2017年9月13日 ichiro

露出計をいろいろ試した


全部セコニック。左からSEKONIC L-478D、L-398A、L-508。

普段はあまり必要性を感じないが、ストロボ撮影の時は重宝するし、気合い入れてポートレート撮影に挑む時も、待たせる相手が居る場合は、やはり入射光式で測っておくのが待たせないし確実な値が得られる。背面液晶の明るさに関して、?が残るM10は特に大事かもしれない。

どの露出計を選ぶかを絞り込む時に、まず僕は電池に注目した。僕はフラッシュ用途などのために大量の単3、単4のエネループを持っているので、出来ればこれを流用したい。露出計は設計が古いものが多く、現在では入手しにくいCR123Aを利用するモデルが少なからずある。これらをまず却下した。一番気になっていたセコニックL-758Dもこれで消えた。小さくて良さそうに思っていたL-358もCR123Aだ。どちらも現在は廃盤になっている。

L-758D

L-358

次に絞り優先モードが使えない機種は当然却下。多くの人が愛用しているL308は、非常に小さくて軽いのだが、シャッタースピード優先しか無い。残念だ。ケンコーKFM-1100も絞り優先モードが無い様だ。

L-308

KFM-1100

L-398Aはストロボには非対応だが、ダイヤル式のアナログ露出計で、なんと電池が不要だ。面白そうと思って試しに買ってみたものの、数字が小さくて無茶苦茶読みにくい。そして重い。結局、すぐにテーブルの飾りになってしまった。

L-478Dが本命だった。タッチパネル式で表示も美しく、サイズも手頃だ。設計も新しい。ISO値を測定出来たり、新しい露出プロファイルを登録出来る機能なども、良さそうな機能満載だ。

しかしこれは数々の欠点があった。まず電源を押してから起動するまでかなり待たされる。3, 4秒くらい?スリープも同様に待たされる。スピードが命の現場ではアウトだ。さらにタッチパネルの精度が悪く、iPhoneの様な滑らかな動作を期待すると裏切られる。押しても反応しにくく、反応したと思ったら設定値を行き過ぎる。ISOを一段変えるのに、タッチパネルをイライラしながら触りまくる始末だ。

そしてメモリ機能もとても使いにくい。メモリ登録はボタン一つで出来るが、削除するのにいちいち設定画面に入り、メモリクリアを選択し、削除するメモリを選択し、削除ボタンを押すと本当に削除しますか?YES、と計4回、反応にくいタッチパネルのボタンを押さなければならない。これでは面倒臭くてメモリを使う気にもならない。セコニックほどの露出計の老舗メーカーが、実際に使う人の事を全くイメージ出来ていないと思った。

使ってるGUIやフォントの選び方も、なんとなく非合理的で、優秀な海外のデザイナーを使ったら、もっといくらでも美しく表示出来ると思うのだが。

タッチパネル式のため、電池の減りが猛烈に早いのも盲点だった。すぐに自動スリープになる様に設定したくなるが、しかし一度スリープすると起動が激遅なのでジレンマに陥る。

しばらく使ってみたものの、これらの問題に嫌気が差してきたので、古典的な普通の液晶モデルで、単3、単4が使えるモデルを探すと、L-508に行き着いた。

SEKONIC L-508は、結構古いモデルだがサイズ的にもデカ過ぎず、起動もPowerボタンを押すと一瞬で立ち上がる。ダイヤル操作も確実だし、シンプルな液晶表示のため、自動スリープは20分のみだが、リチウム電池なら35時間も持つ。メモリクリアもボタン一発。これは良い!と思ったのも束の間。残念ながら、こちらにも大きな欠点があった。

反射光用のゴムのレンズキャップがゆるくて簡単に外れてしまうのはご愛嬌としても、致命的なのは、シャッター速度が0.5段表示になるディップスイッチが、なんとシャッター速度優先モードしか機能しない。絞り優先モードだと60秒の次が125秒で、90秒が無いのだ。T60, 1.4(8)などと表示され、絞りの10分の1の値を考慮しつつT90と毎回読み替えないといけない。なんで??

説明書を隅から隅まで調べたが、どうやらこれが仕様の様だ。これはSS値が半段刻みのデジタル・ライカ使いにとっては、誰もが不満に感じるはずだ。下部のドット表示も絞り優先時には非表示になり、メモリ機能やアベレージ機能が一切使えなくなる。絞り優先を多用する僕にとっては、この露出計は完全にNGだった。

うむむ、こういう事は手元でいろいろいじってみるまで分からない。設計の古い露出計は、むやみに手を出さない方が良いということか。

ゴッセンというドイツの小さい露出計も可愛いのだが、調べれば調べるほど実使用には使いにくそうに思った。特殊な電池の件を諦めて、L-758Dに行くしかないのか。スタジオ用ならいいが、持ち歩くとなるとデカイし邪魔だ。


iPhoneの露出計アプリもあるが、iPhoneを立ち上げてパスワードを入れてアプリを探して、なんてやってられない。しかし準備から立ち上げまでは面倒だが、使い始めるともしかしたら凄くいいかもしれない。今のところ、僕が探した限りではストロボ計測まで対応しているのはLUMU Powerだけじゃないかな。色温度まで正確に計測出来るのは素晴らしい。国内ではまだ代理店は無いので海外に直接オーダーする必要があるが、美しい革ケースが付く様だ。

ケンコーKFM-2200なら絞り優先もありそうだが、仕様を見る限りアナログスケールが恐らく絞り値の固定プリントの様で、L-508と同様にシャッタースピード優先時にしか使えなそうに見える。困った。

仕方無いので問題はあるがL-478Dで頑張るしか無い。スリープからの立ち上がりの遅さに耐えられないので、半日に一回電池を変えると腹を決めて、自動スリープを20分と改めて、しばらく様子を見てる事にした。

結局、SEKONIC L-758Dを買った。(2018/01/24)

まだM10の色の問題に困ってる
M10ホルスターをもっと便利に
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

まだM10の色の問題に困ってる
M10ホルスターをもっと便利に