Leica M10 Black Chromeを買ったので、これを機会にブログなんかを作ってみた。特に日本語はまだまだM10に関する情報は少ないので、皆が書いてない事を中心に少し書いてみようと思った。
今年に入ってM9P、M Typ240を経て、これで3台目のライカボディだ。M9PもM Typ240も中古だったので、M10は初めての新品ボディ。立て続けに3台も買い替えるなど自分でもどうかしてると思うが、僕がLeica Mにこだわる理由は、巷で言われる様にレンジファインダーの速射性や、撮る楽しさ云々というよりは、日常的に持ち歩けるサイズの優れたカメラを求めた結果だった。
以前はキャノンやソニーのフルサイズ機を使っていたが、同じ人間が撮ってもライカは時々、予想以上の上質な質感、濃厚な発色、美しい階調と立体感を与えてくれる。写真を愛する者として、大切な人、モノ、シーンを撮る時に、可能な限り美しく残したい。生涯手元に置いておきたくなる様な、素敵なカメラを相棒としたい。僕にとって、Leica Mはまさしく、そんな想いに答えてくれるカメラだった。
実際の絵は他人から見たら、もしかしたら取るに足らない違いかもしれない。しかし自分自身が信じる道具で、自分自身が納得出来る事が、僕には必要だった。ハッセルブラッドも所有しているが、ハッセルはやはり、大きく重かった。やがて外に持ち出さなくなってしまった。僕にとって、コンパクトである事は、絶対条件となった。
仕事中に写真を撮って遊んでいる音響。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro.
M10の箱を開けた時、実はM9P、M Typ240ほどの感動は無かった。細かな違いや改善点はもちろんたくさんあるが、そのオーラというか、存在感、高級感、所有欲を満たす感覚は、M10は今までのデジタルライカと全く同じだからだと思う。箱も全く同じだった。今までよりちょっと性能がよくなったライカ。そこに対して90万円を捻出したのは、果たして正しかったのだろうか?フジXシリーズなら、70万円のお釣りが来る。そんな事をぼんやり考えながら、M10を撫で回していた。
今までと少し、違った感覚もあった。M9PとM240は、宝物の様に大切に取り扱っていた。でもM10は、そういう気持ちにならない。もっとラフに、純粋な道具として使い倒したい方が勝るのだ。多分、M240までは、近い将来手放す日が来る事を直感的に感じていたのだと思う。だからリセールバリューを常に気にしながら使っていた。実際そうなった。M10は、これこそ長く使える!という確信があるのだ。もしかしたらこれが自分にとって最後のライカ・ボディになるかもしれない、そんな予感があるから、ボロボロになるまで使ってみようと思えたのだ。
弟と友人。Leica M10 + Leica Rigid Summicron 1:2/50 (ƒ/2.0, 1/60, ISO 6400) ©2017 Saw Ichiro.
このところ多忙が続き、8月10日に購入して2週間たつのにまだ十分な撮影チャンスに恵まれない。その中でもいろいろ思う所があり、しかし時間とともに次々に忘れていく。今のうちにメモしておいて、これが誰かのお役に立てれば嬉しいです。
ボディが薄くなったとか、ISOの物理ダイヤルがついたとかは皆がレビューしているので、それ以外に思った事を書いてみます。
Leica M10 + Leica Rigid Summicron 1:2/50 (ƒ/2.0, 1/1000, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.
シャッター音
M10を手にして一番最初に思ったのは、シャッター音が良い!何度聴いても良い。僕はプロカメラマンではなく、本職は録音の仕事を20年やっている。M9もTyp240も、巷でいろいろ言われているのは知っていたが、本心はシャッター音に関して何の感想も無かった。どちらかというと、そんな事どうでも良い方なのだが、M10は素直にイイと初めて思った。いかにも小型な精密機械が正しく作動している心地良い響き。屋外の雑踏で特にそう感じる。
2m先の友人も、撮られた事に気づかなかったと言うほど、シャッター音は静か。とてもジェントルで上質だ。
M10の絵作り
購入初日、撮った写真を背面ディスプレイで確認した時、アレ?と思った。Typ240で感じていた、高貴な質感が影を潜め、なんだか普通になった様に見えた。普通というのは、もちろん素晴らしく高解像だし、ほとんどの人にとって歓迎される絵と思うが、Typ240とは絵作りがかなり違う。
Leica M typ 240 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/500, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro.
Leica M typ 240 + LEICA 90mm f/2.8 ELMARIT-M (ƒ/2.8, 1/125, ISO 800) ©2017 Saw Ichiro.
Leica M typ 240 + LEICA 90mm f/2.8 ELMARIT-M (ƒ/2.8, 1/60, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro.
Typ240のどこか陰りを帯びている質感が、ライカっぽい品格を醸し出していると勝手に思っていた。僕はそこに静けさを感じるのだが、そこが別のものになった。M10は何か、底抜けに明るいのだ。白は本当に濁り無く白い。
夜の青山通り。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 400) ©2017 Saw Ichiro.
マックスマーラーの窓。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 800) ©2017 Saw Ichiro.
カラーがよりビビッドで、M9的と言われるのは、Macに取り込んで大きく伸ばしてみた時に納得した。明らかにM240と傾向が異なる。
IKEAの食堂より。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/500, ISO 400) ©2017 Saw Ichiro.
色味がとにかく鮮やかで美しいので、モノクロよりもカラーが楽しいカメラと思った。(Typ240はモノクロがとてもカッコよかった)逆にモノクローム設定ONにしてみると、一定の環境では人間を撮るとどうもまだ手になじまない。何か根本的に違いがある。
すぐ横に座っていたアテンダントさんに声をかけて、撮らせてもらった。Leica M typ 240 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/90, ISO 640) ©2017 Saw Ichiro.
考えてみればM240の時は、いつもアンダーにしたい欲求が働いていた。M10は全然違う感覚になる。絞り優先が暗めに出るのか?いつも、M10が提案した露出から、あと3分の1段、明るくしたくなる。もしかしたら背面液晶が、やや暗めに表示されている?暗めというよりは、コントラストが強めという感じ。日中、背面液晶で逆光の人物が黒つぶれしたので、マニュアルで少し明るくする。持ち帰ってLightroomで見てみると実は明るくし過ぎている。そのパターンが多い。まだ使い始めたばかりなので、もう少し検証してみる。
これは昨夜のISO設定が残ったまま誤って撮ったものだが、ハイキーな感じはM10の得意分野。Leica M10 + Leica Rigid Summicron 1:2/50 (ƒ/2.0, 1/125, ISO 800) ©2017 Saw Ichiro.
M9からM240に行った時、解像感がずっと良くなったと思った。M9は絵画的に、コントラストの高さでシャープに見せる傾向だったのが、M240はより写実的に線が細く、鋭くなったと思った。それと同じくらいの変化幅で、M240からM10は解像度がさらに高まったと思う。M10の作例をFlickrで見まくったせいもあって、ちょっとくらいの解像感では驚けなくなっている自分がいるが、何度かスゲーと思った。
Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/180, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.
ブラインドテスト(目隠しされたら見えないが)でTyp240とM10の撮って出しを比べれば、ほとんど間違わずに言い当てられると思う。(いや無理かな、、、)
M9もM240も素晴らしいカメラだったと今でも思う。またそれぞれ強い個性があって面白かった。その上でM10のエンジン、マエストロIIは、個性を超越していよいよ本当に完成の領域に向け、成熟してきた感がある。
今後、M11、M12が登場するだろうが、ここからどうやって画質を進化させてくるのか想像が出来ない。その代わり、今まではライカの個性が自分の作品の個性として助けてくれていたものが、M10からは何もしてくれなくなった様な、あとは自分だけで何とかしろと言われている様な、ちょっと寂しい感覚もある。M240は数千枚撮ったのでいろいろと個性が分かっているが、M10はまさにこれからだ。今後また意見が変わるかもしれない。
M10のパフォーマンス
撮った写真を見る、拡大する、拡大して移動する、あらゆる背面液晶の反応が速くなった。M9からTyp240の時も感動的に改善された。(M9はちょっと厳しかった^_^)その時ほどではないにしろ、M10に慣れるとTyp240に戻れなくなりそう。LVの追従性もだいぶ改善されて、カメラを振り回してもタイムラグはほぼゼロで、実に自然だ。
ただし、起動時間、スリープから目覚めるラグは、M10も待たされる。1.5秒くらい。240よりはまともになったので、不快なほどでは無いが、この点、M9は俊足だった。
Thorsten von Overgaard氏のレビューに詳しいが、SDカードによりこの辺りのパフォーマンスは異なる。様々な局面でLexar 128GB 150MB/sec 1000x U3 IIが速いようだ。
ISOダイヤル
みんながレビューしているM10のトピックの一つ、ISOダイヤルも、気づいた事があった。店頭デモ機で触った時には、引っ張り出すのが余りにも固すぎて使いにくそうと思ったのだが、8月に届いた僕のロットでは改善されている様だ。硬さに節度があって快適だ。慣れただけ?いや、買った初日にそう思った。
メニューの中に入らなくても、いつでもISOが変更出来るのは、使ってみると結構ありがたい。ISOを触る頻度は確実に上がる。
昼間はISO固定、絞り固定でシャッタースピードは”A”でほとんど問題にならないが、夜間の撮影では、時々シャッタースピードが遅くなりすぎる。これはLeicaの大きな欠点の一つの思うのだが、ISO固定、絞り固定、シャッタースピード”A”の際、SSを一定値より遅くなるのを防ぐ、日本のカメラなら当たり前の設定が、ライカには存在しない。M240でもM10も同じ。いずれもその機能と誤解させる様な設定がISOオート内にあるのだが、僕の使い方では全く機能せず、その設定が何のための設定なのかLeicaに何度聞いてもよく分からない。
葉山森戸海岸のお祭り。Leica M10 + Leica Rigid Summicron 1:2/50 (ƒ/2.0, 1/60, ISO 6400) ©2017 Saw Ichiro.
だからLeicaを夜間で使う場合、手ブレを起こさないSSとして僕の場合60固定で、絞りは開放固定。そして暗さに応じてISOを変えまくる使い方となる。ISOオートだと普通に見たままの暗い絵を撮りたくても無理に明るくされてしまうし、結局はISOは手動が使いやすいのだ。そんな僕の様な、仕事が終わった夜しか写真で遊べないナイト・シューターにとって、ISOダイヤルは予想以上に便利だった。
せっかく新しいカメラを紹介するのに、夜間の高いISOの作例が多くなってしまった。しかしそれにしてもISO6400なんて、ちょっと前までは完全に非常用だったはずなのに、今では普通に使っている。
M240ではISO1000でも、結構ノイジーだった。ただ白黒ではMのデジタルノイズはフィルムノイズっぽく見えて、それがカッコよくてわざとISOを高めに撮る事もあるほど、ライカの高感度ノイズは嫌いでは無い。
逗子海岸でたまたま出会った神秘的な光景。慌ててクルマを駐めて、三脚を持って走った。ベースISOでも撮ったが、こちらのISOノイズ付きの方が雲の質感が好きだった。Leica M typ240 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/4.0, 3sec, ISO 1000) ©2017 Saw Ichiro.
ベースISOが100になったのも地味に嬉しい。M9はISO160、M Typ240はISO200だ。Summilux 50 F1.4を晴天屋外で開放で使うには、M Typ240では2段分のNDフィルターが必要だった。F1.4はM10でもまだ1段分のNDが必要だが、Summicron 50 F2.0では夏のビーチの様な厳しい条件下でも、ND無しで空や海の反射が白飛びする事なくシャッタースピード4000内に収まる。
新宿の実家の13Fのベランダより。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/750, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.
光学ファインダー
M Typ240とM10を並べて見比べてみると、ファインダー倍率も、視野の広さも大きくなった。でも同時に見比べないと、M10にすぐに慣れてしまい恩恵をいつも享受する感覚は正直ない。でも、アイレリーフも改善された様で、快適なのは間違いない。こういう点はiPhoneを新型に買い替えた時と似ていて、新型の速さや美しさにはすぐに慣れてしまって、こんなもんかな?とありがたみが薄いのが、旧式に戻ってみてその遅さに驚くパターンだ。
(2017年10月29日 M10のファインダーも逆光に弱い?)
EVF 電子ビューファインダー
M Typ240では電子ビューファインダーも併用していたが、M10では見合わせた。元々EVFを結局あまり使わなかった事もあるが、M10にEVFを装着すると、シャッタースピードダイヤル部を覆って見えなくなってしまうからだ。元々、M10専用のEVFとして計画されていたものがポシャったらしく、M10に最適化されていない。それ以外にも、ごちゃごちゃとアクセサリーを持ち歩くのに嫌気が差した事もあり、今の所導入計画は無し。
そもそも僕の程度の視力だと、EVFや一眼レフだと最後のピント合わせが、行ったり来たり、どうしても深追いして迷ってしまう。非常に暗いシーンで時々EVFに助けられた経験はあるが、ライカの光学レンジファインダーはとてもシンプルで、迷いが無い。迷いが無いから、速い。特に40を過ぎた疲れ目には有り難く、やっぱりライカMは、個人的には光学ファインダーで使いたい。最近話題のLeica TL2の様に、オートフォーカスなら話は別だが。
小型バッテリー
M Typ240と比べて一回り小さくなったバッテリーは、その分だけハッキリ持ちが悪くなった。Typ240は32GBメモリフルまで撮ってもまだ残っていたと思うが、M10は半日で残り30%とかになってしまう。LVを使いまくると、1日でバッテリー2個くらい必要かもしれない。予備バッテリーを複数持ち歩くくらいなら、バッテリーサイズが大きい方がいい。ボディの薄さのために仕方なかったのかもしれないが。
電源は常時ON、オートパワー・オフ2分、オート液晶表示1秒が僕の基本設定。
今日は600枚ほど、14GB、白黒JPG+DNG、あるいは実験のためカラーJPG+DNGなどの組み合わせを切り替えながら撮りまくって、バッテリー残量40%で1日を終えた。まあこれならバッテリー2個持ち必須、とまで言わなくていいかもしれない。ちなみに今日は数回しかLVは使わなかった。
ライカ純正M10用ホルスター
同時に購入したM10専用ホルスターに関する記事が、国内では皆無だと思うので、人柱になってみた。
「良い写真を撮るコツは、カメラをしまわない事だ」と誰かが言っていた。M10から素敵な黒革のストラップが付属するから、普通はこれで十分だが、クルマ移動が多い自分にとって、運転中に出会ったシャッターチャンスを逃したくない。ホルスターがあれば、クルマに乗った時にはホルスターごとシートに引っ掛けておいて、安全にいつでも撮影スタンバイ状態で運べると思ったのだ。
ドリンクホルダーを利用して、お手軽に手元に置いておく方法も考えられるが、スキール音を出しながらコーナリングする様な人は、いや、そうでなくてもちょっとしたブレーキでドリンクホルダー内の遊びでカメラがぶつかりまくって、多分レンズにもボディにも傷がつく。
クルマのシート肩掛け作戦は、まだ数回しか試してないが、なかなか取り出しにくい(笑)そして、しまいにくい。出し入れが硬いからだ。停止時じゃないと、いずれも難しい。もうちょっと工夫してみる。
渋滞中の首都高は、被写体探しが暇つぶしにちょうどいい。(前方に気をつけて!)予めピントは無限遠、露出は適度に設定してから、クルマに乗り込む。
皇居越しのビルディング。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1600) ©2017 Saw Ichiro.
トンネルのパレット。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 800) ©2017 Saw Ichiro.
M10ホルスターは、エルメスを思わせると言えば大げさだが、黒革の質感が上質で美しい。内側はほんの少しクッション性のあるベロア仕上げで、ボディに傷がつきにくい丁寧で細やかな配慮がされている。ベルトのバックルもソリッドで無茶苦茶カッコイイ。最初はホルスターの自作もよぎったが、このクオリティには到底及ばないと悟った。
長さは結構長い。斜め掛けするスタイルだが、170cmの身長でベルトは最短で使って、身体にピッタリ来る。
ホルスターを使う場合は、ストラップを左右の耳に装着するのは、諦めなければならない。僕は落下防止のため、レリーズ側に一点留めストラップを付けてみた。
使った事は無いがピストルのホルスターは3点留め?と思うが、ライカホルスターは2点留めのため、カメラを取り出すにはホルスターを片手で抑えながら、引っ張り出す必要がある。慣れると脇でベルトを挟んで、うまく片手で引っ張り出せるかも。3点留めならクルマのシート作戦ももう少しやりやすいはずだ。ホルスターの形状はボディサイズにかなりピッタリで、キッチキチだ。使い込んでいくと違うかもしれないが、レンズ付きで1kgを超えるボディでもそう簡単には落ちなそうだ。
特に0.2mmだったか、液晶保護ガラスフィルターを付けると出し入れがより硬くなる。さらに視度補正フィルターなど付けようものなら、さらに硬い。僕の視力は0.3ほどで、-2 dpt.の視度補正があるととても快適なのだが、視度補正フィルターの厚みは恐らく3mmくらいあるのだ。このホルスターは視度補正フィルター無しが前提で設計されている。何度も出し入れしているうちに、視度補正フィルターのゴムが痛みそうだが、まあ使い込んでいくうちに馴染むだろう。
なので今後出るであろうM10用マグニファイヤーは、ホルスターユーザーは最初から諦めなければならない。僕はサムレストは使わない派だから分からないが、恐らくサムレストもNGだ。
薄型化したM10の恩恵もあり、肩から下げていても違和感はほぼ無く快適だ。ストラップでぶら下げているよりずっと安定しているし、保護製も高いので別の事に集中出来る。でもレンズは裸のため、人混みではカメラバックよりは、やはり気を使う。僕はカメラは保護フィルターだけ付けて、キャップは付けない主義だが、キャップやフードなどぶつけて紛失する可能性もありそうだ。
何か地面のモノを拾うためにかがむと、カメラが下を向く。肩にラフにかけても、レンズの重さのためレンズが下を向く。勢い良く下を向く。簡単には落ちないと思うが、念のためバンドを常に付けていないといつか落下事故につながるかもしれない。タイトだが油断は禁物だ。
ライカにストロボを付ける
Leica純正じゃなくても、ホットシューの形状からNikon系のストロボなら使えると分かったので、僕はニコン用のNissin Di700A、Air1の組み合わせをM240から愛用している。M10でもテストしたが、ワイヤレスによるオフ・フラッシュも全く問題無し。TTLは使えないが、個人的にはTTLは不要でストロボはマニュアルしか使わないから、純正と何ら遜色ない。
ライカをスナップシューティング・ツールと捉える方が、ライカにストロボなんて、と言われているのをどこかで見かけた。僕の場合は単に優れたカメラとしてライカを選んでいるので、ライカに外部フラッシュは付けないなんて決める理由はどこにもない。
むしろ、ライカをストロボと組み合わせたら凄い絵が撮れるのでは?と迷わずDi700Aを二台買った。何の苦労もなくワイヤレスの2灯ストロボがライカで使える!良い時代になったもんだ。実際は同時に3灯までリモートコントロール出来るはずだ。使い方も超シンプルで、プロには物足りなさもあるのかも分からないが、液晶にゴチャゴチャ表示されるより現場でひと目で状況が分かって、かえって好ましい。必要にして十分だ。
オヤジのポートレートをLeica M Typ240とDi700Aで。Leica M Typ240 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/4.0, 1/125, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro.
ちなみにLeicaのホットシューには純正カバーが付いているのだが、ストロボやアクセサリーを装着する時に、いちいちカバーを外して、無くさないようにしまって、というプロセスが面倒なので、僕は最初から外して使う事にした。
僕は幸い?プロカメラマンでは無いから、写真は趣味として、自分が好きなものを勝手に撮っていればいい。自分が気に入ったら他人がどう思おうと、別に良い。そんな肩の力を抜いた感じで、Leica M10としばらく付き合ってみる。