やった!富士フィルムが進化した。久しぶりに覗いてみたら、確実にシンプリシティの方向に進化してるじゃないか!
関係者の方が記事を読んでくれたのかどうかは知らないが、ボタンとプリントをガッツリ減らして、ボディの質感やペイントのクオリティを高めて欲しいと以前僕が懇願していたモノがほとんどクリアされていて驚いたし、我らが日本のメーカーの未来にようやく明るい光が射した様な、無性に嬉しい気持ちになった。
上から下に向かってX-Pro1からX-Pro3まで、ボディの変化。Photo Yodobashiさんより拝借。X-Pro3はだいぶシンプルに、美しくなった。
液晶を見れなくしたり、ブラックペイントが剥げて金属が見えたり、Fujiの担当チームは相当なLeicaファンである事は間違いなさそうだ(^^) まだ実機を触っていないので分からないが、こうなってくると、Summilux 35mm ASPH.と合わせてX-Pro3で使用したら面白いはず。
、、と、Fujiの称賛はここまでで、僕の主題は別にある。
僕はこのX-Pro3の出現でFUJIに明るい未来を見出したからこそ、いちユーザーとして前途有望な富士に遠慮なくモノを書きたいので、FUJIラブな方はここから先は読まない方がいいかも(^^)
メーカーの向いている方向がちょっとズレている感が否めない理由は、僕ははっきりしている。我々が求めているものはユーザーを子供扱いする事なく、自分たちが心から愛する「孤高」の一台であって、Leicaにそっくりなフジが欲しいのでは無い。遠目から見たら、Mで撮ってる様にしか見えない。ライカ・コピーを作る事は本質的にまだ、子供扱いしている同じベクトルにある。
我々日本人は、中国のコピー商品、まがい商品を軽蔑し馬鹿にしているが、これではドイツ人から笑われるし、FUJIのブランドイメージを、プアマンズ・ライカに貶める事にならないか?
技術的には日本は世界一なのだから、小手先じゃなく、お客さんに言われたからじゃなく、あとはプロダクトの核となるSoulに尽きる。上質を追い求める事は「人」自身の洗練であり、参考にすべきはLeicaやハッセルではなく、本来我々に備わっているはずの日本古来の禅の精神だ。
全く新しいFUJIが世界にお披露目される日に、X-Pro3を笑っていたLeica経営陣は今度は息を飲むことになると思う。
PS:この記事を出してからすぐに、FUJIに詳しい知人からメッセージを頂いた。僕はどうしても我が国を愛する余り、カメラに限らず日本メーカーに対し批判的なコメントになりがちで、エールのつもりがもしかしたらご不快にさせてしまう表現が含まれていたかもしれず、申し訳ありません。
ちなみにFUJIが化粧品の販売に踏み切ったのは、マーケティングの側面もあるが人の肌のコラーゲンと写真フィルムの素材が近い事、ヒトの細胞の大きさと写真フィルムの乳剤一層の厚みがほぼ同じ事、抗酸化技術が応用できる事など、写真フィルムの技術が活かせるという判断があったそうだ。
そしてデザインに関しても、X-pro2は国内のデザイン賞他、ドイツのデザイン賞を2つ(reddot賞とiF賞)受賞しており、ドイツ人からも一定の評価を得ているそうだ。
現に、Kodakは倒産したがFujifilmは元気に存続しているのは、マーケティングのメソッドに依る。
先日、実物を触りに新宿ヨドバシに立ち寄った。ひとつひとつのパーツをじっくり愛でながら製作者の志に想いを巡らせるとともに、やっぱり浅い知識で何かを批判する様な事はあってはならないと、反省した。実際X-Pro3は、全体的な質感が格段に向上していた。AとマニュアルSS間を意図せず行き来してしまうのを防ぐ工夫なども、これもライカをかなり意識しているけど(^^)、これらはユーザーにとって紛れもない進化だ。素晴らしいと思った。
素人意見に一つひとつご丁寧にお相手下さり心から感謝すると共に、キャノンニコンに先駆けて、日本のカメラ産業復興の起爆剤となる様な新世代デザインの次回作に期待しつつ、とにかく応援しております。(^^)