2018年5月22日 ichiro

構図の添削


Chime. Leica S-E (Typ006) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/60s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro.

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

構図と言っても三分割法や水平線を水平にと言った教科書的なTipsではなく、現状をどうしたらもっと良くなるかという、もうちょっと実践的な話だ。感覚的な要素も多分にあるし、もっと良いアイディアもあるかもしれないが、いずれもこの添削により、恐らく元よりはベターな結果になるだろうと僕も思う。

先日の記事を読んで下さった方ならもうお分かりと思うが、現役デザイナーとは僕の嫁の事だが、嫁というのも呼び名としてはどうもやりにくいので、彼女の昔のハンドルネームを取って、ピーチ先生と呼ぶ事にする(笑)

例題 1


 

 


 

記憶に残っているピーチ先生の言葉を意訳すると、子供の足下が窮屈すぎる。右下のウォーターマークがゴチャゴチャ感をさらに助長している。綺麗な空を見せたいのか、子供が下を向いて何をしているのか、興味の対象をどちらかに決めた方がいい。(トラックパッドで文字を落書きしているので読みにくくて失礼!)

例題 2

 

 

グラスが中途半端に中心に寄っている。もうちょっと左に配置出来たらよりバランスが良かった。テーブルの光度が強すぎて、目がそっちに取られてしまうので、テーブルの白を現像でもうちょっと抑えるべきだった。

例題 3


 

 


 

これも空の美しさを見せたいなら、もっとダイナミックに開けた空の感じも狙えたし、登っていく道のラインの面白さを強調するなら、思い切って空を切った方が多分効果的だったし、どっちつかずになっている。

例題 4


 

 


 

これは、なんでこういう構図にしたのか分からないと言われた(笑)左の服のごちゃごちゃした塊は無い方がいいので、それなら子供を真正面に入れた方が面白かった。

例題 5

 

 

椅子のラインとテーブルの上の本のラインがたまたま重なって、一本の黒い線が存在している。確かに指でこの線を隠してみると、なるほど急にスッキリする感じは僕にも分かるのだが、問題はピーチ先生はじっくり考えてこれを指摘したのではなく、見た瞬間に笑顔で言い切る事だ。つまり理屈を考えて言葉にしているのではなく、直感的にこの線が邪魔!と思うらしい。この添削を繰り返す事で自分もその感覚を享受出来る様になるのか、自信が無くなってくる(笑)

右のコップの切り方も微妙なので切るなら切る。

例題 6


 

 


 

これは珍しくお褒めの言葉を頂いた。たまに褒められるとメッチャ嬉しい(笑)老夫婦のファッションもフォトジェニックで良い。強いて言うなら鳥がもうちょっと下が良かったという。そんなもん、俺のコントロール外だ!と思うのだが、絵画と写真の垣根ゼロの人にそんな言い訳は通用しない。

例題 7

 

 

この場合、面白いのはお姉さんの手よりも子供の興味深そうな視線なので、そっちを主体にするべきだった。もうちょっとカメラを左にパンニングすればOK。それが無理なら右の切り方が中途半端なので、もうちょっとカットした方がいい。

それは似た感覚が僕にもあったのだが、実は元々子供の隣に母親の腕が写っていて、このシーンは子供とお姉さんの手の二人だけにしたかったので、既にちょっとトリミングしている。これ以上トリミングすると茶碗か子供の頭が切れる事になるという僕の主張は却下。アスペクト比を気にせず右だけカットしろと言う。

写真家の多くは、写真をクロップ(トリム・切り取り)したとしても、縦横アスペクト比を変えない事にこだわる人が多い。(僕もだ^_^)しかし面白いのはデザイナー、或いは絵画の人にとってそんなこだわりは全く無い。むしろその一枚の構図改善のためなら、何の”自分ルール”も存在しない。1対1なのか、3対2なのか、16対9なのか中途半端な縦横比なのか、それはその一枚が必要とする構図が決めるのであって、事前に頑なに決めておく事じゃない。

写真のクロップそのものを許さないというポリシーも、本人の優越感や自己顕示欲は満たしてくれるが、少し柔軟な姿勢で居る方が写真はもっと良くなると思う。たしかに撮った時点で何もかも完璧なのは理想的だが、構図がダメなのにクロップだけはしないと頑張っても本末転倒だ。

ちなみにこれは我々写真愛好家には直接関係無いかもしれないが、お仕事として写真を撮る場合はちょっと事情が違う。

特に雑誌等の場合、後から右寄せでも左寄せでも状況に応じて自由に構図を配置出来る様に、余白を広く取って自由度を残しておく方が、デザイナーにとって使いやすい写真なのだそうだ。多くのプロ・フォトグラファーは自分が好きな構図をキメ込んで撮ってしまうらしいが、一流と呼ばれる商業写真家はその辺のTPOを良く理解している。

脱線したので、添削の続き。

例題 8


 

 


 

右下の花がちょっとだけ切れてるのが物凄く気持ち悪いと、見た瞬間に言われた^_^ そして左の花の塊はもう少し上で斜めのラインが出たらもっと良かったと言う。あの、そんな事言われても。。。w

例題 9


 

 


 

もうちょっと寄りで、冷えたビール瓶の質感をもっと大きく見たい。それ以外はまあOKだそうだ。

まとめ

どれも主観の様で、意外と理にかなっている指摘が多い。的を射ているものもあれば、人によりそうで無いと感じるものもあるかもしれないし^_^、中にはこの程度は当たり前に直感出来る人も居るのだろう。

しかしいずれにせよこういう他人の建設的な批評というのはとても面白いし勉強になる。フェイスブックのグループでは、皆さん紳士なのでこういった批評を頂くチャンスはなかなか無いのだが、お互いリスペクトの念を持って批評し合う「批評アルバム」なんかあったら、とっても有益かも。

ちなみにTopの写真は、極めて珍しく「合格」を頂いた(笑)上から連なる縦のラインが子供の服装に至るまで繋がっていて、途中で真横のラインとの交差もあったりして、とても面白いと言う。ちなみに僕は言われるまでそんな事は気にしていなかった(笑)


 

ピント精度やら発色やら質感云々と、フォトグラファー的にはどうしても細部に目が行ってしまうし、僕の場合はどうもまだ遠目で俯瞰するような客観視が出来ていない様だ。特にライカの場合、ライカがやる絵作りに本人が陶酔してしまい、カメラの性能を誇示するための写真に陥りやすい^_^。先日は大画面ディスプレイの記事を書いたが、ライカユーザーはスマートフォンの小画面で確認するのは、細かい所に囚われずに全体を客観視するひとつの作戦かもしれない。

ピーチ先生に挑戦したいという方は、メッセージ下さい(笑)

 

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