カメラにせよ望遠鏡にせよ、ガラスは季節を問わず曇る。ちょっと湿度が高いと、速攻で曇る。そのため対物レンズ付近のフードに電熱ヒーターを巻いて使うのが星屋の常識となっているが、どうせ毎回巻くのだから最初から電熱線入りのフードにしてしまえ!という企画だ。(^^)
まずは今すぐ近所のダイソーに駆け込み、店員のお姉さんに「ステンレスの針金」下さい!と笑顔で言う。
すると親切なお姉さんが0.28mm x30mのステン針金を持ってきてくれる。このステンレス線の太さが完璧で、USB5V程度でほどよい抵抗と温度になる。110円で30mも買えるので、これで一生、電熱ヒーターには困らないだろう笑
帰ったらアマゾンを開いて方針を決める。電源をUSBで取るのか、乾電池で取るのか。
USBならこれ。
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乾電池ならこれをポチる。
電池ボックスにこれらを選んだ理由は、ON/OFFスイッチがついてるから(^^)。
単3電池=約1.5Vなので、口径10cm以下なら単三2個、12cm以上なら3個入るバッテリーボックスを入手する。電池何個必要かは、ステン針金をどれくらいの長さにして、どれくらいの温度にするかで決めるのだが、安いしまずはとにかくやってみる。
電源ボックスから2本の線が出てるので、両方をステン針金と繋ぐ。これだけ。圧着でもいいし、ハンダ付けでもいい。ステンレスをハンダ付けする場合は、ステンレス用フラックスがあると接着しやすいそうだ。
つなぐとすぐに線が熱くなる。短いと火傷しそうなほど熱くなる。
↑ビニールテープを巻いて絶縁してみた。ビニテ越しにどれくらいの温度になるか実験中。
熱すぎる場合は線を長く引くか、電圧を下げる事で温度調節が可能だ。10cm程度でも長さ違いで温度が大きく変わるので、最初は長めにカットして、少しづつ切りながら長さを決める。
ちなみにヒーターの役割は、熱のパワーで曇りを消すのでは無い。最初から最後まで「外気とレンズを同じ温度に保つ」のが目的なので、レンズの放射冷却をほどほどに抑えるだけで良い。(放って置くと物質は空気の温度を通り越して冷え続ける。)触った指先が熱く感じる様では少なくとも36度以上あるという事だが、熱しすぎても像質を悪化させるので曇らないギリギリの一番低い温度を狙いたい。
念の為ビニールテープを鏡筒に巻いて、その上に熱線、線の上からまたビニールで絶縁した。ビニール越しだと触った感じ、かなり温度が下がる。本当に温かい?か不安になるくらいだったが、僕の場合はこの後アルミシートを巻くので、アルミで熱が内側に反射されるのでこれで十分と思う。あとは実際、現場に持っていって実験だ。今のところ、このシステムで一度も曇っていない。曇る様なら線をもう少し短く切ってみる。
確かポータブル・バッテリーは空港で預け入れられない?と認識しているが、海外ツアーの場合は電池なら現地で買えるので乾電池(エネループ)仕様がいいかもしれない。電池ボックスごとフードにベルクロで固定してしまえば、暗闇で配線がごちゃごちゃせずに、よりスマートな気もする。
とってもカンタンだったので、これなら全てのアイピースに巻いてもいいかなと思えてきた。なんならブーツでも手袋でも、なんでも電熱線仕様に出来そうだ。
僕の小学生レベルの工作で問題なく使えているが、当方は電気の素人につき間違いやベターな方法があったら教えて下さい(^^)