2024年12月1日 イチロー

Borg 72FL-BINOを検討してみる

日帰り&天気の都合で、久しぶりに乙女高原にAskar 120APO BINOを連れて遠征した。心配していた風も大したことはなく、長野に負けない素晴らしい空だった。

なんだか最近は妙に広角趣向になっていて、Nikon NAV-17HW(2.06°、49.4x、EP2.4mm)も楽しんだが、ほとんどはMasuyama 32mm(3.24°、26.2x、EP4.6mm)で無数の星屑を散策した。

50倍、100倍なら20cmF7 BINOでも楽しめるが、せっかく焦点距離840mmを持ってきたのだ。1400mmの20cmでは見る事の出来ない広視界を楽しみたいと思うようになった。ああ、贅沢。(^^)

とは言えNav-17HWの50倍で眺めるM33は、増山32mmの26倍で見えなかった腕の淡いグルグルが見えてくるし、Nikon NAV12.5mmに付属レンズを付けて10mm(84x)にしたM81,82ペアは凄い迫力だった。100°視界に両方を収めたまま81の手裏剣が見えるし、82の暗黒帯の構造の片鱗を観察できる。空が良くないとこうは見えない。同じアイピースのM42も大スペクタクルだ。やはり明るいDSOは10mmアイピースが超楽しい。

カシオペヤ座イータ星(SkySafariではAchirdと表記)の二重星が、50倍で見事に美しく分離してくれる。立派な白い主星のすぐ近くに、寄り添う様に金色に輝く伴星がこの日一番印象に残った。以前に目を奪われたいっかくじゅう座ベータ星も見返したりしたが、この二重星、スキ(^^)。

という事で、当たり前だけどやっぱり倍率を変えられると、楽しみ方が格段に増える。

WX 10x50IFでもあちこち流した。5cm口径でも宇宙散策は意外なほど楽しいが、それなら例えば7cmならもっと楽しい?(^^) もちろんEMS BINOなら倍率も自由になる。2.5kgのニコン双眼鏡とほとんど変わらない重量と手軽さは、Borg FL72 BINOなら実現出来ちゃわないか?などと、また新たな妄想が膨らんできてしまった。これはマズイ、、笑

Borg 72FL


Borg 72FL対物レンズ

僕の計画はこうだ。

WX 10x50IF(9°、10x、EP5.0mm)に対し、72FL+増山32mmなら7°弱まで行ける。(6.8°、12.5x、EP5.8mm)先日の小海星フェスでgariさんに見せて頂いたAPM UF30mmが、見掛視界は70〜72°程度に留まるが周辺まで像が崩れず、素晴らしい見え味だった。あれと合わせても(5.4°、13.3x、5.4mm)となかなか楽しそうだ。

APM UF30を付けっぱなしで専用ケースに一体でしまっておけば、ジンバル雲台付き三脚とケースを持って出れば観望スタートできるので、手間はWXとほとんど変わらない。いや、座って見るなら椅子も欲しいか。導入支援にSkysafariを活用するなら、このくらいの倍率になってくると先日の双眼鏡お手軽戦法は使いにくい。やはりエンコーダー+松本さんの傾斜センサーも欲しいかも。それならバッテリーも要るか、、、(^^)


昔の愛機、Borg 71FL BINO

その代わり、90度対空なので座ったまま楽に天頂も眺められるし、その昔、71FL BINOで何度も感動を体験したので想像がつく。ニコンWX顔負けのクリアさ、抜けの良さでレンズを覗いている感じがしない。素敵な映画を見ているようだ、というその場に居た女性の名言がその光景をよく表している(^^)。昼間アラ探しすれば普通に色収差も見えるのだが、あれからさらに進化した72FLの世界は、きっと涙の滝だろう(^^)。

Borgフローライトレンズは、絵の素晴らしさだけでは無い。真のアドバンテージはレンズが空かと疑うほどの(^^) 尋常でない軽さだ。今後の稼働率に大きな影響を及ぼすのは間違いない。

同じころBlanca 80EDTを短期間所有していた事もあるが、見え味は71FLの方が圧倒的に好みで、すぐに手放してしまった苦い思い出がある。もちろん口径も違うのだが、サイズや重量も見た目以上に違っていて71FLの手軽さに全く及ばなかった。


松本さんに作って頂いたBlanca 80EDT BINO

これらを作った当時は葉山のベランダで使っていたので、都内に近い片田舎では小口径を活かしきれずに全て手放してしまった。今は環境が変って、ちょっとベランダに出れば長野の最高の空が待っている。71FL BINOこそ、手放した事を後悔している歴代1位だ。(^^)

それにしても新型のFL72、価格設定がだいぶ強気だ。7cmのレンズのみに1本15万というのはタカハシFC-76シリーズよりずっと割高で、15万出すならフォーカサー付き15cmアクロ屈折がF5でもF8でも一式好きな方を選べる。一番のライバルになるであろう、同じ7cmのBlanca 70EDTならフルセット10万で、こちらはFPL-53の3枚玉だ。


Blanca 70EDT

デザインが旧態依然として個人的にはちっともワクワクは無い。(^^) 鏡筒径も76mmとBorgの60mmシステムと比較すると多少大きく重くなるのは避けられないが、鏡筒バンドと台座を除けば1本1.5kgに抑えられている。僕の場合は使うアイピースはもう決まってるし、全部同焦点化しているので、結構な重量増となる立派なフォーカサーは不要だ。台座、フォーカサーとフードを取っ払って、代わりに厚紙フードを巻けば重さはBorgに多少迫れるか?でもレンズ以外ほとんど捨てる事になる(笑)。

2枚玉のBlanca 72SEDを挙げないのは、こちらは何か別のシステムと鏡筒をシェアしているのだろう。鏡筒径が82mmあり、デカいフォーカサーが奢られていて1.7kgと、3枚玉より太くて重いという逆転現象。現行のBlanca80EDT IIは鏡筒径90Φ(2.5kg)もあって今回の僕のニーズには合わない。

問題は見え方だ。カメラ・レンズにしても、本当に大切な事はいつも数値化されたスペックの外にあったりする。当時、71FLのフローライトを覗いてすぐに、数値に現れないレンズ素性や、日本のガラス研磨精度の品質などが実は大切という事を思い知った。

ただ、現在のBlancaはレンズも昔とは別物みたいだし、世間の評判も良さそうだ。もしブランカが評判通りの見え方なら、過剰倍率性能はフローライト2枚玉よりも恐らくFPL53の3枚玉の方が上だろう。月や惑星をメインに楽しみたいなら、コスパの良いBlanca 70EDTか王道のタカハシFC-76がベターだろうし、双眼鏡的な低〜中倍率のリッチフィールド専門なら、軽さを活かしたBorg 71FL or 72FLという事になるか。Askarなど新興メーカーも色々出している様だが、撮影を意識しているものばかりでいずれもやたらデカくて重い。

もし72FLで行くなら他にいろいろ揃えなければ使えない。上の写真の72FLラッパが別売りで12,100円。(71FLのはラッパもセットだった。)6cmの60Φ延長筒(M57/60延長筒L【7604】)が5,720円、2インチホルダー(2インチホルダーS【7508】)5,060円と、フォーカサーを入れずとも最低でも一本172,480円かかる。ちなみにこの様なニーズに最適と思われる松本さんのアイフォーカサーも、ペアで66,000円を合わせると、総コストはBlanca 70EDTに対し倍以上違ってくる。

双眼望遠鏡は鏡筒を2本づつ調達しなければならない。仮に両者に性能差が無いとすれば、軽さと見た目のためだけにこのコスト高を受け入れられる人がどれだけ居るだろう?

72FLは以前よりも外径が大きくなっていて、71FLほどスマート&コンパクトでは無い。重量も71FLはラッパ込みで418gに対して、72FLは370g + ラッパ重量(メーカー記載無し)+延長筒重量と、実際は恐らく結構重くなるだろう。

いずれにしても焦点距離400mmというのは、10mmアイピースをかけても40倍程度しかならない(^^)。5mmアイピースで80倍。それ以上の短焦点アイピースは見づらいし良い思い出が無いので、せいぜいこの辺りが無難とは思ってる。これで高倍率を見ようと思うだろうか。

うーん、悩ましい。やっぱやめようかな(笑)。

ちなみにタカハシFC-76DC対物ユニットは単体で1本10万で販売している。

これならBINO化の前例も複数あるし、大好きなフローライトだし天下のタカハシ様だし、見え味が悪いはずがない(^^)。目新しさは無いけど、タカハシを所有した事の無い僕にとっては永遠の憧れでもある。

ただし、こちらは焦点距離が570mm(f/7.5)、鏡筒径80Φ、重量900gと理想に近いが一回り大きい。手軽さは若干スポイルされるほか、上の7cm二機種ほどには広角視野は得られない。このフードは恐らく固定式だが取り外す事は出来る。別売りのエクステンダーCQ1.7×を装着すると焦点距離は954mmに拡大され、惑星スペシャルとなったりして面白いが、目的が微妙に変わってくる。

軽量のためとは言え、対物レンズ・セルむき出しはちょっとヤバいかな(^^)

この晩は5時間ほど吹きさらしに座っていたが、マイナス6度まで下がった。本気の防寒具は長野villaに置いてきてしまったが、これくらいになると常識的な防寒だけでは全く足りず、途中で耐えかねて車で暖を取った。次回は、雪の上で居眠り出来るほどの最強装備を再検討してみる。(^^)

WX超え!?超弩級の広角視界!スーパーワイドBINO
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

WX超え!?超弩級の広角視界!スーパーワイドBINO