僕のX1D II 50c をIkuya S.さんがFujifim X-T20にて斬新な背景色で撮って下さった。ありがとございます!
オシャレを楽しんだり、お気に入りのカフェで素敵な時間を過ごしたり、たまにちょっと贅沢してみたり、写真や音楽に打ち込んだり、そういった一見無駄とも思える、生活必需品でない社会との文化的な繋がりが実はとても大切だったりして、そういう非合理性を一切排除して社会に何か価値のあるアイディアやクリエイティビティを提供する側にはなり得ないと、僕は思っている。どの分野においても。
帰国不能になる前に僕は日本に居たが、全ての飲食店が営業停止、外出すら制限されたりして、ウィルス騒動が欧米では日本よりも深刻な様だ。騒動が一段落した後は、今度は経済的なサバイバルゲームになるかもしれないが、こんな時だからこそ、可能な限り平常な生活を続けたいし、少しづつでも写真も撮っていきたい。
今日もいつも通り、下らない素人レビューを少し書いてみる。
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/30, ISO 1600) ©2020 Saw Ichiro.
純正レンズXCD 3,2/90をゲットしてからというもの、Hasselblad X1D IIが実に快適だ(笑)電子シャッターにまつわる不具合から開放されて、とても便利に使えている。
通常はMFモードにしておいて、背面ボタンを押している間だけAFがフォーカスを探してくれる、Leica Sでやっていた使い方で運用出来ている。少なくともS-Eよりはフォーカスは速い気がする。例の構え方で(^^)、例え5000万画素の90mmレンズという厳しい条件としても、シャッタースピードがいくら遅くても手ブレの確率を格段に減らす事が出来る。
伊豆の朝の散歩道より。現像では露出を若干暗くしただけだが、このレンズはもっと硬いと思いきや、意外と優しい質感で撮れる所がお気に入りだ(^^) X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/4.0, 1/125, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.
XCD 3,2/90の特性は特段、固くも柔らかくもなく中庸で優秀なレンズだ。反面、ズミルックスの様な強烈な個性や面白みも特に無いので、レンズに対する愛というか思い入れみたいな感覚は個人的には生じにくい。3D感もオリジナルの大画面ではちょっと感動的だが、2048pxまで縮小すると言うほどでも無いし、残念な程に画質劣化を感じる。
どうもX1Dのネット上の作例が全体的にLeicaに見劣りする気もするし、撮り手としてもなんとなくLeicaよりもオリジナルと縮小jpgとの差が大きいと感じるのは、もしかしたら専用現像ソフトPhocusのコンバーターの問題だろうか。Phocusのオリジナルサイズの色味やシャープネスは申し分無い。
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.4, 1/100, ISO 1600) ©2020 Saw Ichiro.
シャッター音がレンズごとに異なる点が面白い。少なくともXCD90のシャッターは、静かな場所で聞くと内部で何か引っかかっていた金属部品が外れて壊れてしまった様な、カキン!という変な音がする。でも雑踏の中では雑味がかき消され、一度いい音ですね、と人様に言われた。
ともあれ、人を撮ると顔の形がとても自然に映ったり、階調がメッチャ豊かだったり中判の恩恵はしっかり享受していて、X1D IIは僕のニーズを満たしてくれている。
by Ikuya S. with Fujifilm X-T20
フードを装着すると結構長くて、見た目はLeica Mレンズの感覚からするとだいぶ大袈裟になる。フード付けっぱなしなら、バッグのスペースはMモデル2台分を専有しそうだ。フード自体は金属製で造りは良いが、より軽量小型な社外品に替えてみる事も検討している。
早速仕事でも撮りまくったが、相手が動かない被写体なら全く問題ない。でも大凡2、3時間くらい?休まず撮り続けるとバッテリー残量に赤が付く。半日やるなら予備バッテリーは2本あってもいいかもしれない。
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/45, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.
ご親切にメッセージを下さった方が何人かおられて、前回書いた不具合の原因を教えて下さった。返信しようとしたがメールがエラーで帰ってきてしまうので、この場を借りて御礼申し上げます。
以前書いた高感度シマシマ問題は、高感度だからではなく環境光に含まれるフリッカーが原因で、純正レンズでも電子シャッターを使うと同様にフリッカーのシマシマが現れるそうだ。ローリングシャッター速度が300msのソニー中判センサーの電子シャッター使用時の宿命という事だった。ISOが3200までしか無いのも電子シャッター縛りで、純正レンズだとISO25600まで普通に使えた。
Leica S-Eと決定的に違う所は、ISO3200でもほぼノイズフリーで普通に使える所だ。S-Eの高感度ノイズはそれはそれで味わいがあったが、2014年のS-Eリリースから6年を経て、さすがに中判も進化を感じる部分だ。白飛びや黒潰れも圧倒的にX1D IIが強い。
永福町の踏切より。開放のつもりが気づかないうちにダイヤルに触れて、ちょっと絞ってる事がよくある。笑 X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/4.0, 1/40, ISO 3200) ©2020 Saw Ichiro.
シャッタータイムラグの問題は電子シャッターでは絶望的だが、純正レンズは問題無かった。でもブラックアウトが長過ぎる問題は純正レンズでも同様で、連射撮影モードではさらに遅くなる。
MFアシストの件も純正レンズでは解決されて、レンズのゴム?リングにちょっと触れるだけで確実にEVFが拡大表示され、レリーズに触れると戻り、とても快適だ。当たり前だがw
嵐の前の静けさ。X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3.2/90 (ƒ/4.0, 1/400, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.
という事で、普通に使えるカメラになった。メデタシメデタシ、、、となりそうな所が、ここに来てHasselblad CFV II 50cの出荷が始まったと読者の方が教えて下さった。しかも電子シャッターに頼る事なく、500C/Mのフィルムパックと置換して普通にVレンズのレンズシャッターが使えるという!これはヤバイ(笑)
両目と片目では人間の空間把握能力に大きな差が出ると僕は考えていて、ウェストレベル・ファインダーで両目で構図を作りながらじっくり取り組んでみるのは、確かに面白そうだ。それにハッセルもレンズが高いので、CFV IIに加えて、必要なオールドVレンズを中古で揃えればトータルコストは格段に抑えられる。
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/20, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.
でも実際、純正のXCD90のAFも今のところ快適だし、5000万画素の高解像度もしばらくは楽しいだろう(^^)。それに飽きて来る頃にやっと写真の本質の方に目が向いて来て、でも我慢出来ずに古いレンズに走り出すのは、もうライカで散々やって分かりきっている。(^^)
X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/90, ISO 100) ©2020 Saw Ichiro.
500Cボディで運用するなら、結局カメラサイズがデカくなるのは避けられない。EVFファインダー無しで日中本当に困らないだろうかとか、あのガチャポン!という壮大なミラーアクション・ノイズと振動を発する500Cのシャッターも撮影場所を選ぶし、一枚撮る度にレンズシャッターを開くためのフィルムレバーを巻く儀式が、最初はアナログ感を楽しめても果たして2020年にそんなスロー・ライフを続けられるのかとか(^^)、再びいろいろ悩ましい。
しばらく仕事が忙しく、ストロボ撮影など時間が出来たら試してみたい。
助手席でウトウトしていたが、慌てて走行中の窓から撮った。X1D II 50c – Hasselblad, XCD 3,2/90 (ƒ/3.2, 1/125, ISO 1600) ©2020 Saw Ichiro.