リスト・ストラップは今回2回目のお世話になるROCK N ROLL STRAPS。キプロス共和国というよく分からない所から、この時期でも1週間で届いた(^^)。Hasselblad CFV-50c, Planar C 80mm f2.8 ©2021 Saw Ichiro.
最高にセクシーでビューティフォーな外人女性に振り回されながら付き合ってきて、最後は清楚でおしとやかな日本人女性と結婚したみたいな。今の僕はそんな心境だ(笑)
ライカのオジサマ方は「フジってほんとにいいの?」と疑問に思われるかもしれないが、なかなかどうして!このカメラを手にした初日から、想定外だった感想を何度も持った。このカメラは文句なしに「楽しい」。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
僕はやっぱ中判の絵が好きだし、中判センサーで撮った4k動画は絶対面白いはず!という妄想もあった。それが出来るのは、一般庶民の手が届く範囲では選択肢は一つしか無い。GFX100S。
Leica SL2Sの寸法(幅×高さ×奥行)146×107×42mmに対してGFX100Sは150×104×87mmで、大きさはほとんど同じだが、厚みの分だけGFXはおデブちゃんに見える。しかしバッテリー込みの重量はSL2S 930gに対してなんとGFXが900gと、実はSL2より若干軽量だったりして、ボディシャッター内蔵中判センサーにしてこの小型化、軽量化への企業努力は称賛に値する。
1億画素とか僕は全く興味が無くて本当はGFX50S IIに行きたかったのだが、なんと動画がFHD1080Pに制限されている。この一点だけで僕のGFX50S IIの道は阻まれた。同社のAPS-Cコンパクト・デジカメでさえ4K対応しているのに、この制限はちょっと意地悪に過ぎると思う。純粋なニーズとして1億画素が本当に必要無いユーザーにまで、半強制的に25万円の追加出費を強いる設定だ。
でもそんな小言を書きながらも、僕はこのカメラと過ごす素敵な時間にとても満足していたりする。今更かもしれないが、僕が感じたメリット、デメリットを簡潔に書いてみる。
購入当日の夜に奥さんと代官山を小一時間撮り歩いた。テキトーにシャッター押しまくっただけだが、出てくる絵に感心しきりだった。 FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
ボディ・シャッター搭載の中判
電子シャッターに頼らずに数々の銘玉を中判カメラで楽しめる喜びは、Hasselblad X1DIIに対する最大のアドバンテージと言っていい。特にお気に入りのContax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4をまるで標準レンズの様に使えるカメラが、楽しくないはずが無い。(フルサイズ換算67mm)僕の場合はほぼこのレンズを付けっぱなしだ。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
Contax Zeiss プラナー85mm f1.4、マクロプラナー100mm f2.8は35mm判用のレンズだが、中判でもまあまあ実用レベルで使える事は事前に分かっていた。その辺を撮っている分にはズミルックス35mm 2ndを普通にLeica M型で使うよりも周辺減光は少ない(^^)。メリットはもちろん過去資産を流用出来るだけでなく、中判レンズよりコンパクトだ。
無加工。Leica M9-P, Summilux 35mm/f1.4 2nd (ƒ/1.4, 1/250, ISO 400) ©2018 Saw Ichiro.
ただし、「絞り開放」で「無限遠」という2つの条件が重なった時のみ、周辺減光は旧式ズミルックス並になる。Contax純正フードを装着すると無限遠の場合さらにフード自体で若干のケラレが発生する事が分かったので、大先輩に純正アルミフードに切り込みを入れて頂いた。(有難うございます!)
しかし周辺は減光だけでなく画質劣化も少なからずあるので、本来の性能を発揮出来ない事に変わりない。長焦点レンズほどケラレが少ない様で、100mmなら全然気にならない、85mmで許容出来るかどうかの瀬戸際という印象だ。プラナー50mm f1.4は残念ながらケラレが酷くて使えない。
いずれにしてもちょっと絞れば改善されるし、特に動画の場合は16:9で使用するため、センサーの四隅は最初から届かないので十分実用可能だ。
周辺減光が問題になるのは赤の部分なので、いずれにせよ動画の場合はほとんど関係無い。
1億画素のGFX100Sのファイルサイズは11648 x 8736ある(デカ過ぎw)。4k動画のサイズは3840 x 2160なので、GFXのムービー機能がセンサーの中央部だけクロップして使われる仕様だとしたら、中判センサーで動画を撮る意味が無い。気になって実験してみたが撮像エリアが静止画と動画で横幅が全く同じだった。少なくともセンサーの横幅は上図の通り動画でもめいいっぱい使用している事を確認して安心した(^^)。
Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 左f1.4開放、右f8.0。この日は純正フード加工前のテスト撮影。
Contax Carl Zeiss Makro PlanarT* 100mm F2.8 (AE) 左f2.8開放、右f8.0。純正フード加工前。
周辺減光と同時に、開放無限遠付近では四隅の解像力低下も確実にあるが、そもそもプラナー85mm開放は最初から全般的にゆるいので今のところ気になってない(^^)。カメラの高画素性能を愛でたい人はそもそもオールドレンズを使わないと思うが、写真に曖昧さを求める人種にとって、これは可か否か。僕は周辺減光など全然気にしないと思っているが、どうかな、、そのうち気が変わるかもしれない(^^)。
ちなみにContaxプラナーは純正レンズに比べてレンズ径が圧倒的に細身で、GFXとの組み合わせの外観が純正よりスマートで断然カッコよく見える。Fotodioxのマウントアダプターの形状が斜めに切れ込んでいるのも昔のライカ Elmarit 28mm F2.8のくびれを彷彿とさせて好みだ。
Body内手ブレ補正が凄過ぎ
撮影結果だけじゃなく、撮影時の補正効果が物凄い。特に100mm程度の長焦点レンズを構えてる時など、これ無しでは考えられないほど見やすい。今まで手ブレ補正など軟弱な装備と馬鹿にしていたが、撤回します。(笑)微振動を廃してファインダーの映像までしっとり動く。ONとOFFを見比べるとビビるレベル。手ブレ補正バンザイw。見易さが撮影の楽しさに直結している。
上の撮影は、海から結構離れたカメラに塩が被るほどの強風下でGitzo1型GT1542に中判を乗せるテストも兼ねていたが、この程度のシャッタースピードでは一枚も問題は発生しなかった。考えてみれば手ブレ補正が効いているかもしれない。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
シャッターショックとレリーズ音
Sigma fpLの電子シャッターに慣れてしまっていたせいもあるが、リアルな機械作動の軽い振動とサウンドが心地いい。Hasselblad X1DIIのXCD90のシャッター音も、カチン!と中で何かが外れて壊れた?みたいな音だったので(^^)、余計にこの感覚は久しぶりだ。
レリーズのストロークも十分に浅く現代的なフィーリングで僕的には申し分ない。メカニカルな機構を持つカメラを触っている感覚が、Leica M型以来の楽しさかもしれない。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
ミニマル・デザインに一歩踏み出したGFX100S
邪魔な露出補正ダイヤルがようやく富士から消えた(^^)。ブラボー!!これでようやく僕はフジを買えない理由が消えた。とにかくボタンが沢山ある事が高性能の証みたいな昭和のセオリーから、シンプリシティの美学に明らかにシフトしたかに見える。この調子でシンプル化を他社に先駆けて推し進めて、日本発第一号に遂に完璧を達成して下さい。お願いします。
右肩のサブ・ディスプレイも普段はほとんど見る事は無いが、例えば暗闇で三脚を立てて星や夜景を撮ったりする際は、Leica M型でいくら目を凝らしてもダイヤルが全く見えずに困った経験は確かに何度かあった。そういう時はワンタッチで光るサブディスプレイはありと言えばありだけど、まあ別に無くてもいいか(^^)。
Contax マクロプラナー100mm f2.8を装着した姿もバランスが美しい。GFXの外見も初代GFXシリーズから各所が1段上質になったと思う。ブランドロゴを黒テープで隠したのは別にFujiブランドを恥じている訳ではなく(^^)、真っ黒で精悍な姿が好みなのでLeica M10の時もLeica赤バッジを消して使っていた。
動画撮影機としてもガチで使える
ファームウェア・アップデートでBlackmagic RAW出力に対応!
このアップデートで個人的にはSigma fpLを保有する理由が無くなってしまった。中判センサーで4Kで撮れて、それを別ディバイスとは言えRawで記録出来る。これね、革命です。もう何も文句はございません(^^)。
以前、Hasselblad X1DIIもファームアップで動画撮影に対応したが、mp4記録のみでLog撮影やRaw撮影にはもちろん非対応、2.7KまでだしそもそもボディにHDMI出力端子が無いため、GFXとは動画に対する本気度はだいぶ違う。中判で動画をやりたいなら現状はGFX一択と言わざるを得ない。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
出てくるjpgとRAWの色と品質。背面液晶とディスプレイが全く同じ!
個人的にはこれが一番驚いた。カメラが出力するjpgとCapture One上で開いたRaw画像が、どっちがどっちか一見見分けが付かないほど同じなのだ!ここまで差が無いカメラを初めて見た。これは2つの点で凄い事で、一つはカメラ内現像能力の高さ、もうひとつはカメラ側もアプリ側もしっかりFujiが統合的にカラープロファイルを管理、コントロール出来ている事だ。撮って出しjpgの色とCapture Oneに用意されているカラープロファイルが正確に一致する。つまらない事の様で、この有り難さはジワジワ効いてくる。正式に業務提携するとは、こういう事なのね。
しかも僕が使っているBenQ SW270Cカラーマネージメント・モニターとGFX背面液晶の見え方が、露出もカラーも肉薄していて印象が変わらない。なるほど、優等生とはかくあるものか。プロ用業務機としての申し分のない信頼性を有している。
ちなみにハッセルX1DIIとPhocusの組み合わせのRawは色味は素晴らしいが、敢えてコントラストが意図的に低く抑えられているし、X1DIIカメラ内生成のjpgの品質は明らかにRawに劣る。Leica SやMは各社現像アプリのカラープロファイルに振り回されていて、Leicaの背面液晶とRaw現像の色は全く違うのが当たり前だった。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Makro Planar T* 100mm F2.8 ©2021 Saw Ichiro.
テザリングも含めCapture Oneに完璧に最適化されている!!
Colorチェッカーを使う必要が無いほど、しっかりしたオリジナルのカラープロファイルが用意されている。Capture Oneがオマケで?テキトーに用意した様なSigma fpLのカラー・プロファイルとは天と地ほど品質差がある。僕はそれほど興味は無いが、人気のフィルムシミュレーションもCapture One内で後から選べる。
さらに、Capture Oneを利用したテザー撮影の所作が完璧。一番最初にCapture Oneにカメラを登録しておけば、プラグ&プレイで本当にUSB-Cを差すだけでワンタッチでテザー撮影が始められる。途中でケーブルを抜けば撮影データはボディに記録され、また差せばテザーに戻る。ああ、快適。この上なく手軽だ。
テザーケーブルはTetherTools社製を選んだ。今のところ何の不具合も無い。ちなみにLeica Sの純正テザーケーブルは47,000円だったけな(^^)。
Capture Oneのアプリ上でレリーズする事も出来るし、Bluetooth経由でiPhoneアプリでレリーズする事も可能だ。
GF50mm F3.5 R LM WRを装着した。純正レンズはずんぐりむっくりでそれほど可愛くないが、AFが速いので許せる(^^)。コンパクトな純正フードが付属しているのはGood。Hasselblad CFV-50c, Planar C 80mm f2.8 ©2021 Saw Ichiro.
画質
GFX100Sの描写品質は、僕が中判に期待する水準を十分に満たしている。ハッセルX1DIIとどっちがいい?とかは、まだほとんどオールドContaxレンズしか使ってないし、違いはよく分からない。純正レンズはGF50mmF3.5 R LM WRを一本だけ選んでみたが、まだ30枚くらいしか撮っていない。ちなみにGFレンズシリーズのAFは、一通りテストしてみたがいずれもLeica SやHasselblad X1DIIとは比べ物にならないほど静かで速い。
FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2021 Saw Ichiro.
純正GF50mm f3.5 R LM WRはフルサイズ換算40mmで、以前記事にしたHasselblad XCD45Pに近い感覚を期待していたが、今の所あれほどの驚きには至っていない。いや十分良いかな?XCD45Pの凄みに目が慣れてしまっただけかも。
幸い、フィルター径がXCD45Pと同じφ62だったので、62-67のステップアップリングと社外フードがそのまま流用出来た。これで手持ちの全レンズでNDフィルター等が共有出来る。
GF50mmはSummilux 50 f1.4 ASPHと同じ重量だ。トータルサイズを比較してみると、
Leica M9 (585g)+ Summicron 50 f2.0(240g)= 825g
Leica M Typ240(680g)+ Summilux 50 f1.4 ASPH.(335g)= 1,015g
Hasselblad X1DII(766g)+ XCD45P f4.0(320g)= 1,086g
Fujifilm GFX100S (900g)+ GF50mmF3.5 R LM WR (335g) = 1,235g
という事でスナップ用途ならGFシリーズ最軽量のGF50mmで比較しても、X1DIIに150gのアドバンテージがある。
まあ、いろいろと条件が違うのでもうちょっと試さないと分からないが、軽くて歪みの少ない準広角レンズとして使いやすいのは間違い無い。最短撮影距離は55cmで、XCD45P(最短35cm)ほどは寄れないのはちょっと残念だ。
FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2021 Saw Ichiro.
ちなみに社外製の安いバッテリー充電器セットをみつけて試してみたが、全く問題無し。この辺の汎用性の高さは本当に有り難い。ハッセルX1DIIのバッテリーは一個13,000円する。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
RAWのダイナミックレンジが異常!
狐につままれたかの如く、白飛びしないし黒もいくらでも復元する。なんだこれは、、、
中判だから?それともセンサーが優秀だから?よく分からないがデジカメとしての総合的な描写力の洗練度は、恐らく誰にとっても驚くべき領域に達している。このカメラに慣れきった頃には、すっかりその恩恵に頼ってしまい他のカメラが使えなくなりそう(^^)。
RAWストレート現像。ちょっと絞った玉ボケの形が凄い(^^) FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
メニューの中にダイナミックレンジという項目があって、デフォルトはDR100%となっている。200%、400%、AUTOと選べるのだが、これに関する詳細がマニュアルを見てもよく分からない。DR100%以外は恐らくISO100以上に設定する必要がある様で、試しにAUTOにしてみるとベースISOが200になる様だ。
ダイナミックレンジAUTOで室内写真を何枚か撮ってCapture Oneで開いてみると、RAWが全部真っ黒になっている。多分この挙動はFujiが意図したものと違うんじゃないかな?
FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2021 Saw Ichiro.
試しに4段!上げると背面液晶と同程度の明るさに戻るし、黒が潰れて破綻している様子も無い。うむむ、なんだかよく分からないが確かに黒も白も無限に快調が残っている感じはするが、画質が劣化している気もしなくもない。真っ黒で出て来るのは気持ち悪いので使わなくていいや(^^)
別に何の変哲も無い写真だけど、よく見るとやっぱりレンジが普通じゃないかも(^^) FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2021 Saw Ichiro.
メニューが複雑で少し勉強しようと思って、出版されたばかりの本を購入してみたが、終始、GFXを賛美する言葉で埋め尽くされていて、作例集に特化していて詳細の解説らしきものはほとんど無かった。GF110mmが欲しくなっただけで終わった(^^)。
まあとにかく、もう僕はこのカメラでいいかなという気分になっている。多分これ使ってるプロ連中は、このカメラの優位性を内緒にするくらい気に入ってると思う(^^)。このトータルの完成度の高さは、素直に富士のカメラ造りの真摯な姿勢に拍手を送りたい。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
さて、ここからは少しディスるw。
LCDとEVF
3.2型背面液晶が小さい。0.77倍のEVFの見え方も普通過ぎてちっともワクワクが無い。スペシャルなカメラなんだから、せっかく散財してフジを選んでくれたユーザー達のためにもうちょっと贅沢をさせてあげてもいい気がする。S無しGFX100がフラッグシップと言いたいのは分かるが、今やGFX100SよりリーズナブルなHasselblad X1DIIの3.6型液晶+0.87倍EVFは、実に快適だった。この点はハッセルX1DIIの圧勝。
バッテリー
バッテリー収納して蓋を締める旧式の機構から卒業して、ライカSLやハッセルの様に底面までバッテリーにする事であと100枚多く撮れる容量を確保出来るはず。下位機種との互換性がある恩恵は一部のフジAPS-Cユーザーしかいない。
オープナー
各オープナーがチープ。70万円のカメラとは思えないペナペナの樹脂製。まあ軽量化のために致し方ないのかな。そしてSDカード蓋のノブ方向が反対。開けにくい。ノブは手前に引いて開けるべき。というかUSBを差すだけで、PCにSDカードを読み出せる様にして欲しい。その点、Sigma fpLが毎回どうするか所作を聞いてきて便利だった。
1億画素のファイルサイズ
RAW1枚あたり200MBを超える。僕は今はメモリ16GBのM1 Mac miniを使っているが、M1最適化を果たした最新Capture Oneですらサクサク見れるのは3枚ほどで、次の写真の描画が完了するのに時々1秒〜5秒くらい待たされる。初代M1でもそれほど不快感は無いが作業効率を求めるならM1の後継機種等、現在入手し得る最高スペックのCPUが要求される事は覚悟しておいた方がいい。実際、FacebookのGFXグループで外国の方がPCの遅さにキレていた(^^)。
SDカードも読み込み300MB/秒〜の高価なカードが必須だ。4k動画が必要無いならあらゆる負担が半分で済むGFX50SIIの方がずっと気楽だ。
FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2021 Saw Ichiro.
メニュー構造
プロダクト・マネージャーがスティーブ・ジョブスだったら、メニューを全部作り直せと怒鳴られると思う(^^)。というかちゃんとここに専門の人材を配置していないのではないかな。GUIは海外勢に対して明確に成熟度に差がある。
昭和の概念。
次世代の形。
そもそもメインメニューとクイックメニューにボタンを2つ用意する考え方が、過去の常識と僕は思っている。メニューを開いたらユーザーが規定したアイコンが並んでいて、その中の詳細設定アイコンに全て集約する合理性に、よーく考えれば必ず行き着くと思う。グラフィックユーザーインターフェイスも、説明文を読まないと何を表しているのかよく分からない。
個人的にはdriveも削除も独立ボタン不要。むしろメニューの中を探し回ってもdrive項目が見当たらず、独立ボタンを押さないと辿り着けない仕様で実際僕は現場で迷子になった。
カスタム・ホワイトバランス設定の欠陥
カスタムWBを設定するまでのボタンを押す数が多すぎる。これが実際一番困ってる。
クイックメニュー内のホワイトバランス項目から、なんとグレーカード撮影がどうやっても出来ない。グレーカード撮影機能をクイックメニューに登録する事すら出来ない。汗
仕方ないのでメインメニューからホワイトバランスを探し出す所から毎回始める。Menu、IQメニュー、ホワイトバランス、カスタムホワイトバランス、OKボタン(調整)、シャッター、OK(決定)、と6回も7回もボタンを押す必要があるし、露出が適正で無い場合は登録失敗し、そうなるとまた最初から6回ボタンを押す必要がある。ただグレーカードでホワイトバランス決めたいだけなのに!!
マジでこれなんとかして欲しい。カスタムWBを選んだらただちにグレーカード撮影に入りたいよね普通。SDカードフォーマットも、メニューに到達するまでのボタンの数の多い事。。。
FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2021 Saw Ichiro.
タッチパネルの操作性
無駄な余白や装飾を排除したら、もっとボタンを大きくタッチしやすくなる。しかもタッチして出てくる選択項目がフリックでスライド出来ない。なんと左右の物凄く小さい矢印をポチポチ押す必要があって事実上、タッチパネルで快適に操作出来るレベルに達していない。Leica CL、X1DIIのインターフェイスを参考にして欲しい。
Hasselblad X1DII。
Leica CL。
GFX100S。ボタンが一番小さく押しにくい。12個ボタンモードに変えても同じ。デザインに洗練感が無いのは、ちゃんとしたデザイナーを使わずにプログラマー任せにしてない?(^^) 4方向の矢印マークは無意味なのでそのスペースを活かしてボタンを拡大した方がいい。
我々人類は哺乳類の進化系として地球を謳歌しているが、進化の一番最初にあたる生命は、常に異端として生まれて来る。その異端が後に花開き、それがやがて基本フォームへと進化していく。
先進性を求めたり、何かの革新を起こすには常識人がいくら大勢集まって多数決でやっても既存の殻を破る事は難しい。これまでの常識を打ち破る進化を成し遂げるには常識に囚われない、つまり非常識で異端なリーダーが必要不可欠だ。
日本メーカーは意識が向きさえすれば、すぐに海外勢をブッちぎれると僕は思っている。気長に応援しながら改善を待ちたい(^^)。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.