ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!
2ndを選んだと言っても、元々は1st狙いでお店に在庫が2ndしか無かっただけだが、これも一期一会。使った事の無いレンズの方が新鮮な発見がある。
実は最後まで迷ったのは、身の程も知らずNoctilux 75mm F1.25。昔とても気に入っていたBMW318ti Sports認定中古車も確か同じ様な価格だった。もうどうにでもなれ!と24回払いの覚悟はあったのだがw、間違って妻を連れていったのが運の尽き^_^。無言のプレッシャーの前におとなしくズミルックスに即決させて頂いた。
ボストンより。Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/1.4, 1/30, ISO 160) ©2019 Saw Ichiro.
以前の記事では、愛用していたズミルックスを2ndと呼んでいたのは、180万台以降の初代は外見は1stながら、内部のレンズ構成が変わって2ndと同じになったとの事で、どっちで呼んでよいかよく分からない。以前のルクスは200万台、今回のは240万台だ。今回のモデルはカナダ製かと思いきや、今確認してみるとMade In Germanyと書いてある。
鏡筒の作りは初代の美しさには敵わないが、描写としては初代から様々な改良がある様で、開放から意外なほどシャープネスが高い事に驚かされた。
ハーバード大学内に、どういう訳かビーチバレーボール場が^_^ Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/1.4, 1/750, ISO 160) ©2019 Saw Ichiro.
現行ASPHのシャープネスはある種、究極的な解像力だが、裏を返せばそれが「今」という時代感、時間の概念を絵に加える。貴婦人とも呼ばれる初代のフレア感はポートレートには最高に美しいのだが、ビンテージ感満載だ。「今」とも「昔」とも言わない、時間の要素を廃した画作りを期待しての、今回の2ndだ。しかしこのくらいに縮小して見ると、ASPHとあまり印象は変わらないかもしれない。
Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1000) ©2019 Saw Ichiro.
久しぶりに目を見張る3Dルック、ほどよく暖色系の発色、周辺減光がほのかな陰りを感じさせる、優しい表情。紛れもなくずっと受け継がれている歴代ズミルックスのキャラクターそのまんまで、なんだか嬉しくなってしまった。個人的には、やっぱりズミルックス50が好きらしい。
2ndの絞り羽は12枚使われていて、現行よりずっと真円に近い。現行ASPHは9枚羽で、絞ると不思議な形状になる。現行が9枚羽である事は、どこにも本家カタログにすら書いていない。ここまで素晴らしいレンズを作っておきながら、まさかのコストダウン?
Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/1.4, 1/250, ISO 160) ©2019 Saw Ichiro.
2ndは逆光時のフレアやコントラスト低下が緩和され、解像度もしっかりあるし多くの人に使いやすいズミルックスと言っていいと思う。最短1mから70cmに変更されたのが第3世代のフード内蔵型からなので、ASPHを外すならそっちを選ぶのも優位性は高い。
フォーカスリングのストロークは現行よりだいぶ長い(多分)。最短から無限遠まで一周するのに3回持ち替えてクルクル回す。この点、速射性は現行の方が高いと言える。
久しぶりに妙にやる気が出たのはいいが、Summilux 50 2ndもまた、フォーカスノブが無い。自作も頭を過ったが、こんなものをみつけたので早速試してみた。
ゴムっぽい伸縮する材質で、多少のレンズの口径差はカバーしそうだ。質感を重要視する方はゴムなんてNGかもしれないが、フォーカスノブとしては問題なく機能する。ノブに指を引っ掛けて回す事で持ち替え無しで両端を行き来出来るし、速射性に確実に寄与する。なんだ、これでいいじゃんと思った。
現行ASPHモデルとフォーカスのストロークが違うので、迷った末に2mでノブが真下に来る様に貼ってみた。貼る位置を間違えると最短付近でノブがレンジファインダーに被って視界の邪魔になる可能性がある。両面テープで貼るだけなので、もしかしたら簡単に脱落するかもしれないが、軽くボンドで留めてしまってもいいかもしれない。
ちなみに関東カメラさんで真鍮フォーカスノブを加える改造を行ってくれると、JLUGの方が教えてくださった。完璧を求める方はこっちかと。2万円ほどらしい。
この時代のオリジナル・フードは、外側からバネで挟み込むタイプなのだが、僕ほど乱暴にカメラを扱う場合、いつ紛失してもおかしくない。(この個体はフード欠品)なので例のごとくねじ込み社外フードを調達。フロントキャップも元々欠品していたが、フードがあればフィルターもキャップも僕は必要ない。これらを装着したのが冒頭の写真だ。てっぺんに43mmと書かれているのはご愛嬌。
ついでにF1.4は日中、最速1/4ooosのLeicaボディで開放で使うならNDフィルターは必須だ。現行Summilux 50はフィルター径 46mmなのに、第三世代以前は43mmという事で買い直した。今回もND4を選択したのは、暗すぎると今度は日陰に向ける度にいちいちフィルターを外すハメになる。
これで準備は整った。
基本昼間の野外ではNDフィルターつけっぱなし。改善されたとは言え、逆光の直射を受けるとこれくらいの盛大なゴーストが出る事もある。Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/1.4, 1/1000, ISO 160) ©2019 Saw Ichiro.
このページの写真は全部、ほぼ同じ加工処理をしている。今は僕はM9Pの取り込みから現像まで、Capture Oneでやっているのだが、ちょっとやる気が出ると違うものだ。M9Pの背面液晶の感じの方が、Capture Oneのデフォルトの絵よりカッコよく見える事が、今更ながら気になり始めた^_^
これは下の子供がテキトーに撮った写真だが、コーラを撮っただけでもズミルックス+M9Pの組み合わせはなんとも味があるかの様に見えたりする^_^ Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/1.4, 1/45, ISO 800) ©2019 Saw Ichiro.
M9Pの撮って出しJPGを使う気にもならず、それならCapture OneのM9P + Summilux 50 2ndに特化した初期設定を作り込んで、M9Pの背面液晶の印象に似た絵に加工し取り込み時に自動適応させる事にした。
Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/2.0, 1/4000, ISO 160) ©2019 Saw Ichiro.
ざっといじった感じでは、背面液晶は結構派手に絵作りされている様だ。現状はこんな設定になったが、随時修正を加えて上書き保存している。スクショ以外の箇所はデフォルトのままだ。(MacBook Pro 15 Retinaのディスプレイ光度は下から11段目。Lightroomは今は僕は一切使っていないので分からない。)
これらの設定はExposureの中は触らず、Curveだけで近づけてあとはセンターにしておく方が、後々使いやすいかもしれない。それにしてもコントラストも彩度も高いが、これくらいに上げないと背面液晶のイメージに近づけない。
Summilux 50のレンズプロファイルも選べるのだが、それを選んでも何も変わらず、それよりGenericにして樽型の湾曲を若干補正している。Distortionの設定値は7にしているがこれは結構控えめで、モノによっては20くらいにして良い場面もある。
Leica M9 Genericのカラープロファイルがとても優秀で、特に室内のタングステン系は同じCapture One内のM10のカラープロファイルよりずっとまともだ。
ボストンは紅葉が美しかった。Leica M9-P, Summilux-M F1.4/50mm 2nd (ƒ/2.0, 1/90, ISO 160) ©2019 Saw Ichiro.