SEKONIC L-478D

露出計をいろいろ試した

全部セコニック。左からSEKONIC L-478D、L-398A、L-508。 普段はあまり必要性を感じないが、ストロボ撮影の時は重宝するし、気合い入れてポートレート撮影に挑む時も、待たせる相手が居る場合は、やはり入射光式で測っておくのが待たせないし確実な値が得られる。背面液晶の明るさに関して、?が残るM10は特に大事かもしれない。 どの露出計を選ぶかを絞り込む時に、まず僕は電池に注目した。僕はフラッシュ用途などのために大量の単3、単4のエネループを持っているので、出来ればこれを流用したい。露出計は設計が古いものが多く、現在では入手しにくいCR123Aを利用するモデルが少なからずある。これらをまず却下した。一番気になっていたセコニックL-758Dもこれで消えた。小さくて良さそうに思っていたL-358もCR123Aだ。どちらも現在は廃盤になっている。 次に絞り優先モードが使えない機種は当然却下。多くの人が愛用しているL308は、非常に小さくて軽いのだが、シャッタースピード優先しか無い。残念だ。ケンコーKFM-1100も絞り優先モードが無い様だ。 L-398Aはストロボには非対応だが、ダイヤル式のアナログ露出計で、なんと電池が不要だ。面白そうと思って試しに買ってみたものの、数字が小さくて無茶苦茶読みにくい。そして重い。結局、すぐにテーブルの飾りになってしまった。 L-478Dが本命だった。タッチパネル式で表示も美しく、サイズも手頃だ。設計も新しい。ISO値を測定出来たり、新しい露出プロファイルを登録出来る機能なども、良さそうな機能満載だ。 しかしこれは数々の欠点があった。まず電源を押してから起動するまでかなり待たされる。3, 4秒くらい?スリープも同様に待たされる。スピードが命の現場ではアウトだ。さらにタッチパネルの精度が悪く、iPhoneの様な滑らかな動作を期待すると裏切られる。押しても反応しにくく、反応したと思ったら設定値を行き過ぎる。ISOを一段変えるのに、タッチパネルをイライラしながら触りまくる始末だ。 そしてメモリ機能もとても使いにくい。メモリ登録はボタン一つで出来るが、削除するのにいちいち設定画面に入り、メモリクリアを選択し、削除するメモリを選択し、削除ボタンを押すと本当に削除しますか?YES、と計4回、反応にくいタッチパネルのボタンを押さなければならない。これでは面倒臭くてメモリを使う気にもならない。セコニックほどの露出計の老舗メーカーが、実際に使う人の事を全くイメージ出来ていないと思った。 使ってるGUIやフォントの選び方も、なんとなく非合理的で、優秀な海外のデザイナーを使ったら、もっといくらでも美しく表示出来ると思うのだが。 タッチパネル式のため、電池の減りが猛烈に早いのも盲点だった。すぐに自動スリープになる様に設定したくなるが、しかし一度スリープすると起動が激遅なのでジレンマに陥る。 しばらく使ってみたものの、これらの問題に嫌気が差してきたので、古典的な普通の液晶モデルで、単3、単4が使えるモデルを探すと、L-508に行き着いた。 SEKONIC L-508は、結構古いモデルだがサイズ的にもデカ過ぎず、起動もPowerボタンを押すと一瞬で立ち上がる。ダイヤル操作も確実だし、シンプルな液晶表示のため、自動スリープは20分のみだが、リチウム電池なら35時間も持つ。メモリクリアもボタン一発。これは良い!と思ったのも束の間。残念ながら、こちらにも大きな欠点があった。 反射光用のゴムのレンズキャップがゆるくて簡単に外れてしまうのはご愛嬌としても、致命的なのは、シャッター速度が0.5段表示になるディップスイッチが、なんとシャッター速度優先モードしか機能しない。絞り優先モードだと60秒の次が125秒で、90秒が無いのだ。T60, 1.4(8)などと表示され、絞りの10分の1の値を考慮しつつT90と毎回読み替えないといけない。なんで?? 説明書を隅から隅まで調べたが、どうやらこれが仕様の様だ。これはSS値が半段刻みのデジタル・ライカ使いにとっては、誰もが不満に感じるはずだ。下部のドット表示も絞り優先時には非表示になり、メモリ機能やアベレージ機能が一切使えなくなる。絞り優先を多用する僕にとっては、この露出計は完全にNGだった。 うむむ、こういう事は手元でいろいろいじってみるまで分からない。設計の古い露出計は、むやみに手を出さない方が良いということか。 ゴッセンというドイツの小さい露出計も可愛いのだが、調べれば調べるほど実使用には使いにくそうに思った。特殊な電池の件を諦めて、L-758Dに行くしかないのか。スタジオ用ならいいが、持ち歩くとなるとデカイし邪魔だ。 iPhoneの露出計アプリもあるが、iPhoneを立ち上げてパスワードを入れてアプリを探して、なんてやってられない。しかし準備から立ち上げまでは面倒だが、使い始めるともしかしたら凄くいいかもしれない。今のところ、僕が探した限りではストロボ計測まで対応しているのはLUMU Powerだけじゃないかな。色温度まで正確に計測出来るのは素晴らしい。国内ではまだ代理店は無いので海外に直接オーダーする必要があるが、美しい革ケースが付く様だ。 ケンコーKFM-2200なら絞り優先もありそうだが、仕様を見る限りアナログスケールが恐らく絞り値の固定プリントの様で、L-508と同様にシャッタースピード優先時にしか使えなそうに見える。困った。 仕方無いので問題はあるがL-478Dで頑張るしか無い。スリープからの立ち上がりの遅さに耐えられないので、半日に一回電池を変えると腹を決めて、自動スリープを20分と改めて、しばらく様子を見てる事にした。 結局、SEKONIC L-758Dを買った。(2018/01/24)

ライカM10は極上だった

Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/8.0, 1/125, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro. 僕は自分をアーティストだと思っていない。そうありたいという願望はあるが、Leicaがどうとかレンズがどうとか言ってるうちはダメだろう。 わ、凄い解像度!とか色味が美しい!とかカメラから出てくる絵に喜んでいるうちは、カメラの性能を楽しんでいる実験の領域だ。道具が手足となり、空気の様にカメラの存在を意識しなくなった時が、ようやくスタートラインではないかと思う。僕は昔から不器用で遠回りするタチだ。まあ気長にやろう。 かと言って道具はやはり、使い手自身を成長させてくれる。少なくとも、使い手の意識レベルに大きく影響する経験は、僕は今まで何度もある。 アルファロメオ・オーナーは納車された日から突然「アルフィスタ」になる。最初は照れや気負いがあっても、ピッカピカの真っ赤なクルマに一年も乗り降りするうちに、実に不思議なことに、着るものや考え方、時に立ち居姿まで、知らず知らずに少しづつ、それに見合う人になっていく。BMWやメルセデスも同様に、人間の方を変えてしまうほどに、モノ自体が「哲学」という強いオーラをまとっている。 ライカにもそんなオーラがある。僕に「写真」について真剣に考えさせてくれたのは、Leicaそのものだった。 元々僕は他人の作品にほとんど興味が無かったし、過去の偉大な先人から真摯に学ぶ気持ちすら起きない、怠惰な人間だった。しかし道具をじっくり眺めて、じっくり触って、考える。そんな時間が長いほど、カメラについて、写真についての思考が少しづつ深まっていく。 M10のRawとjpgを比較 今日はNissinストロボを使ってM10のRawとjpgを比較してみた。アマゾンから届いた中国製の安いソフトボックスを使用。ストロボはDi700Aを1灯のみ、面倒なので反射板も無し。ホワイトバランスは「フラッシュ」。 Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/8.0,…