2017年11月2日 ichiro

Magnum Photosムービー

このムービーは以前にぼんやり眺めただけだったが、何か残るものがあってまた探し出してきた。日本語字幕も無いし画質も悪いが、フル尺で見れる。なんとなく見てるだけでもフィルムライカのシャッター音が心地よく、ものすごくライカを乱暴に扱っていたり(笑)ライカやいろんなカメラを撮りまくっていて小気味いい。

日が落ち始めた、目測露出が難しい時間帯のシーンで、フィルムカメラを取り上げて、露出計を取り出す。一瞬で適正値を読み取りそのまま露出計を放り投げて、すぐに撮り始めるシーンに、僕はプロを感じた。被写体を発見し、露出を測って撮り始めるのに要した時間は5秒だった。

Magnumは世界で最も会員になるのが困難な写真家集団だ。毎年、300人以上の入会希望者が居ると言う。

”現在、正会員は46人、準会員は3人、候補生4人。まず候補生になるには、会員の半数以上の賛同が必要とされ、候補生になると2年間の仮採用期間を経て、準会員への投票が行われる。その際は会員の3分の2の賛同を得る必要があり、準会員から正会員へも同様。”

との事だ。恐ろしいほど狭き門だ。

良い写真家とは何か?と言う問いに対し、彼らは明確な答えを持っている。映画で彼らはこう語っている。

「生き残る為には、個性ある人材が必要だ」

「私たちが必要とする写真家は、最先端(カッティング・エッジ)の仕事をする人だ」

最先端の写真とは、なんだろうか。少なくともライカを使う事が求められている訳では無いだろう(笑)

しかし映画を見る限りライカ、そしてフィルムの使用率が高い。当時、彼らがマグナムに入会し、3分の2に認められた「個性」にはフィルムが必要だったのだろう。しかし次の会員には、それと同じ個性は求めていないと明言している様に僕には聞こえる。


停車中の窓から。Leica M10 + Voigtländer 50mm f/1.1 Nokton (ƒ/1.1, 1/500, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.

最先端の写真と言われてもピンと来ないが、例えば最先端の音楽と言う時には、僕はもう少し明確に見渡せる。「音楽」とひとくくりにできるものではなく、ジャンルや文化が毛細血管の様に多様だ。しかし細分化された各ジャンルに置いて、最先端の人たちは確実に存在する。

彼らは先人が築き上げて来た文化を愛し、消化した上で、感性の近い仲間たちと切磋琢磨しながら新しい何かをその文化の上に積み上げていく。今まさに積み上げる事に生命を注いでいる人たち。そこが音楽の一つの最先端だ。だから最先端の人はたくさんいるし、優劣や勝敗ではなく文化を今まさに構成している個性そのものを指す。恐らく写真も同じと思う。

日本には素晴らしい写真家も音楽家も多いが、それぞれが個人プレー的に感じる事がある。「最先端」と言う表現の裏には、背景にチームとしての共通の目標地点がある。つまり最先端とは個性の集合体があって初めて意味を持つ言葉で、一人でどんなに新しいと主張しても「素晴らしい」とはなっても「最先端」とはならないのでは無いか。世界中の才能がアメリカに集まるのは、ある種のチームプレーをしにN.Y.に行くのだ。だから新しい文化やカッティング・エッジが、アメリカから生まれるのでは無いか。

群れるのが嫌いとか、俺は一匹オオカミとカッコつけるより、意識の高いチームに所属する事こそ意義があるのでは無いかと、最近思う様になった。なので僕を入れてくれる日本の写真集団があったら入りたいと思い(笑)真面目に近所を探してみたが、初心者向きの写真教室みたいな所しかみつけられなかった。


照沼さん。葉山パッパニーニョより。Leica M10 + Voigtländer 50mm f/1.1 Nokton (ƒ/1.1, 1/500, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.

照沼さんはジュエリーデザイナーとして偉業を成し遂げた人だ。物事の本質を見抜き言語化する能力に突出していて、知恵の足りないイチローをいつも助けてくれる大切な先輩だ。先日、M9とM240が強い個性があって、それが自分の作品をサポートしてくれていたのが、M10は脱個性になった話をしたら、彼は写真に全く興味は無いのだが、さらっと教えてくれた。

「能力が一定以上に高まり自分の個性が定まってくると、道具の個性は邪魔になってくると思うよ。最後はニュートラルの道具が大事になってくるんだよ。」

M10のファインダーも逆光に弱い?
世界で最も愛されるカメラ(改定)
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

M10のファインダーも逆光に弱い?
世界で最も愛されるカメラ(改定)