀河の脇で、迫力負けして申し訳無さそうにしているM110は、明るさも大きさも本当はかなり立派な銀河のはずだが、望遠鏡で見てもボワっと明るいだけで面白くは無い。(ひとつの銀河を丸ごと敵に回す様な言い方をしてゴメンねw)りょうけん座のNGC4244、冒頭写真のかみのけ座のNGC4565はいずれも大変見事なエッジオン銀河で、これらはマイ・フェイバリット行き確定。M81、82、51だけ見に行って、M106を見忘れるなんて勿体ない。これも常に北斗七星とセットだ。20cmF7 BINOで初めての遠征で見て驚いたNGC4656歪み銀河、NGC4631クジラも仲良くランクイン。

僕が好きなアンドロメダ座のNGC891は40位と惜しかったがこちらも見事なエッジオンで、やはり近くを通りかかったら是非とも忘れずに見ておきたい。きりん座のNGC2403は明るさでもサイズでも上位にランクインしているのに、優先順位の物差しを持って居なかったが為に完全に見落としていた。同じくきりん座のIC342もやはり大規模なスパイラル銀河だが、これも未だ見たことが無い。りゅう座のNGC4236は10.1等級と暗いが大きいので、10cm前後の口径でもじっくり向き合う価値があると思われる。NGC3628は例のしし座3バカトリオの一つだが、メインのM65、66にサイズで勝って30位にランクインした。

メシエ銀河の等級のビリッ欠はM108だったが、大きさのワースト一位はマルカリアンチェーンのすぐ脇のM91(5.12分角)だった。形はカッコいいので本気で見るなら海外のド級の空でドブソニアンでおもくそ拡大して見せてもらう方が幸せになれるかも?ちなみにSkysafariでは等級のビリはM91で、サイズのビリがM108と順位が入れ替わる。その次はしし座M105(5.18)、あとは乙女座銀河団のM89(5.18)、M59(5.18)、M99(5.18)と続いて、いずれも5分角程度だが、この辺りの順位はあまり当てにならなそうだ。ちなみに月は30分角(0.5°)。

SkySafariに500個も登録すると画面が銀河で埋め尽くされ使いにくいので4分角以上、メシエの最下位、M108まで含める意図で10.6等級でフィルタリングした230銀河のSkySafari観測リストを作成した(上記画面は230銀河をハイライトした状態)。メシエ天体に含まれる銀河全てと、数値上それに負けない明るさと大きさを持つNGCを全部網羅した事になる。これでもまだ多過ぎるか?こういうのは欲張るより出来るだけ絞る方が結局は近道だったりする。もう少しサイズでふるいにかけ、5分角以上&10.6等級以上のTop180もついでに作成してみた。こっちで十分かも。

ただ、NGC404ミラクゴーストやNGC7320ステファン5つ子銀河など、ここにランクインしていなくても並びや形に個性がある名所は少なくない。適宜お好みで加えて行く楽しみは残しておいた(^^)。

下記リンクからダウンロード出来るので良かったらお使い下さい。インポートの仕方はフィルターリストと同じなのでそちらをご参照を。


Galaxy Top 230


Galaxy Top 180

今週、ちょっと所要でベトナムに行くのだが考えてみればまだ何も準備していない。地球上の仕事をサボって時空すら異なる他所のパラレルワールドをまとめてる場合では無い。(笑)

最低気温の最高の夜
Fujifilm GFX100Sでベトナムをちょっと撮る

Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

最低気温の最高の夜
Fujifilm GFX100Sでベトナムをちょっと撮る