8月 2017

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ライカ M10の色

Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/250, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro. 少しづつ、日常の中でシャッターを押していて、だんだん色々な事が分かってくる。オートホワイトバランスが良くなったのだろう、特に背面液晶で見ると、時々はっとする様な色味の美しさを感じる。しかしRAWをライトルームに取り込んでみると、M10液晶で見た時ほどの感動が薄い。液晶はM10が一時的に生成したjpgを表示しているのだが(多分)、RAWはそれとちょっと色が違うのだ。 Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/250, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro. 特に人肌はjpgの方が自然で、RAWは暖色系に転びすぎる傾向にある様だ。M…

好きな写真家:ソール・ライター

今年、渋谷で大規模な写真展が開かれ、日本でもちょっとしたブームになった感のあるソールライター。かく言う僕も写真展の直前に初めて彼の作品を見てその魅力に引き込まれ、写真展の知らせを知ってすぐさま駆けつけた。   by Saul Leiter by Saul Leiter 彼の多数の作品が展示されていて、中央には彼の使っていたLeicaが鎮座していた。Leica M4、レンズは沈胴ズミクロンの次の第二世代、Leica Rigid Summicron 50mm/f2.0Mだ。(これを第一世代にカテゴライズする人もいてズミクロンはややこしい。英語圏ではType2と呼ばれるのが一般的か?) 映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』より 彼の道具のそれぞれシリアル番号まで僕は知っている。M4が1272827、ズミクロンが2160005だ。Leicaシリアルナンバーリストによれば、彼のM4は1970年製、レンズが1966年製という事になる。たまたま年代の近いRigid Summicronがちょうどヤフオクに10万で出ていて、僕はすぐに落札した。人の真似をして同じ道具を買う、そんな買い方をしたのはこれが初めてだった。僕のは2116583、1965年製だ。 しかし、おかしいのだ。展示されていた彼の作品は、どれも40年台から50年台の作品、つまり、M4もRigidズミクロンもまだこの世に無い時代の作品なのだ。画作りも気をつけてみれば、どうもライカでは無い様に見える。当時のライカレンズは最先端の解像度と引き換えに、ボケがぐるぐるになったり、二重線になったり、ボケだけ取り上げれば"美しい"と形容されるものでは無いのだが、彼の作品のアウトフォーカス部に、それらの現象が一切見られないのだ。 by Saul Leiter by Saul Leiter 超写実的なライカとは対極の、夢の中に居るような柔らかい表現。ライカというよりむしろZeissに近いと思った。そもそも50年台の作品としては妙に絵が美しい。つまり少なくとも渋谷で展示されていた作品群は、ライカでも、35mm版でもなく、中判カメラだったのではないか。 彼の若かれし頃の写真を見つけた。Graflexをいうカメラを使っている。恐らく、こんな所なのだろう。これはアメリカの中判らしいが、詳しい事はよく分からない。Rolleiも使っていた様だ。 by Saul Leiter それにしても、渋谷の個展ではライカで撮った作品は一枚も無いはずなのに、何故ライカを展示していたのだろう。ほとんどの人はあれはライカで撮った作品と誤解してしまう。カッコいいから?今回の個展では無かったが、いずれソウルライターのライカで撮られた時代の作品も公開されるだろう。その日が待ち遠しい。 まあこんな経緯があり僕が購入した固定鏡胴ズミクロンは、僕にとって意義の深い存在となった。これをボディに装着する時、いつもソールライターが頭をよぎる。そんな素敵な想いと共にこの美しいレンズを眺めている。これからも長い付き合いになりそうだ。…

M Typ240とSummaron 35mm/f3.5

M10購入のために手放してしまったM Typ240。シルバークロームも非常に美しかった。M10を手に入れてようやく、今なら両者を客観視出来るが、MにはMでしか撮れない質感があった。 どちらが上とかも言いにくく、如何ともしがたい魅力が両者ともにある。普通はデジタル製品の場合、新機種が出たら過去の製品はほとんど無価値になってしまうが、ライカは一概にそうとも言えない所が悩ましい。そしてMとズマロンとの組み合わせは、何を撮っても勝手にカッコよくしてくれる、魔法?の組み合わせだった。 ちなみに上の写真はハッセルブラッドで撮った。 Leica M typ 240 + Leica Summaron 35mm/f3.5 (ƒ/3.5, 1/60, ISO 1600) ©2017 Saw Ichiro. 高性能な35mmを求めたら普通はSummilux 35mm ASPH.あたりに行き着くはずだが、50mmがメインで、35mmは時々しか使わない僕の様な人種には、ズマロン35mmは理想的なレンズだ。なにせ小さくて軽いから、いつでもバックに放り込んでおける。見た目もビンテージ感満載でカッコイイし、絵も最高だし、何より安い。確か僕は4万くらいで素晴らしい状態のモノをヤフオクで落札した。 ライカ入門として35mmを勧める人が多いが、それはある意味理にかなっている。50mmよりも被写界深度が圧倒的に深く、適当に合わせてもピントを外しにくいからだ。特にズマロンF3.5は顕著で、かなりルーズに撮りまくれるので、たまに使うとなんて楽なんだろうと思う。5m辺りにピンを置いておけば、むしろほとんどの場面でピント合わせは必要無いくらいだ。 僕にとって35mmは主に室内用だから、F3.5というのは暗い室内での用途としては矛盾しているとも言える。M10なら高感度耐性が高いので問題無いが、F2.8ズマロンも存在するので、本当に室内メインの人はそっちの方が無難かもしれない。まあ高感度ノイズもズマロンの絵を引き立ててくれるので、僕は全然気にしない。F3.5モデルとF2.8モデルの写りの違いは、僕は比較した事が無いので分からない。 前回の記事でズマロンの味と書いておきながら、全然そういう雰囲気の写真では無かったので、以前Mで撮ったものをいくつか紹介します。あるスタジオの写真撮影とウェブ制作を頼まれた時に撮ったものだが、現代のレンズではこうならない。M Typ240でなくても、また違うものになっていたに違いない。M10でズマロンを使うとどうなるのかは、もう少し研究が必要だ。 Leica M typ 240…

Leica M10で夜景を撮る

Leica M10 + Leica Summaron-M 1:3.5/35 (ƒ/3.5, 4sec, ISO 100) ©2017 Saw Ichiro. 仕事の合間(もしくは仕事中)に、何かと言い訳しながら写真を撮ってはいるものの、ちゃんと何かを撮りたい欲求が抑えられなくなり、疲れていたが東京湾のレインボーブリッジ遊歩道に寄り道した。 芝浦側から入ったのだが、遊歩道入口を探して結構迷った。随分昔に一回歩いた事があったが、もう何も覚えていない。ようやく見つけた時にはもう8時を回っていて、あと一時間で閉鎖だ。 入り口近辺は、麻薬取引でも行われていそうな、人っ子一人居ない殺風景な場所だった。 Leica M10 + Leica Summaron-M 1:3.5/35 (ƒ/3.5, 1/45, ISO 3200) ©2017 Saw Ichiro. 僕は普段は50mmしか使わない。35mmだと、フレーム内の情報量が多すぎると感じてしまうのだ。でも屋内だったり、こういう場面でごくたまに使いたくなる。古いSummaron…

Leica M10が来て二週間後のレビュー

Leica M10 Black Chromeを買ったので、これを機会にブログなんかを作ってみた。特に日本語はまだまだM10に関する情報は少ないので、皆が書いてない事を中心に少し書いてみようと思った。 今年に入ってM9P、M Typ240を経て、これで3台目のライカボディだ。M9PもM Typ240も中古だったので、M10は初めての新品ボディ。立て続けに3台も買い替えるなど自分でもどうかしてると思うが、僕がLeica Mにこだわる理由は、巷で言われる様にレンジファインダーの速射性や、撮る楽しさ云々というよりは、日常的に持ち歩けるサイズの優れたカメラを求めた結果だった。 以前はキャノンやソニーのフルサイズ機を使っていたが、同じ人間が撮ってもライカは時々、予想以上の上質な質感、濃厚な発色、美しい階調と立体感を与えてくれる。写真を愛する者として、大切な人、モノ、シーンを撮る時に、可能な限り美しく残したい。生涯手元に置いておきたくなる様な、素敵なカメラを相棒としたい。僕にとって、Leica Mはまさしく、そんな想いに答えてくれるカメラだった。 実際の絵は他人から見たら、もしかしたら取るに足らない違いかもしれない。しかし自分自身が信じる道具で、自分自身が納得出来る事が、僕には必要だった。ハッセルブラッドも所有しているが、ハッセルはやはり、大きく重かった。やがて外に持ち出さなくなってしまった。僕にとって、コンパクトである事は、絶対条件となった。 仕事中に写真を撮って遊んでいる音響。Leica M10 + Leica Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. (ƒ/1.4, 1/60, ISO 200) ©2017 Saw Ichiro. M10の箱を開けた時、実はM9P、M Typ240ほどの感動は無かった。細かな違いや改善点はもちろんたくさんあるが、そのオーラというか、存在感、高級感、所有欲を満たす感覚は、M10は今までのデジタルライカと全く同じだからだと思う。箱も全く同じだった。今までよりちょっと性能がよくなったライカ。そこに対して90万円を捻出したのは、果たして正しかったのだろうか?フジXシリーズなら、70万円のお釣りが来る。そんな事をぼんやり考えながら、M10を撫で回していた。 今までと少し、違った感覚もあった。M9PとM240は、宝物の様に大切に取り扱っていた。でもM10は、そういう気持ちにならない。もっとラフに、純粋な道具として使い倒したい方が勝るのだ。多分、M240までは、近い将来手放す日が来る事を直感的に感じていたのだと思う。だからリセールバリューを常に気にしながら使っていた。実際そうなった。M10は、これこそ長く使える!という確信があるのだ。もしかしたらこれが自分にとって最後のライカ・ボディになるかもしれない、そんな予感があるから、ボロボロになるまで使ってみようと思えたのだ。 弟と友人。Leica M10 +…