2021年5月1日 イチロー

Sigma fpLを遊び尽くす!(準備編)とちょっと深堀りレビュー

Hasselblad CFV-50c, Planar C 80mm f2.8 ©2021 Saw Ichiro.

Sigma fpLの初期ロットを手に入れた。気になってる方も多いと思うので、ここではあまり語られていなそうなマニアックな話題を中心に書いてみる。

どれくらい小型なのか?

世界最小、最軽量のフルサイズ機というキャッチに黙っていられるはずもなく、現にfpLを買ったLeica仲間が僕が知ってるだけでも他に2人居る。でもよく考えてみれば世界最小、最軽量とは素の状態の話であって、現実的にはちょっと注釈が付く。

Hasselblad CFV-50c, Planar C 80mm f2.8 ©2021 Saw Ichiro.

小さ過ぎて握りにくいとか言ってハンドグリップを追加して、EVFは必須でしょ!などとEVF-11を装着してみると、あれ、なんかLeica M型よりデカくね?(^^)

確かにボディ重量は427g(SDカード, バッテリー無しで375g)と軽量だが、EVF-11が114g、僕が選んだSmallRigのウッドサイドグリップが56gという事で、足して597gになる、、、なんだやっぱりLeica M9(デジタルM型最軽量585g)と変わらないじゃんか。M10(660g)よりは軽い。合格ラインのボディ600g切はなんとか達成。

Hasselblad CFV-50c, Planar C 80mm f2.8 ©2021 Saw Ichiro.

なんにせよスチール写真+M型には無い本格的なRawムービーまで備えてこのサイズ感は、とりあえずはfpシリーズの偉業に拍手喝采だ。

この小さくてコンセプチュアルなスクエア・デザインに、シンプルさと機能性を凝縮しているそれは、男の子心をくすぐるには十分だ。質感にうるさいライカのオジサマ方も、Sigma fpLの塗装やビルドクオリティに不満は無いはずだ。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.

何より、他の何にも似ていない、何も踏襲していない「オリジナル」なパッケージ・デザインから生み出す機能美は特有のオーラを宿すもので、fpにも確かにそれがある。リスクを恐れ一般人にお伺いを立てて、人気投票的に商品を作るマーケティングベースでは、この様な尖った新星は絶対に産まれない。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
 

SmallRigのウッドグリップがツルツルで、そのままではいつか本当に手が滑って落としそうに感じたので、プロの友人に削って頂いた。20分くらいでまるでその状態で売ってるかの様な完璧な凹みを作って下さった。ありがとうございます!

グリップを買った理由は持ちやすさだけじゃなく、これが無いと僕の場合、75%の確率でカメラを握った際に背面AELボタンを押しっぱなしにしてしまう(笑)。ちょうど親指の位置にボタンがあるのだ。確かに他に配置する位置は無さそうだが、みんなどうしてるんだろう。

電子シャッター問題

電源を入れてから約1.5秒で撮影スタンバイ状態になる。スリープからの復帰も1秒以内と結構速く、スナップにも使えると思う。

Sigma fpL, MS Optics Sonnetar 73mm f1.5 ©2021 Saw Ichiro.
 

問題は電子シャッターだ。僕はハッセルブラッドX1DIIで電子シャッターに痛い目に合っていて、あちらは事実上、三脚を立てて花か風景を撮る以外は電子シャッターは無理だった。(シャッター内蔵純正レンズが必須)社外レンズで手持ちで歪み無く人を撮るのは不可能という結論に至った。

画素数的にはfpLが6100万画素、X1DIIが5000万画素という事で、fpLは中判デジタル以上の画素数だ。そもそもこんな小さいボディに、不必要にデカイセンサーをブチ込んでしまった所がネタとしては面白いが(^^)、数値上はfpLも電子シャッターは十分危ない。またもや人柱になってみた。

 
Sigma fpL, MS Optics Sonnetar 73mm f1.5 ©2021 Saw Ichiro.

まだ短期間しか試していないが、今の所の僕の感想は、fpLは実用範囲内と言ってよさそうだ。動いている車や電車は無理としても、普通に止まっている人物を撮る分には問題無い。fpLのセンサーのスクリーニング?のスピードが、感覚的にはX1DIIの倍以上速いと思う。

とは言え、下の子の元気の良さには敵わない様だ。
Sigma fpL, MS Optics Sonnetar 73mm f1.5 ©2021 Saw Ichiro.
ハッセルX1DIIではこうなる。それに比べたらfpLは格段に実用可能と言っていい。

ちなみに2460万画素のfpの場合は仕様を見る限り、恐らくfpLのさらに2倍スクリーニングが速いと推測され、より電子シャッター歪みには有利なはずだ。子供を撮る人やスナップメインのレンズ遊び用母艦としては、素のfpの方が安心感があるかもしれない。

電子シャッターのもうひとつの問題点、フリッカーのシマシマが写ってしまった。
Sigma fpL, Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm f2.4 ©2021 Saw Ichiro.
 

テザー撮影

今のところはテザー撮影はfpLは不可能の様で、最新のCapture One v21でも現段階ではRaw現像は出来るがテザーは公式に非対応となっている。有志が独自開発しているツールも存在する様だが、Mac版はまだ見たことが無いのが残念だ。

その代わり、ムービーに関してはUSB-C経由で直接Macでのストリーミング再生が可能で、Zoom等のオンラインカメラとしてや、OBSなどを使ったムービーのモニター、録画はPCで直接行える。まあ、高画質で自分の顔をZoom会議に晒しても仕方ないけど(^^)。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
 

現像ツール

Sigma Photo Pro6という現像ツールが無償提供されているが、申し訳ないが僕は30分で諦めた。Capture One21と比較して、ソフトウェアの成熟度がまさしく月とスッポンだ。例えばカラー写真をモノクロに変換するのに、SigmaソフトはCapture Oneの20倍くらい待たされる。何をするにも半端なく遅いのだ。

以前にSigma フォビオンセンサー機を短期間使っていた事があるが、その時も現像アプリに閉口してすぐに手放してしまった事を思い出した。ユーザーインターフェイスが全然直感的じゃなく、今回もウィンドウが煩雑に複数表示されていて、マニュアルを読まなければ露出調整すらどうやって画面を出すか分からなかった。

Sigmaアプリは諦めて、Capture OneでのfpLの具体的な運用方法を少し研究してみた。

ちなみにだいぶ以前に僕はLightroomからCapture Oneに移行していて、Lightroomが今どうなっているのかは全然知らないので何も書けない。

Sigma fpL, MS Optics Sonnetar 73mm f1.5 ©2021 Saw Ichiro.
 

カラープロファイルの問題

シグマに限らず、カメラから出てくる絵の印象の大部分が、単なる現像アプリのカラープロファイルに依存していたりして、実はプロファイルに一喜一憂しているだけというオチがある。これをいじる事でライカでもシグマでも、違うカメラの様な特性にさえなる。

ところがCapture Oneに収録されているfpL用Raw現像プロファイルは、結構ヤバい。やっつけ仕事?或いはプロファイル製作者側に悪意があるかと疑うほど(^^)お粗末なものだった。少なくともSigma fpLに愛のある人が作ってないのは明らかだ。

意図的に発色を濁らせてPhase Oneの自社カメラのプロファイルはメッチャ気合入れて作ってたりして、ほら、他社の色とこんなに違うでしょ!と言いたかったりして(^^)

fpLのデフォルト・プロファイルの発色は総じて色褪せてしまって、暗い、眠い。コントラストばかり強くて、これではみんなピクチャースタイルに走るはずだ。仕方が無いのでカラーチェッカー・パスポートで自作のカラープロファイルを作成する事にした。

以前と違って、いつの間にかX-rite社の純正無料アプリでCapture Oneのプロファイルが作成出来る様になっていた。プロセスは慣れるまではだいぶ面倒だが、他社の有料アプリを買わなければならなかった以前に比べて、格段に進化したと思う。(Lightroomは確か、Lightroom内で手軽にコンバート出来たはず)

Capture OneのICC作成方法は先人が詳しいレポートを書いてくれている。それぞれ詳しいポイントが異なるので、英語恐怖症でなければ両方チェックするのがオススメだ。

日本語
https://shachicame.com/capture-one-color-checker-passport-1

英語
https://www.youtube.com/watch?v=wcOn1SyP7WA

久しぶりにカラーチェッカーを引っ張り出してきて、晴れ、日影、曇、タングステン、夜間の街頭、ビデオライト、自宅など複数のICCプロファイルを用意した。これで大概のシチュエーションで、現実に近い鮮やかな発色を再現出来る様になった。

 

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.

左右の違いはカラープロファイルのみだ。普及している街灯の色が国ごとに全然違ったりするが、日本の街灯のプロファイルは自作でしか手に入らない。僕の様なナイト・シューターは重宝するが、決しておじさん一人でこのプロファイル撮影はやらない方がいい。怪しすぎる(笑)
左:デフォルトカラープロファイル Sigma fpL Generic
右:ColorCheckerで作成したオリジナルプロファイル:夜間街灯(寒色)

Sigma fpL, 105mm F2.8 DG DN MACRO ©2021 Saw Ichiro.

実際にカラープロファイルを適応した写真。こういうのはサチュレーションをいくら上げても不自然になるだけで、プロファイルが肝になる。これだけ変わると食材の鮮度まで違って見える。食べる方に一生懸命で、後ピンなのはご愛嬌(^^)

左:デフォルトカラープロファイル Sigma fpL Generic
右:ColorCheckerで作成したオリジナルプロファイル:室内斜光


単なる趣味の素人が自分用にテキトーに作ったものなので完璧なはずは無いが、自分で作成するのが面倒な方のために、ダウンロード出来る様にしておいた。17個もあるので、適宜気に入ったやつだけ使って下さい。ただこれは数十年前のContax Planarレンズで作成したプロファイルで、現代レンズに最適化している訳ではない。使えるとは思うけど。(上のテーブルフォトは現代レンズ)

無償公開につき、どうやって使うんですか?的なメールは送らないで下さい。無視します。自分で調べて使ってね。(お礼メールは大歓迎。w)

WindowsでZip解凍するとMac生成のゴミファイルも含まれていると思うので、.iccファイル以外削除して下さい。

Macinotosh HD / ユーザ / ユーザー名 / ライブラリ / ColorSync / Profiles

ここに放り込んでCapture Oneを再起動するだけ。Windowsは良く知らないので調べて下さい。Lightroomでも使える可能性もあるが、テストしてない。

カラータブ内のBase Characteristicsから選べる様になる。今気づいたが、街灯の漢字が間違ってたw。直して使って下さい。
 

例えばハッセルX1DIIが描く人肌表現はバロック絵画のごとく繊細で美しく、もう何のパラメータも触る事が出来なくなったりする。シグマのピクチャースタイルは人気の様だが、大事なのは元素材の品質を高める事の方であって、色遊びの装飾は主体じゃない。ハマれば面白いとは思うけど。

Hasselblladの人肌表現。
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 ©2021 Saw Ichiro.

ちなみにCapture Oneでは、現状ではシグマ製ピクチャースタイルを選んだり変更したりは出来ない。そのうち対応するのかな?

レンズのチョイス

実はハッセルブラッドX1DIIの時にやろうとして、電子シャッター問題でポシャった計画が、久々のCarl Zeiss。ContaxのPlanar 50mm f1.4と85mm f1.4、それと以前から使っているフレクトゴン35mm f2.4だ。これらをメインにしばらくfpLを使ってみる事にした。

最初はLeicaレンズでミニマムサイズで運用する事も考えたが、Leicaの価格上昇が近年は異常値に達している。ライカだけ毎年値上げする意味が分からない。ズミルックス一本の価格で、fpLボディとEVF、このレンズ全部+純正一本買える。生きにくい世の中だなあ(^^)

Sigma fpL, MS Optics Sonnetar 73mm f1.5 ©2021 Saw Ichiro.

ちなみに構図の添削のピーチ先生はライカレンズよりツァイスの描写が好きらしい(^^)確かに女性受けはしやすいのかも。 MS Optics Sonnetar 73mm f1.5については以前詳しく書いた。

Contax Planar 85mm f1.4のフィルター径がたまたまXCD90と同径の67mmだったので、NDフィルターやTiffenブラックミストが使えてラッキーだった。ちなみにf1.4レンズを晴天下で使用する場合、fpLの1/8000の電子シャッターを持ってしても絞り開放では露出オーバーになる。(Rawで救出可能範囲だが)ND4フィルタは一つ持ってて損はない。

Sigma fpL, MS Optics Sonnetar 73mm f1.5 ©2021 Saw Ichiro.

ついでに50mm f1.4のフィルター径は55mmだが、55-67mmのステップアップリングを噛ませて、67mmに統一しフードもフィルターも共用する事にした。使う時は常にどちらか一本だし(^^)

フードは選択肢がいくつかあるが、デザイン的にこれを選んだ。85mmでも 50mmでも蹴られない事は確認済み。

Contax Planarの世間の作例の多くは、カメラが日向にあるだけで盛大なフレアとゴーストに見舞われているものが多いが、恐らくフードを付けてないのだと思う。特に昔のZeissレンズは、ちょっとでも陽にさらされると思い切りコントラストが低下する。そんな陽の光の表現も嫌いでは無いが、いつもいつも真っ白になるのは嬉しく無い。いずれにしてもオールドZeissはフード必須だ。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.

85mmは595gあり、Noctilux 50mm f0.95の700gに迫るズッシリとした重要感がある。レンズ枠一杯までデカイレンズが装填されていて、中判には無い迫力だ。ボディの軽さと相殺して、まあ持ち歩ける範囲かな。どうかな。フロントヘビー過ぎて、握って持ち上げるとネジ一点留めの木製サイドグリップがきしむ。

対して50mm f1.4は275gしか無く、ほとんどズミクロン50mm(Black 240g)と変わらない。いや、まあまあデカイマウントアダプターも考慮する必要はあるが、サイズ感もズミルックスよりちょっと太ってる程度で、一日中、首から下げて歩ける有力候補だ。

Planar 50 f1.4にステップアップリング経由で67mmフード。見た目も質感も全然違和感無い。

ただ、Planar 50mm f1.4は樽型のディストーションが意外なほど大きかった。35mmフレクトゴンより酷い。方眼紙チャートを買ってきて、それを使っていい加減なレンズプロファイルも作成してみたので、Capture Oneで補正しながら様子を見る事にする。

Sigma fpL, 105mm F2.8 DG DN MACRO ©2021 Saw Ichiro.
 

純正レンズは105mm F2.8 DG DN MACROのみ。友人の手伝いでマクロ撮影が必要なので、そのためだけに買った。純正レンズが105mm一本なんて、こんな奇特なレンズ選びをする人はいないと思うが(^^)、僕の場合は高解像の現代レンズは、いつも途中でつまらなくなって使わなくなってしまう。シグマレンズが優秀なのは知ってるが、僕にとってはオプション的に一本あればいいかな。

別に古い絵が欲しい訳ではなく、紆余曲折を経て、今は球面レンズの優しい柔らかい画作りが好みだったりする。そのうち気が変わるかもしれないが。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.

この描写を見て、Leica M typ240を思い出した。嫌いじゃない(^^)。

 

fpLの絵作り

まだほとんど撮ってないしまだ何も語れないが、今の所の感想を正直言うと、fpLはモノとしてはかなり気に入ってるが、絵としては逆にハッセルの凄さに改めて気付かされている。カラープロファイルなど考える必要も無い完璧な発色、淀みのないスッキリとした余裕の抜けの良さを見慣れた後だ。

X1D II 50c – Hasselblad, XCD 4/45P ©2021Saw Ichiro.

でも比較する相手が中判デジタルというのはフェアじゃないし、fpLはカラープロファイルで損している部分も大きい。それに、そもそも僕がfpL用にチョイスしたのはオールドレンズだ。

シャッターを押しただけで完璧な絵が撮れて「このカメラの写り凄いねー!」とカメラの性能を愛でるよりも、僕は本来こっち側を楽しみたかった。だから逆に、ハッセルの時よりやる気がある。(^^)

X1D II 50c – Hasselblad, XCD 4/45P ©2021Saw Ichiro.

ファイルサイズ

ハッセルX1DIIよりもさらにデカイ。重い。それなりの時間はかかる。写真もRawで一枚100MB弱。一枚シャッターを切る度に、並のSDカードではいつまでもピカピカ光って書き込みにもたつく。価格が高いので僕はまだ買ってないが、読み込み300MB/秒の最新&最速SDカードが欲しくなるだろう。12bitのCinema DNGも本気で運用するなら、ファイルサイズ的には2TB程度の外部SSDが必要になってくる。


メーカー推奨SDカード


メーカー推奨SSD

シグマが推奨している上記Samsung T5以外のSSDでは、途中で勝手に録画が止まってしまうエラーが報告されていたりして(素のfpでも発症する)、Samsungを選んでおくのが無難だ。しかし2TBのT5は2021年4月現在で3万円オーバーだし、まともにCinema DNG編集しだしたら、もれなくM1 Macが欲しい病にかかるだろう(^^)

メーカー推奨SSD、その他
https://www.sigma-global.com/jp/special/fp/acc_recommend/

いずれにせよ6100万画素に行くという事は、周辺もいろいろコストが嵩んでくる。本当にfpLが必須なのか、fpでも幸せになれないか、導入の際はちょっと冷静に考えてみるべきだ。

僕の場合、fpLにした決め手はローパスフィルターが復活した事だ。X1DIIの時もローパスフィルターレスによるパープルフリンジが頻繁に発生し、解像度よりもずっとそちらが深刻だった。これでローパスフィルターの重要性を再認識した次第だ。(Leicaレンズは不思議なほどフリンジが出ないので、これは盲点だった。)

右上にフリンジが見える。特にXCD90が頻度が高い。
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 ©2021 Saw Ichiro.

とりわけContax Planarのフリンジ問題は有名で、これらのレンズにボディを合わせた意味合いが大きい。あとはUSB給電に対応した事。ムービーを室内で長回しする仕事が時々あり、バッテリーに頼りたくない事情があった。それだけ。6100万画素もマジでいらない。2400万で十分。

EVF-11は必要か?

AFレンズならともかく、MFでレンズ開放付近で使うならEVFは必須と思った。日向で背面液晶で精密なピント合わせは無理と考えた方がいい。すこぶる見にくい。フォーカスピーキングが唯一の手がかりになる。今までfpユーザーはEVF無しでよく頑張ってると感心した。

それと手ブレ補正的な機構が無い以上、しっかりした構えが必要で、液晶を目視しながらの、いわゆるスマートフォン撮りスタイルでは、50mmを超える焦点距離レンズの場合、1/60s以下ではどうしても手ブレ率が高くなってしまう。オデコ、鼻も含めた顔を利用した3点支持がやはり必要だ。でも、EVF-11が結構デカくて、装着状態だとカバンにしまいにくい。

EVF-11の気に入らない所は、目を近づけても自動でEVFと液晶が切り替わらない事。いちいちEVF横のスイッチを入れる必要があって、面倒だ。それと撮影時だけはEVFで見たいが、メニューやPlayは背面で見たいでしょ普通。スイッチ切り替えまくり。やっぱ面倒。なんとかして欲しいなあ。

それにしても凄いボケだ(^^)
Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.

その他希望

レリーズ半押しでAF作動を好まない僕にとっては、他にAFが割り当てられるボタンがほとんど無い事に結構真剣に困っている。なんで割り当てないのだろう。技術的には可能と思うので、是非ファームアップで対応して欲しい。

それとMF操作した際に、社外レンズでもなんとか工夫して自動判別させて拡大して欲しい。電子接点が無くても何かのカメラでそれを実現していた気がする。ライカだっけ?そして、レリーズ半押しで拡大終了して欲しい。(現状はいちいちボタンをもう一度押さないと拡大しっぱなし。)

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
 

ストラップ

fpシリーズに共通して言えるのは、拡張性が高い反面、ボディの左右にパーツを付けたり外したりする度に、いちいちストラップを付け替える手間が発生する。しかもEVFを外さないと充電出来ない。汗 左右にストラップをつけて首から下げる使い方だと、充電時はストラップの左端にEVF、右端にボディがぶらさがっている絵になる(^^)

首さげは一旦やめて、片側装着のリスト・ストラップを採用することにした。

しかも一般的な?リング状のストラップ受けと違う形状をしており、手持ちのストラップを使えなかったので、これも新調してみた。安いけど本皮。

ずっと手首にぶら下げる訳にもいかないので、Leica S以来の腰ベルト・スタイルに再び戻ってきた。

この手をアクセサリーを久しぶりに調べてみたら、便利なツールがたくさん登場している。いろいろ調べてPeakDesignのキャプチャーを選択。以前使っていたベルトフォルダよりだいぶコンパクトでイイ。

今のところ何の問題もなく快適に使用出来ている。カメラサイズ的にもこれがベスト・マッチと思った。しばらくはこの組み合わせで歩いてみる。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.

おまけ(テーブル三脚)

もう何年使っただろう。マンフロットのテーブル三脚(右)が、ゴム足も取れて紛失していて、だいぶくたびれて来た。いつもカバンに忍ばせているが、持ってて良かったと思えるタイミングが時々ある。実際、普通の三脚もいくつか持ってるが、それらよりも使用頻度はテーブル三脚の方が圧倒的に多かったりする。

そもそも非常用の感覚でしかなかったテーブル三脚だが、滅多に持ち出さない本格三脚よりもこっちを充実した方が幸せになれる事に気がついた。

Leofoto MT-03+LH-25(左)

実はここ数年で出会ったアクセサリーの中で、これが一番萌えたかもしれない。持ち歩くためにPeak Designのキャプチャーがカメラ底部に付けっぱなしになっている訳だが、キャプチャーの形状がアルカスイス互換と気がついた。つまり、カメラをベルトから外して、Leofotoのアルカスイス雲台にそのままワンタッチで装着出来るじゃないか。

Sigma fpL, Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ©2021 Saw Ichiro.
 

LH-25雲台はかなりコンパクトで軽量だが、仕様では耐荷重6kgとある。確かに十分な剛性感でハッセルブラッド503CXを乗せても全然OK。

MT-03(足)も折りたたみ式の他に見られないアイディアで、さらにスライダーにより高さが3段階切り替えられる。Max地上高がこの手のミニ三脚として恐らく最大の約25cm。これはつまり、15インチノート・ディスプレイの向こう側から、オンラインカメラを正面に配置出来る事を意味する。これが出来る小型テーブル三脚は僕は他にみつけられなかった。

テーブル三脚としてLeofoto最強説。チャイナ製とバカにする時代は昔の話か。なんで日本からこういうモノが出て来ないのだろう。

一つ注意点があって、アマゾンで同じ製品をちょっとだけ安く売ってるモノもあったが、雲台をつけたまましまえる専用ケースが付属していないトリックがあった。裸でカバンに長年入れておくと痛むので、専用ケース付きのこちらがベストと思われる。

Sigma fpL, Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm f2.4 ©2021 Saw Ichiro.

熱くなって猛烈な長文を書きなぐってしまったが、ここまで根気よくお読み下さりありがとうございます。いろいろ文句も書いたが総じてSigma fpLは面白いし、可愛い(^^)。久しぶりにカメラ熱が再燃して困っているくらいだ。僕は日本人なので、もちろん日本企業を応援したいし、日本企業がこういうマイルストーン的な製品をリリースしてくれた事が、素直に嬉しい!

チャンスがあればfpLで何か撮りに行きたい。

Hasselblad CFV-50c, Planar C 80mm f2.8 ©2021 Saw Ichiro.

 

APM120 双眼望遠鏡で遊んでみた
Sigma fpL+Contax Planar 85mm f1.4でポートレート
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

QS400 Test-002

道具編

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天体観測

APM120 双眼望遠鏡で遊んでみた
Sigma fpL+Contax Planar 85mm f1.4でポートレート