2017年10月29日 ichiro

M10のファインダーも逆光に弱い?


長者ヶ崎の夕暮れ。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/2, 1/60, ISO 400) ©2017 Saw Ichiro.

確かM6だったと思うが、逆光時にファインダー内でハレーションを起こし、二重像が見えなくなってしまう問題があったと聞いている。未だに誰も話題に出してない様に思うが、実はM10も強い逆光時にピント合わせが厳しくなる。いくら目を凝らしても二重像が全く見えない時があるのだ。これはM9やM240では経験しなかった。

M6の時はブライトフレームから光が漏れてしまう事が原因だったが、M10はブライトフレーム窓は無い。ファインダーがでかくなったから?
僕は逆光が大好きで、気がついてみればほとんどの人物像は逆光気味に撮っているので、これは気に入らない。なんとかならないかなあ。
(そんな時ドイツ人はきっと、笑顔でこう答えてくれるだろう。「見えない時は、背面LVを使えばいいのさ!」)


50mmレンズでノーファインダーに挑戦したが、全くだめだった(笑)200枚くらい適当に撮ったが、まともに被写体がフレームに入ったのは数枚のみ。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/8, 1/125, ISO 16,000) ©2017 Saw Ichiro.

閑話休題、レンジファインダー機でタテ構図を撮る時に、ライカ先輩諸氏はどの様にカメラを構えるのだろうか。

レリーズボタンを上にして、右腕を持ち上げて撮る方法が、ほとんどの一眼レフユーザーが自然に取るスタイルと思うが、ライカではこれがうまくいかない。

右手を持ち上げて構えると、レンズのピントリングにかける左手でどうしてもファインダー窓を覆って、二重像が見えなくなるからだ。そのため僕はライカを手に入れてから、カメラの持ち方の矯正を余儀なくされた。


ノーファインダーで野郎二人を自撮り。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/5.6, 1/90, ISO 16,000) ©2017 Saw Ichiro.

レリーズボタンが下、右手の腹でカメラを支え、親指でシャッターを切る。カメラの先生は一眼レフでもこちらの方を推奨する様だが、ライカの場合はもう一工夫要る。

左の手のひらをカメラ側に向けてピントリングを回すと今度は距離計窓に指がかかって、二重像が見えなくなってしまう。仕方ないので手のひらを被写体側に向けて、ピントを合わせるしかない、というのが僕の結論。


Leica DⅢ, Elmar 5cm f3.5, by 三河量平さん。被写体はichiro。

カメラの構え方としては、なんだか神経質そうでカッコ悪い気もするのだが、こうならざるを得ない。Flickrなどでライカ使いのセルフィを気をつけて見ていると、同じ形になっている人を見かけて微笑ましい。

僕の場合、本来効き目は左目なのだが、ついでにカメラは右目に矯正した。結構左右の視度に差があり、右目が0.3ほどしか無い。右目に合わせた視度補正を入れたので、右目専用だ。

何故こうしたかと言えば、M240の時、1.4xマグニファイヤを入れると、ファインダー倍率が0.68倍から0.95倍になり、ファインダーがほぼ等倍、両目を開けて撮れると謳われていた。それを実現するためには、ライカは必ず右目でファインダーを覗かなければならないのだ。

マグニファイヤを入れると確かに、像の大きさ的には違和感は無いのだが、結局、両目を開けて撮るやり方は僕には定着しなかった。左目の実像と、右目のファインダー窓と距離計窓の3枚の映像がごちゃ混ぜになり、訳がわからないのだ。両目でレンジファインダーは実質無理と思った。(だからM240からマグニファイヤ・オプションの無いM10への移行に、なんの躊躇も無かった。)

アンリカルティエブレッソンも、ファインダーは右目、左はいつも思い切りつぶっている^ ^


友人Tはニコンフルサイズを愛用している。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro.

それでも横構図の時は、左目で周囲が覗けて好都合なのに変わりはないが、タテ構図時はカメラで顔を覆う事になる。つまり、ファインダーの効き目はどっちでも良いかもしれない。

(2017年10月31日 追記)

ちょっと気になって改めてライカユーザーの自撮りをFlickrで眺めてみた。一眼レフの構えの人も多いが、レリーズは下、シャッターを人差し指で押す派が多いようだ。鏡越しだと左右逆像になるので分かりにくいが。

ピントリングのツノ付きレンズだと両手でしっかりボディを支えながら、ツノを人差し指で操作する人が多い。

c_c_clason

Rajat Bhardwaj

Craig Chang

Gary Jones

中にはこんな人まで(^ ^) Yeah cool!

Harlem

ちなみに個人的にはツノ付きレンズが好きだ。ツノの位置とおおよその距離関係を把握しておけば、ファインダーを覗く前に、手触りだけでフォーカスポイントの近似値からスタート出来るからだ。

最短と無限遠がどっち回しかだけでなく、ツノがボディの真下にきた時には、例えばズミルックス50mm asphの場合は約1mになるし、無限遠からどれだけ戻すと3m〜5mになるか大まかに把握しておくだけでも、闇雲にピントリングを回し始めるより速写性が全然違う。経験あるライカ使いはカメラを顔の前に構える前に、無意識に手元でツノを動かす作業は終わってる(と思うが)

昨晩から風邪をひいてダウンしてるが、このブログだけは続けられる自分が居る(笑)

 

(2017年11月10日 追記)

M10のファインダーが逆光に弱いと書いたが、僕がこれを書いたために人様を不安にさせてしまう可能性があると思い追記。

僕は8月から毎日M10を持ち歩いて、一回もシャッターを押さなかった日はまだ1日も無いほどM10をいじり倒しているが、逆光で本当にファインダーが見えなくなったのは、今までで覚えているのは2回か3回くらいだ。逆光だと必ず見えなくなる訳ではなく、逆光気味、程度では全く問題無い。

いろんな条件が揃った時に、見えなくなるタイミングがあるのを僕は体験したが、その条件は稀だ。その条件を具体的に今度検証してみたい。なのでそれほど心配する必要は無いと思います。念のため。

 

Leica ズミルックスSummilux-M 50mm f1.4 第二世代のレビュー
Magnum Photosムービー
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

Leica ズミルックスSummilux-M 50mm f1.4 第二世代のレビュー
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