うしかい座μ星（ミュー星: Alkalurops）Stacked22_Alkalurops_3_0s_Bin1_585MC_gain38_20240322_044332_9_0C_ABE

包括的にまとめられている二重星リストが日本語圏でほとんどみつけられないので作ってみた。SkySafariの二重星ベスト・セレクションとの違いは低倍率、中倍率、高倍率とざっくりカテゴリを分け、アイピース交換無しで流して楽しむ事を意図した。双眼鏡〜倍率25倍辺りを想定した低倍率向け59対象、低倍〜50倍前後で楽しめる126対象、100倍オーバーが必要な75対象をまとめ、SkySafariの観望リストファイルとエクセルをダウンロード出来る様にした。

望遠鏡を覗く様になって長い間、僕は二重星に興味が無かった。ただ「点」が2つ並んでいるのを観て楽しいの？くらいに思っていたし(^^)、それよりも銀河や星雲に関心があった。そんなある晩、確か140倍くらいで小さい星雲を探していた時に、たまたま視界に入ったいっかくじゅう座のβ星（三重連星）に目を奪われた。物凄く輝いている白い点の連なりがなんだか妙に美しく、しばし目を離す事が出来なかった。

光学系が良質なほど恒星カラーの対比の明確さが増したり、星像が鋭く分離したりして重星の魅力は増す。対象そのものを楽しむのも一興、またそれを美しく見せてくれるガラスやミラー（愛機）を愛でるのもまた一興という事で、重星は優れた望遠鏡を持つオーナーの喜びのひとときだったりするのだろう。高級機材で無くても、少し射出瞳を落とせば光害地のベランダでも十分楽しめるのが二重星の良い所だ。

りゅう座ν星（ニュー星）Kumaという可愛い名前が付いている変光二重星(^^)。Stacked14_GAIA_1420972548150735744_3_0s_Bin1_585MC_gain38_20240322_045717_8_3C_ABE

このリストは英語圏のStelle Doppieという二重星データベースから、それほどマニアックにならず、僕の様な重星ビギナーが実際に眼視観望を普通に楽しめる程度のほどほどの対象を抽出したものだ。抽出条件はいろいろ試して、下記に落ち着いた。

• 低倍率リストは主星が5等級より明るく、伴星が8等級より明るくて、離角が30秒以上ある、主星に名前（ID）が付いている星、とした。
• 中倍率（x50）は主星が5等級より明るく、伴星が9.1等級より明るくて、離角が9秒以上で名前あり、
• 高倍率（x100）は離角を2.4秒以上〜9秒以下、他の条件は中倍率と同じとした。

世間でおよそ話題になる二重星は網羅していると思うが、機械的に抽出しただけなので実際に目で確認してみたらいろいろと訂正が必要かもしれない。そもそも50倍、100倍の表記を離角9秒、2.4秒で分けるのが本当に適切かどうか。笑　予定では良い感じのはずだが。

しかもStelle Doppieに記載されている等級などの数値がSkySafariではかなり異なる場合もあって、中倍率にリストされているしし座デネボラの伴星がSkySafariでは15等級となってたりして、話が違うじゃないか、となったりする笑。実際に観望しながらリストを完成させるのは貴方、と言う事で楽しみは残しておいた。(^^)

リゲルとシリウスは数字の上はx50の中に入ってしまうが、高度差が大きいため特にシリウスは実際は200倍以上必要なので移動した。（それでもシリウスBは大抵見えないけどｗ）こと座のダブルダブルも低倍率で「ダブル」の状態で見れるが「ダブル・ダブル」を観るためには100倍以上必要なので、そちらにも追記したりした。