2018年1月8日 イチロー

2018年の抱負


葉山 工房一閃の作品。早速マクロアダプターが役に立った。しかしお客様が居る隣で一時間でセット、撮影せねばならなかった。俯瞰撮影用三脚を持っておらず苦労した。Leica M10 + K&F Concept Macro adaptor 10mm + 8mm, Leica Summaron 35mm/f3.5 (ƒ/16, 1/8, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.

新年おめでとうございます。いよいよ2018年。今年こそ音楽に写真に、面白い年になりそうだ。

一眼レフで片手間に遊ぶ様になってからは10年程度、その後カメラについて、写真について、少しばかり真剣に考えてみる様になったのは、2017年にライカボディを手にしてからだ。我ながら実に浅いキャリアだが、そんな僕にも一つ目標がある。それは自分で撮った写真を、自分のスタジオに飾る事だ。


都内実家の団地にて Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/350, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.

親父が少々絵を書く事もあって、デカイ額縁だけは、すでにある。何号だかは分からないが、壁一面が額縁で覆われるくらいデカイ。それに入れる一枚を撮るために、僕は毎日カメラを持ち歩いている。

それほど嫌いじゃ無い写真も今まで何枚かあったが^_^、これこそ!という決定的なものはまだ出会えていない。飾るからには、そこに「これが自分である」という明確なメッセージが欲しいと思う様になった。しかし今も大した主張も持ち合わせないまま適当に撮っているので、そんな一枚に出会える気配すらない。

以前、何度かお仕事をご一緒させて頂いた詩人の谷川俊太郎さんが、面白い事をおっしゃっていた。

「音楽は、意味がないのがいい。」

となると、写真も意味が無いのがいいのかな。

アンリ・カルティエ・ブレッソンは、こことここがこうだから、この構図は完璧だ、完璧だ、完璧だ、と自分の作品を絶賛する。彼は作品の判断に、何故いいのか「理由」を求める。谷川さんも、詩の世界のマイルス・デイヴィスの様な人だ。いずれもクリエイティブの頂に登り詰めた両者が、対極とも思える世界に行き着いた所が面白い。

僕がこのブログを書き始めたのは、単なる情報の共有が最初にあった。ライカとは何者か。何で多くの著名フォトグラファーがライカを愛用するのか。果たしてこいつが本当に価値のあるものなのかという問いが、当初の僕の主眼だった。僕なりに結論めいたものはいくつかあるが、ライカを評価する人もしない人もあっていい。

いずれにしても、僕もそろそろ道具に縛られる時期を卒業しなければならない。ライカは僕には勿体無いくらいの、優れたモノである事は良く分かった。でも本当はカメラなんて何だっていい。写真を撮るのは人間であってカメラじゃない。そっちの方が、僕が投げかけた問の本来の解な気がしている。(と言っても気になる道具の妄想には終わりが無さそうだが)

なのでそろそろこのブログを終了する時期が近づいているのだろう。まだ半年だが、3日坊主にならなかっただけ僕にしては上出来だ^_^ 当初、漠然と誰かに何かを伝えたかった事は、だいたい書いた。

もしかしたら額縁に入れる一枚は、一生撮れないかもしれない。まあそれでもいい。ちょっと考えて、今は空っぽの額縁を飾る事にした。それこそが今の本当の自分であり、いくつになっても探求者でありたいという、今自分が出来る唯一のメッセージでもある。一度満足してしまったら、写真自体が楽しくなくなってしまう気もするし、その後の発展も無くなるかもしれない。だからその絵に出会うのに躊躇する気持ちもある。

このブログのお陰で、決して少なくない素敵な写真仲間に知り合う事が出来た。心から感謝しています。

ライカM10研究会 (Leica M10 Workgroup Japan)
最近、ここの管理者様にお声がけ頂き、仲間に入れて下さったフェイスブックのグループ。本気度の高い日本人が集結していて作品も本当に素晴らしい。こういう所に参加して、お互いに切磋琢磨する事はどんなHow To本より価値がある。

The Leica Portrait Group
こちらもフェイスブックだが、アカウントをお持ちの方はこちらもオススメだ。Flickrを2時間探し回るより素晴らしい作品に簡単に出会える。更新頻度的にも妙に盛り上がっている。(必ずライカが欲しくなるので閲覧注意!)

Leica SL

Leica Portrait Groupで出会った作品。僕はこの写真にひと目惚れしてしまった。このブログで紹介する事に撮影者のTS Sim氏は快く承諾して下さった。(勝手に僕の携帯の壁紙にもしたw)Thank you Sim!


Leica SL + VARIO-ELMARIT-SL F2.8-4/24-90mm ASPH. by TS Sim

Leica SLの発色が、Mよりも全体的に大人しいという僕の見解に変わりないし、そもそも僕はズームレンズを良いと思った体験が一度も無かったのだが、この一枚を見て色々とカルチャーショックが起きている。レンズはSL標準ズームのVARIO-ELMARIT-SL F2.8-4/24-90mm ASPH.

この写真の素晴らしさは撮り手のライティングや現像技術に寄る所が大きいが、こんな素敵な作品が撮れるなら、僕はズームでいい。ズームだけでなくオートフォーカス、手ブレ補正、防塵防滴、4K動画と、Mでは考えられないトピックのオンパレードで、これらの機能をライカレンズで使えるなんて夢の様な話だ。

下の写真はSL用とM用のズミルックス50mm単焦点の比較だが、Leica SLレンズのサイズ感がよく分かる。あれSLって、Mと同じ35mm判だよね?(笑)

デジカメWatchより
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/leica/1088503.html

こんなデカイカメラを使う時は、完全にお仕事モード、撮影モードの時だけなので、カラーチェッカーを使えば色味の問題は、恐らく考えなくてよい。MでもSLでも同じ色になるはずだ。


Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/90, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro.

Summilux 35mm ASPH.

上記グループを眺めていて気がつく事は、ズミルックス35mm ASPH.の使用率が高い事!

このレンズを調べるうち、ある仮説に行き着いた。以前、ローライ2眼の立体感に感動して中判の意義を痛感したのだが、ハッセルでは同様の体験をする事が出来なかった。これはローライは80mmレンズで、ハッセルは120mmレンズをチョイスした事が原因かもしれないと思い始めた。

中判の80mmは35mm換算で6x6cmでいうと約44mm。120mmは66mm相当だ。中望遠ならAPS-Cでも被写体を浮き上がらせる事が出来るが、僕の中での中判の醍醐味は「広角〜標準」域なのに確かな立体感が得られる事こそが、スペシャルだったのだ。(ハッセルも80mmにすれば良かった^_^)これはAPS-Cがどんなに高解像度になっても、決して真似のできない領域だ。

一方、35mm判で中判的な3D感に出会えるレンズを、僕はいくつか知っている。その代表選手が、Leicaノクチルックスとズミルックスだろう。この理屈で行くと、もしかしたらズミルックスは50mmよりも35mmの方こそスペシャルなのではないか。35mmは使わないなんて食わず嫌いを言ってないで、とにかく試すべきだろう。

どうせルクス35mmに行くなら、必然的にオールドも視野に入ってくる。ボケ玉、クセ玉の名声を欲しいままにするSummilux 35mm初期型の作品を眺める度に、自分はやっぱりこっち側の人間だと思いきや、Leica SLの高解像度のポートレートを見るだけで、やっぱり現代レンズにしとこうか、と僕の写真の趣向は、一向に定まる気配もない。


Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1600) ©2017 Saw Ichiro.


Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1600) ©2017 Saw Ichiro.

「ほら!M10はこんなに解像するんだぞーすげーだろ」と言わない写真を撮りたいと思ってから、どんどん自分の写真が破綻してきてる事は気付いている(笑)というかこの時はあるイベントのショーで、モデルがこれくらい近くまで容赦なく歩いて来られると、暗くてピンが良く見えないし、マニュアルフォーカスはかなり厳しかった。これを仕事として受けていたらライカMだけでは完全にアウトだった。


Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1600) ©2017 Saw Ichiro.

巨大なカメラを街中で堂々と構える事は、ステルス的なMとは正反対のアプローチで、あ、カメラマンが居る、とかえって警戒されないとどこかで読んだ。

サイズや重さを度外視してSLが気になって来るなんて、人の心など数ヶ月で180度変わるらしい^ ^。Mを手放す事は考えられないが。


Leica M10, Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 1600) ©2017 Saw Ichiro.

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