希望に向かって。横浜ベイブリッジよりLeica M10 + Leica Summaron-M 1:3.5/35 (ƒ/3.5, 1/350s, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.
僕の個人的な2017年の流行語大賞は、迷いなくこれだった。
「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである」
by アインシュタイン
今日は助手席だったので、移動中いつもの様にM10にSummaron 35mm f3.5を付けてずっと握っていた。握っていないと、あ、撮ってもいいかな、、と思った次の瞬間に、その光景は逃げ去ってしまう。ホルスターに入れていても間に合わない。
何を撮ると決めている訳では無い時、ズマロン35mmは僕にとって最高のレンズだ。クルマから何かを撮る限り、ピントリングを10mにセットしておけば、f3.5の場合、5m〜無限遠までカバーしてくれるので、ピントの事は忘れてOK。気になった方向に向け、ノーファインダーでとにかくシャッターだけ切ればいい。どんな高性能AFカメラより、旧態依然としたライカMの方が速いというパラドックス。
Leica M10 + Leica Summaron-M 1:3.5/35 (ƒ/3.5, 1/1000s, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.
しかしf3.5という暗さは、その数字から受ける印象よりずっと深刻だ。Summilux 50mm f1.4と比較して具体的に考えてみれば、2段半暗い。これはズミルックスでISO400で撮れる場面で、ズマロンではISO2500〜3200が必要という事になるし、ズミルックスでSSが1/60sで行ける場面で、ズマロンは1/12sまで遅くなる。M10の高感度耐性だからこそ問題ないが、M9だったら昼間専用レンズになるだろう。
Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/2.8, 1/4000, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.
以前からやってみたいと思っていた、またやると宣言していた、Leica M10とFuji X-T20で、それぞれカラーチェッカー・パスポートで色を補正した同士で比べるとどうなるか、時間が出来たのでやってみた。
レンズは同じ現行ズミルックス50mm ASPH.で、どちらもRAWでカラープロファイルを選んだのみ。まずはカメラのオートWB。
Leica M10(M10カラープロファイル) + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/250, ISO 100)
Fujifilm X-T20(PROVIAスタンダード) + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/500, ISO 200)
太陽光が差し込む室内の窓辺だが、どちらも多少の色かぶりが見られる。FUJIは、プロビア・スタンダードだと相変わらずコントラストが強い。
Leica M10(カラーチェッカー・プロファイル) + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/250, ISO 100)
Fujifilm X-T20(カラーチェッカー・プロファイル) + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/500, ISO 200)
両カメラとも、それぞれカラーチェッカー・パスポートを撮影し、これをLightroomのカラープロファイルに登録。WBとカラープロファイルをワン・クリック補正してみた。
WBとカラープロファイルをカラーチェッカーパスポートで補正。Leica M10(カラーチェッカー・プロファイル) + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/250, ISO 100)
WBとカラープロファイルをカラーチェッカーパスポートで補正。Fujifilm X-T20(カラーチェッカー・プロファイル) + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/500, ISO 200)
お!これならフジもほとんど遜色無い?フジはやっぱりちょっと乾いている気もするが、少なくとも色味は近い。今回は両方同じWBポイントをテキトーにクリックしただけだが、もうちょっと調整すれば同じに出来そう。変なコントラストの強調も消え、だいぶ良い。M10もカラーチェッカーを入れた方が、デフォルトのM10プロファイルより断然良い結果になる。
どっちのカメラを使ったとしても、ちゃんと撮りたい時はカラーチェッカーはあった方がいい。カラープロファイルなんて、カメラの設計では一番自由が効くし効果も大きい部分と思うのだが、各社、ここをもうちょっと煮詰めれたらいいのにと素人なりに思う。