Leica M10

Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/11, 1/125s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro. 最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。 Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/60s, ISO 1600) ©2018 Saw…

貴方は何のために写真を撮るのか

真夜中の千鳥ヶ淵。6秒も開いたのに花びらが解像するほど、無風だった。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/5.6, 6s, ISO 200) ©2018 Saw Ichiro. 「何のために写真を撮るのか?」 「何を撮りたいのか?」 貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。 今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。 開口一番、友人に冒頭の質問を問われ、僕が言葉に詰まっていると、彼はこう続けた。 「イチローさんは、他の人が持っていないモノを持っている人だと思います。でも、普通の人が当たり前に持っているモノが、ゴッソリ欠落しているんですよ。」 Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5,…

現代デジタル・ライカで速射性を考える

Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/2.0, 1/90, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro. クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。 ブレッソンがf8、1/125sとしたのは、f8ありきで1/125sが決まったと僕は考えている。マニュアル露出は絞りで行う方が速いため、SSダイヤルは1/125s固定。f8は彼のエルマー5cm f3.5の絞りのちょうど中間地点であり、f8で待機していれば絞りだけで明暗二段づつのマージンが取れるからだ。 f4〜f16をどれか選べと言われると、やたら選択肢が多く難しそうに感じるが、f8を中心として、太陽方向にカメラ向けるなら4クリック左に回し、日陰に向けるなら4クリック分右に回す。(半段刻みの現行レンズの場合。クラシック・ライカレンズはもっとシンプルに一段刻みだ。)ちょっと開けるか絞るか、もっと開けるか絞るかと考えると、とたんに簡単になってくる。ストリートにおいてf5.6とf8.0の被写界深度の違いなどどうでも良く、露出と速射性だけを求めた非常にシンプルな理論であった気がするのだ。 この仮説が正しいとしたら、これこそマニュアルの速射性において最も合理的な解だし、被写界深度的にもピントを外すリスクを軽減できる。しかし、このやり方だと特に現代のアスフェリカル・レンズでは全面がバキバキに解像してしまい、立体感や柔らかさと言った表現とは少し違ったものになる。 ズミルックスの開放、つまりf1.4は被写界深度が浅いのでストリートではピントを外すリスクは高いが、しかし狙った所にドンピシャでピンが来た時の猛烈なシャープネスとフワトロが3Dで共存する美しさには、代えがたい独特の魅力があるのも事実。三振覚悟でホームラン狙いの長嶋茂雄打法と言うべきか。 そこで僕は必殺技を考案した。「絞り回し上げ」ww、もしくはAutomatic Aperture Rotation, 略して「AAR」だ(笑)名前はなんでもいいが、とにかくライカ本来の速射性とズミルックス開放の美味しい所を、瞬時に切り替えながら両方得ようという作戦だ。 昼間野外の場合。まず、SSダイヤルは「A(オート)」に固定。つまり絞り優先。絞りの初期設定は開放。ISOもAuto。 普段はゆっくり開放のふんわり描写を楽しむ。そして、例えばこちらに向かって走ってくる子供など、精密なピント合わせが不可能な被写体をみつけたら、絞り回し上げの出番だ。 カメラを下ろしている状態で左手で絞りリングを掴む。この時親指をレンズの頂点、人差し指をレンズの下側を支える様に掴む。(親指と人差し指が垂直)そのまま流れにまかせて絞りリングを左に回しながら、顔の前にライカを右手で持ち上げ、親指と人差し指が水平になる時、自然とf8付近にセットされる技を会得した。(と言っても2,3回やってみただけだがw) これで絞りの目視無しでズミルックスを開放からf8辺りに瞬時にセット出来る。タイムラグほぼゼロ。あとは通常通り、ピントリングに持ち替えて、被写界深度がカバーしてくれる事を期待して、ピントはラフで撮る。撮り終わったら開放に戻す。 結局シャッタースピードAutoに頼る訳だが、この方法の最大のメリットは、絞り開放の風合いと速射性の共存が、速攻で絞りをクルっと適当に回すだけという点に尽きる。絞りを変更した分のSSダイヤル補正を手動でやっていたらシャッターチャンスを逃すので、やはりオートに勝手にやってもらえる方が都合がいい。 ISOまでオートにする理由は、うっかり絞りを適当に回しすぎた場合、ISO100固定だとシャッタースピードAが1/60sを切ってしまう可能性があるからだ。普通はISO100、F8なら日向なら1/125sを切らないはずだが、勢いでF11とかに達して、かつ日陰にカメラを向けて撮ってみたら1/30s以下でチャンスを逃しちゃった、という事故をISO…

APO-Summicron-M 75mm f/2 ASPH.とSummilux-M 50mm f/1.4 ASPH.の比較テスト

APO75mmは個人的に、ずっと気になっていながら、なかなか手が出ない最右翼だ。flickr等ではとんでもなく素晴らしい作例に出会える反面、M用としてはその長めの焦点距離からやや批判的なユーザーも多く、実際の所どうなのか、新宿マップカメラでテスト撮影させてもらった。(ちなみに上はズミルックス50。) 仕事帰りに立ち寄ったので、既に閉店間際。新品APO75だけお借りして、15分ほど、手持ちのSummilux 50 ASPHと比較撮影してみた。ホタルの光を聞きながら^_^ ミニ三脚を立てて同じカメラ位置から撮影したものと、75に近いフレーミングまで50を近づけたもの、そして50を75サイズにクロップしたもの。APO75はf2.0のみ、ルクスはf1.4とf2.0。正確にピントの感じも比較したかったので、一応LV拡大も使ったのだが、それぞれ二枚づつ撮っていても後でLRで拡大してみるとジャスピンと微妙なものが混在していて、両者とも非常にシビアなレンズと感じた。LV+三脚+2秒タイマーなので基本的にブレは起きないはず。 APO75、ルクス50と同サイズくらいかなと思っていたが、一回り大きい。重さもルクス黒335gに対し430g。Voigtländer Nokton 50mm F1.1‎とほぼ同重量だ。660gのM10と合わせると1kgを超える。 写真は全てM10、ISO100、SS1/60s、AWB。Rawから露出とWBだけ現像で揃えて書き出したjpgをいくつかアップしてみる。ワードプレスがエラーが出るのでフルサイズはあきらめて、横幅1920pxだ。 50 f1.4 50 f2.0 縦に並べても一見分かりにくいが、全画面で切り替えながら眺めると周辺減光量の差が一目瞭然。f2.0でも多少落ちるが、f1.4は画面のかなり内側まで周辺減光の影響が見られる事を改めて確認。これがズミルックスらしさの一旦を担っている。 APO75 f2.0。上と同じカメラ位置。ちゃんと測っていないが、被写体とカメラとの距離は恐らく2mちょっとだ。端正だが、なんだかズミルックス50をf2.0まで絞ったのと似ている気もする。 今度はズミルックス50を75のフレーミングに似た感じになるまでカメラを被写体に近づけてみる。恐らく被写体から1.5mくらいか。 50 f2.0 接写。このパースの差は正直、予想以上だった。同じテーブルの上で前に移動したので、カメラの向きがさっきより若干見上げる感じになっているのを考慮しても、結構違う。背景の壁の絵のあり方も別物。なるほどー ちなみにこの距離のf1.4はこれ。 50 f1.4 接写。このくらいのフレーミングで人を撮るタイミングが僕の場合かなり多いだけに、この結果には考えさせられる。 次は、先程のAPO75と同じカメラ位置で撮った50 f2.0をクロップしたものを、APO75と並べてみる。 APO75 f2.0。 50 f2.0…

Gallery – Philippinesを公開

マニラのストリート・チルドレン。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/500, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro. 2月4日〜9日まで、ちょっとした用事でフィリピン・バギオに訪れた。僕にとって初めてのフィリピンだ。毎日写真三昧、久しぶりに気の済むまでカメラと写真を楽しめた。僕にとってこれが今は何よりもストレス解消だ。 マニラでは多くのストリート・チルドレンを見かけた。恐らく彼らは教育も無ければ、まともな家も無いかもしれない。けれども決して彼らは不幸せには見えなかった。むしろ生き生きと目が輝いているのが印象に残った。 持っていったのはもちろんM10とズミルックス50 asph、それとズマロン35mmを一応バックに忍ばせていった。しかし出歩く時はバックもホテルに置きっぱなしで、M10ホルスターのみの軽装だったので、ほとんど全てズミルックス一本だ。 フィリピンの特に気に入った所は、人々がカメラを向けられるのを全く嫌がらない事だ。最初は一応、写真撮ってもいいですか?と訪ねていたが、老若男女、一人たりとも断る人は居ない。 途中から尋ねる事も面倒になってきて、いきなり真正面からカメラを向け、あとでニコっと笑顔で"Thanks"でおわり。むしろそのまま話し込んでローカル・コミュニケーションを楽しめるし、周囲の人までフレームに入りたがるほどだった。日本ではほとんど変態扱いされる事すらあるのにw。これならスナップが苦手な僕でも、遠慮なく撮れる(笑)フィリピンはストリート・スナップ天国だった。 僕の中で今回の旅はちょっと特別で、他の写真とは分けて考えたかった事もあり、写真ギャラリーなるものを初めて作ってみた。2000枚ほど撮った中から69枚を選んだ。たくさんあるが全画面表示でお手元のキーボードの左右矢印キーで移動出来るので、Wifi環境下なら比較的楽に進めると思う。是非ご覧頂ければ幸いです。   走り去る女。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/4.0,…

Leica M10のポートレート

いつもお世話になっている芸能事務所御一行様が、サプライズで遊びに来てくれた。二人のプロカメラマンもいらしていたが、当然僕も写真を撮らせてもらった^_^ 女優・タレント VANRIちゃん。葉山のバルコニーにて。 今まで何を撮りたいか?と聞かれても「なんでも」としか答えられなかった僕だが、ライカを使うようになってから、明確に「人」を撮りたいと思うようになった。 Thorsten von Overgaard氏の何気ない一節が、妙に心に残っている。 "In a portrait session two people meet and have to work together to accomplish a portrait that they can agree is good. A…

助手席とM10、カラーチェッカーとFUJI

希望に向かって。横浜ベイブリッジよりLeica M10 + Leica Summaron-M 1:3.5/35 (ƒ/3.5, 1/350s, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro. 僕の個人的な2017年の流行語大賞は、迷いなくこれだった。 「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである」 by アインシュタイン 今日は助手席だったので、移動中いつもの様にM10にSummaron 35mm f3.5を付けてずっと握っていた。握っていないと、あ、撮ってもいいかな、、と思った次の瞬間に、その光景は逃げ去ってしまう。ホルスターに入れていても間に合わない。 何を撮ると決めている訳では無い時、ズマロン35mmは僕にとって最高のレンズだ。クルマから何かを撮る限り、ピントリングを10mにセットしておけば、f3.5の場合、5m〜無限遠までカバーしてくれるので、ピントの事は忘れてOK。気になった方向に向け、ノーファインダーでとにかくシャッターだけ切ればいい。どんな高性能AFカメラより、旧態依然としたライカMの方が速いというパラドックス。 Leica M10 + Leica Summaron-M 1:3.5/35 (ƒ/3.5, 1/1000s, ISO…

とにかくM10で何かを撮る&露出計その2

窓の水滴が映り込むまで、アンダーに落とした。外は大雪。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 400) ©2017 Saw Ichiro. 常に何かを欲しがる性格は僕の悪いクセと、幼い頃から叱られながら生きてきたが、最近はSLだのM9だの言い出してるのは、要するにM10に飽きてきたという事だ(笑)M10のSDカードをMacに取り込む時の喜びはもはや薄く、「ふーん、そんな感じね、、、」くらいなもんだ。 Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 400) ©2017 Saw Ichiro. でもちょっと待て。ようやくカメラから出てくる色や解像度に驚かなくなったのだ。つまり自分の手足の様にカメラそのものを意識しなくなってきたという事。この状態こそ本来は望ましいのであって、自分の作品づくりとして、ようやくここがスタートラインじゃなかったか。少し落ち着いて、M10を自分の道具としてもう少し深く付き合ってみないとね。と自分に言い聞かせてみる。…

M10ユーザーだから言える、M9のススメ

前回のSimさんのポートレートに触発されて、シンガーの彼にモデルをご協力頂いた。当社スタジオの録音ブースの壁が黒いので、黒バック写真に好都合だ。フラッシュはNissin Di700A一灯。今日の投稿でM10はこの一枚のみ。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/8.0, 1/125, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro. 年が開けてまだ15日だが、既にLightroomには1,000枚の写真が残っている。いつも半分以上のボツ・ショットを速攻で削除するので、2,000回はM10のシャッターを切ったかもしれない。12月はほとんどカメラで遊べなかったので、なかなか良いペースだ。 iPhone7 これは年末に、近所のカメラマンさんのお宅にお邪魔した時の写真だ。精悍!この中のライカとフジは僕のだ。 並べて記念写真を撮る時に、彼がボソっと言った言葉が妙に頭に残った。 「このライカ一台で、ここにあるカメラ全部買えるよ。。。」 M10はしっかりと正常進化を遂げ素晴らしいカメラに仕上がっているが、価格に問題がある。この前値上がりして今はbodyが税込み95万円。一方M9はヤフオクで30万円台で常に複数選択肢があるし、M9Pも40万円前半だ。今振り返ってもやはり、M9がダークホース的存在に感じるのだ。 Leica M9 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/2.0, 1/1000,…

2018年の抱負

葉山 工房一閃の作品。早速マクロアダプターが役に立った。しかしお客様が居る隣で一時間でセット、撮影せねばならなかった。俯瞰撮影用三脚を持っておらず苦労した。Leica M10 + K&F Concept Macro adaptor 10mm + 8mm, Leica Summaron 35mm/f3.5 (ƒ/16, 1/8, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro. 新年おめでとうございます。いよいよ2018年。今年こそ音楽に写真に、面白い年になりそうだ。 一眼レフで片手間に遊ぶ様になってからは10年程度、その後カメラについて、写真について、少しばかり真剣に考えてみる様になったのは、2017年にライカボディを手にしてからだ。我ながら実に浅いキャリアだが、そんな僕にも一つ目標がある。それは自分で撮った写真を、自分のスタジオに飾る事だ。 都内実家の団地にて Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH.…