2018年3月16日 イチロー

Leica S-E (Typ 006)の問題点と解決策


ほとんど真っ暗になりかけの時に、ミニ三脚に乗せて6秒開いた。ちょっと重量的に荷が重いか。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/5.6, 6s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

今後、多分このブログが、ライカS-Eに関して日本で一番詳しいレビューページになると思う(笑)僕の様な素人意見ではご不満の方もあるだろうが、誰も書かないのだから仕方がない。変な使命感に燃えてきたw

前回はSを持ち上げたので、今日は落としてみる^_^。

S-Eを腰にぶら下げて、軽く山を登ってみた。大した山でも無いのだが、カメラの問題ではなく足腰がガクブルで日頃の運動不足を反省、、でもカメラの運搬は苦にならなかった。昔は腰に刀を二本もぶら下げて、高知から江戸まで何往復も歩いていたのだ。Sごときで音を上げてはいけない^_^。


相模湾を見下ろす。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/1500s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

S-Eのホワイトバランス

室内のタングステン下のカラーチェッカープロファイルをプリセットとして作ってみたが、どうにも良い感じにならない。カメラに任せるとマゼンダがやたら強いし、カラーチェッカーだとグリーンが強い。結構ひどい。マップカメラでのテストでもそうだったが、200万超えのスペシャルなカメラの絵と思えない汗。4万円のKissの方が正しい(笑)こういう場面で、M10は現代カメラの恩恵を受けていた事に改めて気がつく。


鎌倉のワインバーのマスター。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.8, 1/60s, ISO 1600) ©2018 Saw Ichiro.

窓から日が射す様な状況なら問題ないが、完全に白熱灯に頼るなら、今のところ白黒で使うかストロボを炊かないと使いにくい。毎回マメにプロファイルを作成する習慣をつけて、様子を見るしかない。

Leica SのCCD ISO1600マックスは僕的には全然OK。っていうか好き^_^。特にちょっと明るめに撮って現像で少し落すと、ノイズはほとんど問題にならない。

S-Eの自動露出計

M10の自動露出はアンダー気味に目が出る事が多かったので余計に違和感があるのだが、日中はSはかなりオーバーに出る。もちろん露出補正はプラマイ0だ。Sの階調表現が余りにも自然で優れているために、露出のズレに自分自身が今までになく過敏になっている可能性は否めないが、M9、M240、M10ではこういう事は感じなかった。中央重点のエリアがMより狭いのかな。(スポットに近い?)

先日はほとんどオート任せで撮ったが、かなりの写真にマイナス1以上補正を入れなければならなかった。


隣のお母さんに声をかけたら、快く撮らせて下さった。これも顔が飛ぶギリギリだったので、0.7段現像で露出を下げている。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/1000s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

かといってオーバーの出方がモノによっては半段くらい、中には適正なショットもあるので、露出補正を入れておくかどうかも迷ってしまう。

仕方ないのでしばらく多分割測光を実験してみるか、マニュアルで頑張るかな。

S-Eのマニュアル露出を考察する

Sの内蔵露出計はイマイチ当てにならないので、Mで鍛えられたマニュアル露出での運用を考えてみる。まずは、日中ISO 100のおおよそのLeica Sセッティングを把握したい。

ブレッソンのf8.0 1/125sだと、どうもオーバー傾向の様だ。日向の被写体なら1/250sが適正で、空が大きく入るシーンや、白い壁に直射している場合は1/360s〜1/500sという感じだ。

f8.0, 1/125s

f8.0, 1/250s

その計算で開放f2.5で行くなら大雑把に1/3000sを中心に、日陰なら1/1000s、直射なら1/4000sで白飛びを避けるセッティングとなりそうだ。

f2.5, 1/4000

もうちょっと分かりやすく、f4.0が1/1000sを中心に前後一段と覚えておく方がストリート向きかもしれない。これで日陰でも日向でも、大外しの無いバランスとなる。

f8.0, 1/250s

f4.0, 1/1000

室内は基本はISO100、f2.5開放、1/125sから始めて、フィルムの質感が欲しい場合は迷わずISO800以上に^_^。暗ければSSを1/60s、真っ暗なら1/30sで、ISOをトライ&エラーで上げていくパターンでしばらく行ってみる。


これはISO1600からさらに一段以上引き上げた。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.8, 1/60s, ISO 1600) ©2018 Saw Ichiro.

ちなみにSの親指ダイヤルが、気がつくと意図せずちょっと回っている事が何度もあった。ほとんど液晶も見ずに適当にシャッターを切ってるので(笑)、開放のつもりで撮りまくってたら、全部f2.8だったみたいな^_^。撮る前にはちゃんと液晶を確認しないとね。

Sのリセールバリュー

興味本位でマップカメラのSの買い取り上限価格を調べてみた。Leica S Typ 007 ¥43万! S-E Typ 006に至っては¥30万!(笑)250万円ですよこのカメラ???クルマよりリセールバリュー低くない?それだけ求める人が少ないのだろう。まあMの方が異常な状態なのか。逆に中古を求めるなら非常にリーズナブルだが、新品を求めるなら絶対手放さない覚悟が必要だ。


クルマは中判で撮った方が、なんかカッコイイと毎回思う。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/125s, ISO 200) ©2018 Saw Ichiro.

ちなみにFUJIFILM GFX 50S買い取りは¥473,000。まあこちらは新品で¥723,660なので妥当だろう。ライカSが極端に人気無いのかな(笑)個人的には人気ない方が内心嬉しいが。

ちなみにM10は¥620,000のワンプライス買取。状態がどうであれ、見積もり交渉なしで常にこの金額確定で買い取ってくれるという、太っ腹なシステム。やっぱMは人気なのね。

売却額で代わりのモノを購入すると買取額10%アップなので、実質¥682,000という事になる。ヤフオク出品手数料が8.64%〜10%、メルカリも10%を考えると、結果的にマップカメラの買い取り金額と変わらない。それならマップカメラの方がずっと楽だし個人売買のトラブルのリスクもない。

S-Eのファインダー

これは広々していて見やすいのだが、やっぱり僕の目では、特に開放時は最後の数センチのピントが見えない。マニュアルフォーカスでは、ピントが合ったポイントから、あと少しだけ回しても、戻しても、全部ピントが来ている様に見えるマージンがあって、その中のどこかが決められないのだ。これはカメラのせいではなく、僕の目がダメだ。

もちろんEVFの様なピーキング機能も無ければ、拡大機能もあるわけない^_^。解決策としてはスプリット・スクリーン置換しかない。スプリットスクリーンなら、Mと同じ様な感覚で、ピンが合う点は一点しか存在しないので、僕の目にも見える(はず)。実際、Mのレンジファインダーでは僕の視力でも全然問題なく50mm f1.4レンズを使う事が出来た。

S-Eのオートフォーカス

中判カメラのAFとしては、Sはとても優秀らしいが、僕は他の中判デジタルを知らないのでありのままに書くと、被写体が3m以内なら比較的合いやすい。でも5m〜無限遠が、昼間でも迷いまくってなかなかフィックスしてくれない。

出来るだけコントラストの高い部分に合わせてるつもりだが、AFが動き出して止まったと思ってシャッターを切っても、撮れない。もう一度半オシからやり直し、あれ?あれ???とか言ってるうちに、しばらくしたらようやくシャッターが切れる。これで何度チャンスを逃した事か。


Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/5.6, 1/500s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

特に森林の様な被写体では、一発でシャッターが切れたらラッキーなくらいだった。壊れてる?中古なのでいろいろ不安要素はあるので、一度ライカに相談に行ってみようかな。

仕方がないのでAF周りについて、マニュアルを読んでみたら、神設定を発見。これで解決。

AFロック、AEロックを制するものはSを制す

カメラをこれから始めるなら、僕は迷わずLeica Mから始める事を人に勧める。Mこそ、カメラの基本と応用を教えてくれる最高の先生だ。ここを散々叩き込んだ上で、いろんな付加的便利機能を考える段階に入るべきだ。いきなりSから入ると、かえって遠回りする事になると思う。

Mと比較してSは、いくつかの便利自動機能を持っている。一つはオートフォーカス。この機能のために、シンプルだったカメラの運用に突然、複雑な選択肢が与えられる。


目黒の小道。Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/250s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

Mの場合はレリーズ半オシで測光&固定で、カメラをパンニングして構図を決めれば良かったが、Sは半押しの際に、測光と同時にオート・フォーカスが作動する。そのため目にピントを合わせたいが、同時に露出は別の場所に合わせたい場合には、ちょっと作戦を事前に考えておかなければならない。

基本は背面のジョイスティックを利用する。ジョイスティックを押している間は露出だけ固定したり、ジョイスティックをレリーズより先に押す事で、まずは露出だけ単独で先に決定&固定する事が出来たり、一般的な一眼レフの使い方も可能。

Sのジョイスティックは、マニュアルフォーカス時の振る舞いと、オートフォーカス時の振る舞いを個別に設定しておける。そこでマニュアルフォーカス時には、ジョイスティックにAF作動を選ぶ。

これはつまり、普段はMFで、AFに頼りたい場面のみ、背面ジョイスティックを押す。押してる間だけAFが作動する。離せばそのままマニュアルに移行出来る。これはAFの問題点の多くを吹き飛ばす神設定だ。僕はZeissやらLeicaやらマニュアル単焦点ばっかり好んで使ってきた。AFレンズ自体がご無沙汰なので世間事情を良く知らないが、これも普通?w

これの良い所は、

・基本MF設定なので、起動直後にAF動作を待たずにシャッターが切れる。
・AFがフィックス出来ない理由で、シャッターが押せずにチャンスを逃すトラブルが無い。
・一度AFがフィックスした後、同じ位置で撮影を続ける場合、再度AF作動してしまうのを避けるために、ずっと半押しを維持し続けなくて済む。
・AFフィックス後はMと全く同じプロセスで撮れる。つまり、測光したいポイントで半押し、構図を決めてシャッターを切る。MにAFがオプション機能で追加された様なもの。

これで非常にシンプルなワークフローとなる。


Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/350, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

ちなみに、マニュアルを読んで初めて気づいたのだが、Sにはダイヤル長押しでシャッター優先Tや全自動Pモードがある!(笑)ライカにこういうモノがある事自体が新鮮だ。

Sの露出計が信用ならないのでPを使う事は無いが、夜間にISO1600、1/60sのTにしておいて、絞りを勝手に動かしてもらうのはもしかしたらアリかもしれない。

レンズの記述の訂正

前回はズミルックスやノクチ的に感じる場面があると書いたが、よくよく考えてみれば、どちらかと言えば、70mmズマリットS f2.5は、Mで言う所のズミクロン f2.0の方が近いと思った。ちょっと寄れるズミクロン^_^。被写界深度はかなり浅いし、寄れば背景はそれなりに柔らかくボケるが、ノクチやズミルックスほどには、背後がボケボケにはなりにくい。


Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/750, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

ハッセルの往年の80mm f2.8プラナーもそれほど綺麗にボケる訳じゃないし、中判だと普通こんなモノだよな?と自分的には全然OKだが、ボケ重視の人は120mm以上のレンズが必要になってくるかもしれない。


Leica S-E + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/125s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

いろいろ文句も書いてみたが、当たり前の様に中判カメラを片手に、普通の一眼レフ感覚でその辺をAFでバシバシ適当に撮りまくれるLeica S。そもそも、その事自体に価値があるのだ。中判の苦労を良く知る先輩諸氏には、贅沢言うなとドヤされる様な話かもしれない。

その辺りのさらなる熟成を求めるならS Typ 007の方がずっと楽と思うが、CCDの質感を求めるならばこのS-Eこそが永遠の最終形。末永くこいつとうまく付き合って行きたい。

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