ピーチ先生

構図の添削2

  前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。 この日はモデルのサラがロンドンから来日していて、いろんなご縁が重なり都内の北辰一刀流、玄武館の彼女の体験入学を斡旋したりして、ついでに写真を撮らせて頂いた。僕も15年前に通いつめていたこの道場の6代目館長は、散々お世話になった偉大な恩師だ。 このシーンでは実際に刀を向けられて、自分が殺される前に絶対に相手を切らなければならないシリアスな恐怖感を、詳細が良く見えないアンダーな風合いで撮りたいと思った。 期待していた窓から美しく差し込む光が全然無かったので、仕方なくNissinストロボ一灯を使って斜め背後から絵にコントラストを与えた。最近マイブームのソフトフィルターを装着して、とりあえず白黒のアンダーにしたのが上の写真だ。さてここからどうするか。 ピーチ先生にまずは以下の様に指摘された。     僕の記憶に残っているピーチ先生の言葉をそのまま書いてみる^_^ いい事教えてあげるよ、アンダー写真の面白ろさは、ハイライトのシルエットのカッコよさなんだよ。どうしても人は明るい方に目が行くから。だからハイライトの形がカッコよくなければ、ただの暗い写真に見えるだけだよ。(涙) でもこれを少しでも良く見せたいなら、ただ暗い印象じゃなくするために、まずは見えてる足を十分に明るく。それでバランスが良くなると思う。そして全体的に不明瞭なグレーの比率が多すぎるから、背景の横のラインを強調してみて。真ん中左の背景の白も生かして。 という事で明瞭度を思いきり上げてコントラストも強めて中間色の割合いを減らし、横ラインを強調した。足も少し明るくしたのが下の写真。   スライダーでbefore afterを比較してみる。さっきよりだいぶ良くなった。足はもっと明るくして全体の不明瞭感をさらに緩和したい。うさぎの耳みたいに見える頭の後ろの光は邪魔なので消して。 顔が影になっているのはいいけど、目をほんの少しだけ意識出来るようにしたい。目の強調は、全体を明るくするというより、暗がりになってる右目の白目の部分に、小さいハイライトの丸を入れて。ちょっと裏技的だけど。 刀を持っている事をもっと分かりやすく強調した方がいい。え?何?という面白さを狙うのでなければ、わかり易さが大事。     具体的に、こんな事をやった。     そして、最後に白黒にちょっと色味を混ぜたフィルムテイストにして、右の影を深めたりして一応完成。ピーチ先生はまだ何か言ってたが、自分的にはこれでもういい(笑) Leica S-E (Typ006) + Leica Summarit-S 70mm…

構図の添削

Chime. Leica S-E (Typ006) + Leica Summarit-S 70mm f/2.5 ASPH (ƒ/2.5, 1/60s, ISO 100) ©2018 Saw Ichiro. 先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。 構図と言っても三分割法や水平線を水平にと言った教科書的なTipsではなく、現状をどうしたらもっと良くなるかという、もうちょっと実践的な話だ。感覚的な要素も多分にあるし、もっと良いアイディアもあるかもしれないが、いずれもこの添削により、恐らく元よりはベターな結果になるだろうと僕も思う。 先日の記事を読んで下さった方ならもうお分かりと思うが、現役デザイナーとは僕の嫁の事だが、嫁というのも呼び名としてはどうもやりにくいので、彼女の昔のハンドルネームを取って、ピーチ先生と呼ぶ事にする(笑) 例題 1       記憶に残っているピーチ先生の言葉を意訳すると、子供の足下が窮屈すぎる。右下のウォーターマークがゴチャゴチャ感をさらに助長している。綺麗な空を見せたいのか、子供が下を向いて何をしているのか、興味の対象をどちらかに決めた方がいい。(トラックパッドで文字を落書きしているので読みにくくて失礼!) 例題 2    …

問題は、構図だ!

この人の写真、超スキ。このおじさんの人柄もスキ^_^。Wedding Photography Tips: Storytelling with Joe Buissink いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑) 今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。 幼少期から成熟期にかけて絵画に深く関わった人の感性というものは、最初から写真を見る目が違う。これは悲しい現実で、分からない人には何が良くて何が悪いのかさっぱり分からないし、分かる人にはなんで分からないのかさっぱり分からないという、両者の間には残酷なほどに深い溝が存在する。 僕の嫁は美大卒で全国6,000社の広告を手がける現役デザイナーだが、明らかに僕とは違う目を持っており、僕の写真をひと目見た瞬間に次々とダメ出しして行く。しかもそのコメントがなるほどいつも的確で、全て納得。指摘されるまで自分では全く気付けないので、ぐうの音も出ないのだ。 僕のお気に入りのFlickrのfavリストを見せても、ほとんどの写真の構図が全然ダメと言う。たくさんいいねも付いてるしそんなはずは無いだろうと一枚一枚、感想とその理由を聞けば、スラスラと問題点を指摘し、その改善方法まで見たそばから言い当てていく。ごくたまーに、これは文句の付け所がない、と100点が付く。だったらおまえが撮れよ、と段々腹が立ってくるw。(ちなみに彼女はライカに全く興味も無いし、カメラの使い方をいくら教えても決して覚えられない^_^。iPhoneでいいらしい。) 彼女に言わせると、歴史に残る絵画で構図がイマイチなものは一つも無いので、無配慮な構図が気になって仕方がないのだそうだ。この発言は、彼女にとって絵画と写真の垣根が全く無い事を示唆している。しかも比較対象が世界の巨匠だったりして、少しは多目に見てもらいたいものだ^_^ 僕の興味は身内の自慢話ではなく、そういう特殊能力を持ち合わせてない僕の様な平民が、どうやってその感覚を享受するかだ。 貴方がもし、成人式をとっくに終えた年齢ならば、残念ながらこの深い溝を一発逆転で飛び越える裏技は無いかもしれない。しかし平民にも、後天的に学び努力した暁には、彼女に褒めてもらえる一枚を撮る道は残されていると、僕は信じたい(笑) そこで僕が考えた作戦はこうだ。たった一時間で、貴方の構図が変わる(かも)。   構図改善・大作戦 例えばボナールから始める。このYoutubeは一枚につき6秒間、次々に名作が表示されていく。これを漫然と鑑賞して楽しむのでは無く、貴方が実際にこの場所に行き、Leicaを構え、ライカのシンプルなフレームの中にこの絵が見えていると想定するのだ。 貴方はここでシャッターを切る。貴方は今、ボナールと同じ構図で撮っただろうか。そこにはボナールと自分と、構図の捉え方の違いが必ずあるはずだ。彼と自分と、どう違ったのか、何が違ったのか、そして何故、彼はそうしたのか。その違いを認識し考える事が、スタートラインだ。 Pierre Bonnard: A collection of 783 works (HD) 構図の学習に写真では無く絵画を選ぶのは、絵画の場合、最初の一筆目から描き手の意思と計算が存在する点で、半ば受け身的に目の前の状況を受け入れたかもしれない写真集よりも、驚きがある。 構図に唯一の正解は無いので、ボナールと同じ構図に矯正する必要は無い。冒頭のJoe…