model: Maki Kiriyama / FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
久しぶりに夜空以外の写真を撮ったw。ベトナムには仕事で行ったので自由時間はたったの一日。レンズはほぼCarl Zeiss Planar 85mm f1.4のみ。本番には同行のプロ・カメラマンにGFXごとお貸しして、そのまま気づかずに自分の写真も全部jpgで撮ってしまった(笑)。オールドZess+1億画素中判のほぼ撮って出し写真をいくつか載せてみる。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
自由時間は本番翌日。チーム全員30名でベトナム国定文化遺産のドゥンラム村(ハノイ近郊)を歩いた。水牛が歩いている様な昔ながらの田舎町だ。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
オールドZeissの場合、Leicaのマニュアル・レンズの様に半回転で最短から無限遠まで瞬時にフォーカスリングを行き来することが出来ない。モタモタEVFを拡大して何度もリングを持ち替えながらクルクルやってゆっくりピントを合わせ、すこぶる速射性が低い(^^)。こういう時こそLeica M型のレンジファインダーが欲しくなる。レンジファインダーは僕にとっては、老眼が進んできた僕の性能の低い目でも拡大無しでピントが見える唯一のシステムだ。(AFなら見えれば何でもいいけど。)
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
でもプラナー85mmの写りはとても気に入っていて、撮影の最中からSummilux 50mm的な3D感を楽しめる。同じf1.4だが長焦点な分、ボケ感はSummilux以上に大きい。元々フルサイズ用レンズなのに中判でも蹴られずに使えて、中判レンズより圧倒的に小さく軽いのが有り難い。これを67mm相当の標準レンズの様に使えるのだから中判は中毒性が高い。今回は荷物になるので持って来なかったが、同じContax Zeissでも最近のマイブームはMakro Planar 100/2.8だったりする。望遠気味なので日常使いはしにくいが(換算80mm)時々実力以上のヒットを叩き出してくれる。普段は100mm付けっぱなし。もう少し現代寄りのコシナ Zeissでも絶対面白いと思う。
別にマニュアル・フォーカスを楽しみたいと思っている訳ではない。GF120でAFで撮った方が楽だし、シャープで美しいのだがFujiに限らずどうもビッシビシの現代レンズよりも、ピンの甘さやフレアを残したオールドの不完全さ、曖昧さが僕は好きらしい。星を見るレンズと違ってカメラの場合は撮り手の趣向や対象により180°求める質感が変わったりする。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
なんだかんだ言いながらもGFX100Sはもう2年近く使っているし、あれだけLeicaをとっかえひっかえしてきた僕が今日まで他に目移りしなかった所を見ると、結構気に入っているらしい(^^)。まあ趣味が天体に移っている事もあるけど、やはり一度中判の醍醐味を味わうと100万円も出して本当にフルサイズ機を買うのか?という疑問がどうしても脳裏をよぎる。
ChatGPTの話題沸騰だが、この手の話題もAIはとても無難で正しい回答してくれるだろう。その中で人間である僕の存在意義は、僕の実体験を元に多数決でも常識的でも無い、僕の本当の意見をハッキリと書いちゃえる事だ。誰にも忖度無しに(^^)。
色味や写りに関しては、1億画素とか全然関係なくて静止画の場合は、GFXよりHasselblad X1DIIの方が一枚上手だと僕は思っている。カメラの性能差というよりは、ハッセルに専用設計された現像アプリPhocusの優れたHi-Resプロセスが圧倒的だった。僕はLeicaもFujiも現像にはCapture Oneを使っているが、もっと多機能だし十分素晴らしいけど、Phocusの時に何度も遭遇した驚きにはまだ一度も到達していない。撮り手の実力を超えて、何でもない景色に神が宿る感覚。もしかしたらオーナーだけが気付くほんの少しの違いだけど、それが大きい。だからHasselblad X2Dは、僕も当然気になっている。(^^)
現像アプリも含めて、デジタル中判の絵の美しさにおいて僕の正直な印象は、Hasselblad X1DII > Leica S > Fujifilm GFX100Sだ。Leica Sが最も設計が旧式だが、やはりレンズに強い魅力があったしTyp 006のM9同等のCCDセンサーのやる質感も最高だった。一方、フォーカスブラケットなどの先進機能やLog撮影、HDMI出力等のムービー機能まで含めると流石日本製、ダントツでGFX100S独壇場で他に選択肢が無い。AF速度も別次元。オールドレンズ遊びの自由度の点でもほとんどGFX一択だろう。(X1DIIでは事実上、純正レンズしか使えない)動画を考慮すれば、僕はGFX以外のどこへ行ったとしてもGFXだけは手元に残しておかなければならないのだ。
でもこの旅を経て、Leica Mが久々にまた気になってきた。w
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
話がだいぶ脱線した。(^^) 今回僕は音響で呼ばれている。メインストリームのファッションフォトは、カメラマンを尊重して僕は一枚も撮らなかった。彼の写真は流石に素晴らしく心からリスペクトしているので、全部彼に任せて僕は好きなモノを勝手に撮って遊んでいればいい(^^)。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
ここの床屋さんで切ってもらうのは、相当な勇気が要る。(^^) ドアすら無いが、切り落とした髪はその辺の土に帰すのだろうか。
ちなみにフィルム・シミュレーションはクラシック・クロームが選ばれていた。この設定はRAWには関係無いので普段は気にもしていなかったが、たまたまそれのjpg撮って出しとなった。(^^)
僕がフィルムシミュレーションに興味が無いのは、色がくすんで濁って見えるから。フィルムを再現してるのだからそれでいいという事だと思うが、カラーチェッカーで自分で作成したプロファイルをRawに当てる事で、僕が実際に見た鮮やかな緑や美しい青に近づく事が出来る。Velviaならそうなるのかな?この写真を眺めてそんな事が気になってるのは僕だけかもしれないがw。
いやでも人肌も含め十分自然だね(^^) GFX優秀。白も見事な白。恐らくベトナム人観光客御一行様。FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
この世界(村)の中だけで生きるとはどういう事なのか、人格形成にどの様な影響を与えるのか僕には想像も出来ない。経済的には日本よりも貧しい暮らしに見えるが、人々はみな生き生きとして幸福そうだった。
このバイクは新車だろうか。原付きならこの国では免許が要らない。違反で捕まっても、この国のお巡りさんは優しい。相談出来る(笑)許してもらえる相場はだいたい20万ドン(1200円)くらいだそうで、中にはお釣りをくれるお巡りさんもいるらしいw。なんと暮らしやすい国だろう!
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
ちなみにハノイの夜空は劣悪だった。光化学スモッグ?だか黄砂だか分からないが常に数km先は霞んでいて、毎日晴れていても日差しが弱い。オリオン座すら見えなかった。まあ、月や木星などは見えるだろうが、ベトナムで望遠鏡を売るのは至難の業だろう。(笑)
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
タイヤのすり減り方を見れば、ベトナムの人々の惜しみなく働く姿を想像出来る。現場でも深夜まで及ぶリハーサルや何度も繰り返される変更に、現地テクニカル・スタッフは誰ひとり嫌な顔ひとつしなかった。
ウィキペディアによればアメリカ合衆国はこれまで94回の戦争に関与しているが、アメリカに戦争で勝った唯一の国であるベトナムは、自分たちの手で自国を守り抜いた誇りを持っている。ベトナム人と日本人との親和性をこの短い旅で何度も感じた。
FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.
一部公演後の舞台裏。ベトナム人モデル。皆、睡眠不足と疲れで限界が近い。これだけFujifilm純正50mm。FUJIFILM GFX100S, GF50mm f3.5 R LM WR ©2023 Saw Ichiro.
写真が前後するが、今回は日越外交関係樹立50周年イベントということで、ベトナムの閣僚やら、日本からは総理大臣補佐官などVVIPが出席され、ベトナム国営放送を始め複数の報道が詰めかけている。中にはフル尺で生中継のメディアもあった。粗相があったら切腹だ(^^)。ビジネス的にも政治的にも絶対に失敗が許されないイベントなのに、本番直前に様々な問題続出。このチームには15年お世話になっているが、いつもマジで心臓に悪いw。
世間ではパリコレなんかでも、普通に音楽が止まったりモデルが大間違いとかしている。衣装さんやメイクさんなど、ショーを司る関係者の人数が単純に多いファッションショーの場合、全体の統率・マネジメントが音楽イベントより難しいのだ。それでもチーム全員の結束力とプロ根性で、昼の部、夜の部ともに本番だけうまくやったw。とにかく笑顔で帰ることが出来て本当に良かった。やれやれ。
撮ってるichiroを美術家の大和田いずみさんが撮って下さった。両手にお土産いっぱいでこんな状態で撮っている(^^)。お土産を買うチャンスは今しか無いのだ。
町中では大きいカメラは大袈裟だしデカいバッグもスマートじゃない。やっぱM型ほしいな(^^)。この後、夕食後には深夜便でトンボ返りだ。ああ、ダイハード。
料理も美味しいし人々も感じがいいし何でも安いし、またベトナムはゆっくり訪れてみたい。M型持参で?(^^)
美術家 阿部朱華羅さん / FUJIFILM GFX100S, Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ©2023 Saw Ichiro.