Leica S (Typ007) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/8.0, 1/60s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.
今日はライカ銀座店に初めてお邪魔した。お陰様で、ライカ三昧の最高の一日となった。
2Fのライカ・プロフェッショナルストアで僕を迎えて下さったのは、店長の大上さんと小池さん。なんとこのブログを以前からご存知との事で、少し前に本名でS-Eのテザーケーブルをしれっと電話注文させて頂いた事なども含め、何もかもご存知の状態だった。ヤバイなあ、、(笑)
この写真の縦縞のISOノイズが、CCDの不具合では無いかとご指摘を頂き、これが故障なのかCCDの特性なのかを確かめるべく、他のTyp006と比較検証して下さった。
結果的には各機種とも同じ症状が出た。ISO値に関わらず、後から露出を無理やり2段〜4段持ち上げると、旧式CCDが生成するRawの限界を超える様だ。入院は免れたが、僕のヒドイ露出ミスが露呈する結果となった(笑)いや本当は、この一枚は子供が撮りたいと言うので、手ブレを防ぐために露出不足は後処理前提で、高めのSS(1/125s)で渡したものだった。
ちなみにTyp 007のCMOSでも同じ実験をした所、+4段でもこの現象は出ない。流石に新機種は安心感が高い。
Leica S (Typ007) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/750s, ISO 1600) ©2018 Saw Ichiro.
ついでにS-EのCCDの清掃をお願いしたのだが、なんと清掃作業の間、007を貸して下さると言う!最新Sで銀座のスナップに興じる機会を与えて下さった。何もかも至れり尽くせりで、お二方の細部まで行き届いた心配りに、僕はすっかりやられてしまった^_^。頂くばかりではバランスが悪い。次回の買い物は必ず銀座店と決めた。心より感謝申し上げます。
常設ライカギャラリーには、ホットな写真家さんの作品が展示されているし、ライカアカデミーと呼ばれる勉強会やワークショップも開かれている。毎月第二、第四土曜日には、久保さんというモノクロ・プリントのレジェンドが当地にいらして、予約制で様々な相談を踏まえて作品の印刷をお願い出来ると言う。見せて頂いたプラチナプリントが秀逸!僕も是非お話を伺ってみたい。
銀座ライカというだけで銀座シャネルに足を踏み入れるくらい敷居が高いのに、さらにプロフェッショナルストア、と聞けばプロでは無い平民が立ち入ったら叱られる心配すらあるが(笑)皆さんとっても気さくで素敵な方たちだった。安心して立ち寄って頂きたい。
ライカプロフェッショナルストア東京
Mr. TAKANORI TOMIMATSU
“sage + natalia” @Tsukishima, Tokyo, Japan. LEICA SL (Typ 601),Super-Elmar-M 1:3.8/18 ASPH. by TAKANORI TOMIMATSU
そしてこの日、ライカ・プロフェッショナルストアを紹介、斡旋して下さったのは、写真家のTakanori Tomimatsuさんだ。彼は写真の、そしてライカの大先輩で、LFI(ライカフォトグラフィー・インターナショナル)のMaster Shotに何度もセレクトされ、2017年12月のLFI BLOGにて、LFI.Gallery PhotographerとしてTomimatsuさんが特集されている。僕にとっては足を向けて寝れないお方だ。
2017年12月 LFI BLOG無礼にも、何も知らずに僕はいきなり彼にメッセージを送りつけ、でもその結果この日、Tomimatsuさんと銀座の街のスナップに興じる幸運を得た。無礼も時には良い事もある^_^。
彼の作品の多くは、広角レンズで極至近距離から真正面でストリートの人々を撮る。一体、どの様に撮られているかとても興味があり、この日を心待ちにしていた。
その日、TomimatsuさんはSLにSuper-Elmar-M 1:3.8/18 ASPH.を首から下げていた。f11、ISO400、距離計2m固定で、ファインダーも背面液晶も一切見る事なく、ジェントルに、スマートにSLの無音電子シャッターで、すれ違い様にサっと撮っていく。撮られる方は、半分もそれと気がついていない。
かと言って無闇に撮りまくる訳ではなくて、シャッター回数としては僕の方がずっと多いのだが(今日は2/3が速攻削除だった^_^)、彼は静かにチャンスを待ち、要点を抑えて大事に撮っていく感じだ。
撮りながら、歩きながら、お茶しながら、様々な事を教えて頂いた。特に印象に残っているのは、被写体である人々に対して、非常にリスペクトの念をお持ちだった事だ。写っている人に失礼だから、基本的に撮った写真を削除する事は無いという。
Leica S (Typ007) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/2000s, ISO 400) ©2018 Saw Ichiro.
物凄く勉強になったし、素晴らしいショップとも知り合う事が出来たし、お世話になりっぱなしになってしまった。Tomimatsuさんにはいくら感謝してもしきれない。
Leica S Typ 007
先日のM比較レビューも含め、この程度の浅い知識でモノを語るというのは、誠に恥ずかしい事と認識はしているのだが、でも自分も購入前にはこの手の直感的な生の声を自分自身が欲しかったし、同じ気持ちでわずかなヒントを探している方もいらっしゃるはずだ。だから今日も懲りずに少し書いてみる。
およそ一ヶ月間、Leica S-E Typ 006で撮りまくって、だいぶ006が手に馴染んでからの、007の体験は、以前とはまた違った感想がいろいろある。じっくり2〜3時間、合計330枚Typ 007のシャッターを切った。
レリーズボタンのストロークが浅くなり、もっと軽い押し込みでシャッターがサクサク切れる。シャッター音もタイトで短く、シャッターにまつわるトータルのパフォーマンスが格段に刷新されていると、すぐに気がついた。
押したいタイミングでバシバシ連写しても、きっちりシャッターが付いて来る感じが、もはや中判とは思えない。この軽快感を数時間体験すると、後で006のモッサリ感を痛感してしまいそうだ。
2015年9月リリースの007は、タイミング的にM240の特性かと思いきや、Maestro(マエストロ) Ⅱの名称が示す通り、Mで言う所のM10のミディアム・フォーマット版と考えて良さそうだ。いや実際は、S用にマエストロ2が開発され、その技術がM10やSLに生かされたというのが本当だろう。
シャープネス上げてる?と思うくらい、006に対して等倍時の解像感の鮮烈度が高い。いわゆるデジタル中判のお手本の様なイメージだ。ただWeb上では例えば、facebookの画像サイズ上限である、長辺2048pxというのは、Sのオリジナルサイズの実に27%しか活かせない。そのためこの解像感の差を感じるのは、オリジナル画像のオーナーか、印刷が必要になると思う。
ISOノイズの出方も、006のISO 1600の感じは、007のISO 6400あたりで似た感じになる。高感度耐性も大きく進化したので、これならf2.5レンズ群でも昼夜問わずに誰でもライカ中判が楽しめる。
同じレンズだし、公表重量も同一のはずだが、007の方がほんのちょっと僕は重いと思った。気のせいかもしれないし、実際に計測してみないと真相は分からない。
いい加減な新旧S、006、007のRawからストレート現像比較。
S-E購入前、これをやった例を僕は世界中探したが、同じ条件の画像比較は一件も見つけられなかった。だからちゃんとやれれば結構貴重な実験のはずなのだが、、、WBオート、ISO400、絞り優先で開放、、のつもりだったが、007の方はうっかりダイヤルに1クリック触れてしまった様で、 f2.8になっていた。フォーカスポイントもバラバラだし、1/45sに至っているショットもあって手ブレも怪しい。これでは何の比較にもならない。我ながら適当さに呆れるが、色味の出方は一応参考になった。
左:S-E(006)右:S(007)
あれ、なんだかここの環境では、S-Eのホワイトバランス、妙に調子いいな^_^
要約すれば、感覚的にはまるでM9とM10を比較している感じと、そっくりと僕は思った。発色の006と、写実の007。絵の雰囲気が凄くM10に近くて、ああこの感じ、、僕にとっては懐かしさすら覚える。007の発色も実に自然で良好。十分に鮮やかさを放っている。この性能差にして中判カメラとしての性格も鑑みて、これはいくらM9フリークだったとしても、大いに悩ましい選択と思う。
今日はいつにも増して、設定値がメチャメチャだ。状況変化に全くついて行けてないのがバレる(笑)Leica S (Typ007) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/4000s, ISO 1600) ©2018 Saw Ichiro.
この日はノーファインダーでやるので被写界深度が欲しくて、多くはISO400〜で使ったが、007のベース感度で撮った解像度は計り知れないものがある。また今日はチャンス最優先で、ノーファインダーで歩きながらの撮影だったという言い訳のもと、全体的に手ブレ感は残りまくりで、007のパフォーマンスを発揮したとは言えない。Sの場合シャッタースピード優先(T)が使える事を途中で思い出して、1/500s固定でやってみたりしたのだが時すでに遅し。
やっぱり中判70mmレンズはf11でも被写界深度はまだまだ浅いし、ノーファインダーとしては画角狭くて外しまくり、手ブレもシビア過ぎるのでストリート向きとは言えないのは事実。きちんと構えてちゃんと撮ったらもっとシャープになるかもしれない。(せっかく貸して下さったのにゴメンナサイ、、次回は広角レンズで^_^)
銀座は歩いている間中、常にシャッターチャンスなので、この日は数時間、Sをほとんどホルスターに仕舞わず、右手で掴んだまま歩いた。お陰で右手首の筋肉が15%くらい増強した。^_^
これはちゃんと構えて撮った。加工しちゃったけど^_^ Leica S (Typ007) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/8.0, 1/45s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.
Leica M2
礼を告げ大満足でライカショップを後にして、駐車場に向かっている途中、「東京銀座 レモン社」という看板が目に入った。何度か立ち寄った事もあり、この日は時間の余裕があったので、吸い寄せられる様に入店。するとどうだろう、そこには一際美しく輝くM2が鎮座していた。しかも、彼女が僕に何かを語りかけてきた気がした(笑)
気づけば僕は、衝動的にこのM2を保護して帰ってきてしまった。(帰ってから嫁にこっぴどくやられたのは言うまでも無い。まさか、またライカ買ったの、、、、?!怒)
Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/5.6, 1/45s, ISO 1600) ©2018 Saw Ichiro.
本当はもう少し計画的に、ヤフオクでは常にM2はチェックしていた。あんなに好きだったM10を手放してしまい、ぽっかりと空いた心の穴を埋めるために、何かしらのMを僕は求めていた。フィルムなら格段にリーズナブルだし、これを手元に置いて酒の肴にする事で、今最も気になっている、ライカ認定リファビッシュモデルまでの時間稼ぎという精神的な意味合いもある^_^
M3とM4とも迷ったが、僕はデザイン的にはM2のシンプルさが一番好みで、Sとの兼ね合いでMは35mmレンズで使おうと決めて、M2に確定。フィルムカウンターを手動で回す感じもスキ。
なるほど、この機械仕掛けのカメラから発するあらゆる音、感触、オーラは、何とも言えぬ深い味わいがある。文句無しにカッコイイ!フィルムを入れてしまったので、寝る前にカチャカチャ空打ちして遊べないのが残念で仕方がない(笑)ええ、重度のライカ病です。
ちょっと贅沢過ぎる一日になってしまったので、当面は倹約生活頑張ります。