2020年2月28日 ichiro

Hasselblad X1D IIの美点

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/2000, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

せっかく買ったのに文句ばっかり言ってても始まらない。楽しまなければもったいない!

近所を少し撮り歩いたので、Hasselblad X1D IIとC Planar 80 f2.8で写す葉山を載せてみる。今日はネガティブな事は書かず、気に入ってる点や前向きなコメントを書くと決めている(^^)。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/60, ISO 400) ©2020 Saw Ichiro.

実際、X1D IIから出力される絵は他の多くのレビュアーが証言する通り、中判デジタルの品格が存分に溢れている。背面液晶のプレビューよりも、取り込んだRawデータが素晴らしい。オールド・ハッセルVレンズとの組み合わせも、電子シャッターの問題さえ乗り越えられるならば、僕が欲しかった絵そのままだった。これほど優しく、柔らかく見せてくれる中判レンズは現代のラインナップの中にはみつけられないはずだ。

オールドレンズを使うもうひとつのメリットは、ピントをちょっとくらい外しても全然気にならない事。(笑)ビッシビシの現代アスフェリカル・レンズの場合、瞳のピンを外そうものなら最高の楽しみを奪われた様な、せっかくの一枚を台無しにしてしまったかの様な絶望感に陥るw。

最初からピンの鋭さを楽しむ目的では無い場合、視点はもっと別の所に向く。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/90, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

これは元の画像から20分の1くらいに、メッチャ小さくクロップした。そんな無茶苦茶な事をしても全然平気なのは、確かに5000万画素の恩恵。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/90, ISO 1600) ©2020 Saw Ichiro.

ピントが気にならなくなると、当然手ブレも気にならない訳で、どんなにシャッタースピードが遅くなっても全然関係なくw、それよりも今撮りたいモノを、余計な事を考えずテキトーに絞り優先で撮りまくれる。これも高感度ノイズのシマシマが出ているが、そんな事も気にしないw。

なんか、今まで知らずしらずのうちに肩に力が入ってたのが、スッと抜けていく感覚。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/750, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

電子シャッターはストロボ非対応という事で、早速ビデオライトを試してみた。いろいろ種類はあったが、僕が選んだのはこれ。

届いてみたら意外なほど小さかった。光量は十分に明るいし、白と黄色を混ぜる事も出来て便利だ。そもそもビデオライトに関して僕は何の知識も無かったのだが、やはりクリップオン・ストロボやモノブロックに対して、当然ながらパワーは全然違う事は分かったw。

ビデオライト全開で、普段ストロボで撮る時のf8.0、1/125sで試してみるとこうなる。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/8.0, 1/125, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

これでも撮られている側にとっては、ずっと脇で点きっぱなしのライトが非常に眩しく、目を見開いているのが辛いほどなのだ。ストロボが瞬間的に発光するのは、ちゃんと合理的な意味がある事を学んだw。ビデオライトでもISO400、1/60s、f5.6辺りで不足が補える感じだった。開放付近で使うのでも問題なさそうだ。いずれにせよ、ビデオライトはビデオ撮影に使った方がいい。(笑)

これの正常な写真を載せていないのは、顔の形がいずれも変形してしまっていたから。電子シャッターでポートレートを撮る場合、撮り手も被写体も、極端に言えば撮る瞬間に1cmでも動いてしまうと、微妙に顔が変形してしまう。一つ上の野外ポートレートも、複数撮ったが実は全部顔の縦横比が微妙に違う。シャッタースピードの問題では無さそうだ。

微妙では無い場合もある。(笑)

風景やブツ撮りを三脚で行う場合はあまり問題にならないはずだが、お互い完璧にフリーズするのは不可能な以上、電子シャッターで人を撮るのは現実的には不可能という事だ。どうしても撮る場合は、一番形の歪みの少ない一枚を消極的に選択する事になる。つまりX1D IIで行く場合、必ず純正レンズを使用しなければならない。

中判デジタルでオールドレンズ遊びをするなら、フォーカルプレーンシャッターを搭載するFujifilm GFXシリーズ以外に、現在において選択肢は無い事を肝に銘じなければならない。

出てくる絵は気に入っているだけに、とても残念な結論だ。高い勉強代となってしまったが(^^)、他の方が同じミスを繰り返さないためにこのブログがお役に立てる事を願うばかりだ。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/500, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

さて、ここで僕には2つの選択肢が残されている。この惑星で最もセクシーでエレガントな中判カメラ、X1D IIを使い続けるために柔らかいオールドレンズを諦めて、シャープな純正レンズを調達しつつ、ファームウェア・アップデートを気長に待つか。

X1Dの場合、ほとんどの人は最初にXCD 3,5/45を選択する。35mm画角という事の他に、優秀だし軽いし価格が安いのも大きい。これに行った人たちは概ねX1Dに満足している様に見える。無理の無い被写界深度で、オートフォーカスもあまり問題無さそうだ。でも個人的な意図としては45mmでは中判に行った意味があまりない。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/500, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.

或いは明日にでもX1D IIを売却し、それを元手にGFX 50Rに買い換えるか。妙にデカくなるしボディデザインの美しさや質感は見劣りするが、それさえ目をつむれば現在X1D IIが抱えている、高感度シマシマ問題、ブラックアウトが長すぎる問題、シャッタータイムラグの問題、ムービーが撮れない問題、MFアシストがまともに動かない問題、ISOが3200までしか無い問題、そして電子シャッターの問題を全部一発で解決してくれる(^^) 結構あるな、、、あ、おまけに今世紀最高のポスプロツール、Capture Oneが使えるし、来週の動画を撮る仕事もiPhoneで妥協せずに済むw。

でも、僕が絶対に使わない露出補正ダイヤルが一番重要な所を専有し、握る場所が無いほどボタンだらけのカメラに逆戻りな事に、そもそも耐えられるのか。デザインや所有欲は二の次で、写真を仕事と捉えるなら迷わずFujiだが、変態を自称するならば多数派がFujiに行くなら、尚更僕はハッセルに行くべきではないのかw。

考えてみれば、もしハッセル純正レンズに行くならば、高感度シマシマ問題、ブラックアウトが長すぎる問題、シャッタータイムラグの問題、MFアシストがまともに動かない問題、電子シャッターの問題は多分、関係無い訳で、ムービーが撮れない、ISOが3200でCapture Oneが使えない3つが残る。うち2つはいずれ解決する。

しかしそもそもカメラの都合で人間の作風を180度変える姿勢もどうかと思うし(笑)高価なモダンレンズを簡単に揃えられない財布の問題もあるw。

さあ、困った。

X1D II 50c – Hasselblad, Planar 80mm F2.8 T* (ƒ/2.8, 1/20, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.

ハッセルブラッド X1D II 50C 最初のレビュー
X1Dの純正レンズ

Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

ハッセルブラッド X1D II 50C 最初のレビュー
X1Dの純正レンズ