2018年4月18日 ichiro

最近出会った写真家と画集

今日はここ最近出会った写真家、最近買った画集を紹介しようと思う。

Sarah Moon

どこまでも優しく、柔らかい陰影の世界。嗚呼、美しい、、、
冒頭のYoutubeを見ると必ずフィルムカメラが欲しくなるので閲覧注意!先日、彼女の個展を覗いて存在を知った。5月4日までやっている。動画の写真とは別のものだが、無料なので東京近県の人は是非訪れて欲しい。

sarah moon 巡りゆく日々

2018.4.4 WED – 5.4 FRI
12:00 – 19:30 無休 入場無料
シャネル銀座ビルディング4F
http://chanelnexushall.jp/program/2018/dun-jour-a-lautre/

 

Pierre Bonnard / Painting Arcadia

写真では無いが、いつも構図の詰めが甘いとデザイナーの嫁から叱られ続けているので^_^、勉強のために絵画集ももっと積極的に見る事にした。

画集など買った事も無かったし、ナビ派、ポスト印象派等に今まで特段興味を抱いた事も無いほど、僕は絵画の世界に疎いのだが、まずはソールライターが生涯愛したと言われるボナールから選んでみた。

サイズも大きく立派な画集で、相当点数があり見応えがある。ソールライターのルーツは写真では無く、絵画にある事を実感出来る一冊だ。何気ない景色に目を向ける肩の力の抜けた感じ、被写体の手前に大きく何かを入れる手法や、端っこから覗き見する様な視点が、そのまんまだ^_^

絵画の場合、構図が良くないという話題が相対的に少ないのは、「構図」とわざわざ意識せずとも書き始める最初からどう書きたいのか、何もかも一筆目から自分の意思が存在する。写真の場合は、我々一般人の構図がイマイチなのは、目の前の与えられた現状を受け入れる、一種の妥協的な受け身の姿勢で、取り敢えず撮ってしまうからだ。瞬間を捉えるため時間的な制約も厳しいし、撮る時は決まって慌てている。^_^

写真で成功している人は、この受け身の妥協を許さない人、写真は自分の絵画である、自分の絵画の構図は自分で決めるという強い意思の人ではないかと思った。構図の勉強には絵画が欠かせない教材だ。

5月7日まで、国立新美術館の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」でボナールも何点か展示されていた。こちらも僕でも知っている名画がたくさん展示されていてオススメ。

http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/buehrle2018/

ちなみに国立新美術館に久しぶりに行ったが、そう言えばあそこは駐車場が無い。国立(こくりつ)なのに駐車場も無い。なんで?(くにたち)じゃないよね?^_^ 近所のパーキングを探し回らなきゃいけない。世界の経済大国日本の国立美術館なら、100台程度の地下駐車場くらい用意して欲しい。

 

Vermeer in Detail

洋書だが、筆跡の分析のために、贅沢にページを使ってフェルメールの要所要所の拡大図を掲載し、オリジナルのオーナーしか見れないような見方でじっくり勉強出来る良書だ。極めて微細な部分にまで、見事に神経が行き届いているのがよく分かる。特に絵を書く人は必見と思う。

以前にも書いたが、ライカが考える美は、とてもフェルメール的に僕には見える。ホワイトバランスの感じ、露出の出方、優しい描写の中での発色の鮮やかさ等々。日本のカメラとは明らかにルーツが異なる、独特の品格みたいなものはこういう歴史的、文化的な所から来ているのかなと、勝手に推測している。

日本メーカーも消費者の人気投票やスペック合戦一色じゃなく、浮世絵や水墨画など本来のジャポニズム文化に根ざした絵作りを追求したら、他国には真似出来ない唯一無二のカメラになるはずだし、確固たる美意識を持つブランドとして国際的にも深く尊敬されると思う。

 

Painted Nudes / Saul Leiter

ソールライターの絵画を買ってみた。最初から絵を書き始めたものと、白黒写真に塗り絵的に好きに筆を入れたと思われるものがある。実際の見え方とは無関係に思える鮮やかな色味を自由に入れる感じが、印象派の流れを汲むボナールと共通点を多く感じる。真似して自分の写真に落書きしてみたくなる^_^

 

Daniel Ost / Floral Art and the Beauty of Impermanence

友人の進めで代官山蔦屋で衝動買いした。写真芸術を見せる本というよりは華道の作品集なのだが、その辺の写真集より芸術性が高い。物凄い写真点数で、一気に見切れるものじゃない。本そのものもページの外枠が紅く塗られ、あからさまにカッコイイ。こういう本を手元に置いておく贅沢。スタジオに置いてあるだけでスタジオの芸術的価値が高まる気さえする。

 

Ken’ichi Matsuda

実は先日、ネット上でメッセージを下さり、松田さんと知り合う事が出来た。これまでは主にハッセルを用いてモノクロプリントをされていたそうだが、このブログをお読み下さりM10を購入されたそうだ(恐縮です、、)。そして彼のウェブを拝見して驚いてしまった。凄くいい!構図がいい、視点がいい、どれもこれも素晴らしく、ウェブを拝見して15分後に写真集を注文してしまった。^_^

ご本人に許可を頂き、何点か掲載させて頂いた。

この素敵な出会いに感謝すると共に、こういう才能が日本におられる事が嬉しい。2017年に初個展を開かれたそうだ。国際的に超有名人になって一枚100万円になる前に、今のうちに写真を購入しておこうかと企み中w。彼の作品は中判の良さ、ハッセルの良さに溢れているが、彼がM10で撮ったらどうなるのか、今後の作品がとても楽しみだ。
https://www.digiflex-photo.com/

LEICA S-Eのポートレートと3つのトピック
Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ
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Leicaのススメ

ライカを買いたくない人は、読まない方がいいやつ

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Leicaオーナーになるということ

このブログに訪れて下さっている方の中には、まだLeicaを所有していないが、実際ライカってどうなの?と興味がある方も多いと思う。もしも今日、貴方は念願のLeicaを手に入れたとする。その日は恐らく、何ヶ月経っても、何年経ったとしても、貴方にとって忘れられない一日になるに違いない。

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Leica Mの機種別・メリットとデメリットまとめ

最初は誰しも「ライカ+自分」の実験段階から始まる。もう少し発展すると、次第に「自分+ライカ」つまり道具の恩恵にあやかりつつも、主体は人間である事を意識する様になるし、またそうあるべきだ。最後は「自分+カメラ」、もはやライカであるかどうかは重要では無い段階に、至らなければならないと僕は思っている。

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世界で最も愛されるカメラ(改定)

世界で最も投稿されているカメラをFlickrのカメラファインダーで見てみると、本日付けでダントツでiPhoneだ。2位がキャノン、3位ニコン、4位SAMSUNGのギャラクシー、5位のソニーと続く。フジは7位でライカは15位だった。

Leicaレンズの話

レンズ選びの参考になるかも

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今度はSummilux 50mm F1.4 を考え直してみる

ズミクロンを押した直後に恐縮だが^_^、先日のJLUGの集まりで先輩方のレンズを触らせて頂いた勢いで、久しぶりにズミルックス50を購入してしまった。初代と現行第4世代を経て、今回は第2世代を選んだ。そして悟った。やっぱズミルックス50はむちゃくちゃ面白い!

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ズミクロン(Summicron 50mm/f2)を考え直してみる

APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.登場以降、なんとなくその廉価版的な存在になりつつあるノーマル・ズミクロン50が、今どんな意義があるのか再考してみる。ちなみにアポ50が価格コムで現在99万円、ノンアポが30万と3倍以上の価格差がある。

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Leicaレンズ沼の攻略法(入門編)

「ライカを買いたいが何がオススメか」と問われたら、ほとんどのライカ・ユーザーは、待ってましたとばかりに、うざいくらいにウンチクを披露しながら懇切丁寧に教えてくれるはずだ(笑)僕も含め、普段からそんな事ばかり考えてる連中だ。

ピーチ先生の構図の添削

ピーチ先生にichiroの構図のダメさをボコボコに指摘されまくるシリーズ。電子書籍も販売中(^^)

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ご報告:ピーチ先生の「構図の添削」が電子書籍になりました^_^

皆様、お元気ですか?実に5ヶ月ぶりに記事を書いてみている。この間、写真遊びを若干控え、ちょっと仕事なんかしていたが^_^、その中でもいろんな事があった。愛機のLeica S-Eに小さなCCDトラブルがあり、ドイツ行きになり3ヶ月間フジXで頑張っていた事、仕事の関係で久しぶりに渡米し、NYで少し写真を撮った事、そしてマッハ新書から、ピーチ先生の「構図の添削」を出版させて頂いた事だ。

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構図の添削3

JLUGで普段からお世話になっている小山 裕之さんが、ピーチ先生の構図の添削を受けてみたいと謙虚に仰って下さった^_^。3枚の素敵なお写真をお預かりしたので、御本人の許可を頂きこちらで一緒に考えてみたい。

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構図の添削2

前回のピーチ先生の構図の添削が思いのほか好評で^_^、むしろベテラン勢の面々が面白がって下さる様だ。敬愛する先輩諸氏から続編をやれと仰せつかったので、今日は一枚に絞って書いてみる。この一枚を改善するとしたら、貴方ならどう処理してOKとするだろうか。

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構図の添削

先日、構図改善大作戦でちょっと紹介したが、最近の僕の写真が現役デザイナーにどの様に指摘されたか、いくつか例題を出してみる^_^。まずは写真を貼って、その次に構図の添削付きを順番に並べるので、答えを見る前にどこを改善すべきか、是非貴方も僕の駄作を添削してみて欲しい。

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問題は、構図だ!

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

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日本のライカオヤジ

最近買った写真集。”One Mind’s Eye” Arnold Newman。これが、無茶苦茶良かった。ムッチャクチャ良かった!!ブレッソンが構図の「面白さ」としたら、ニューマンは構図の「カッコよさ」だと思う。よく見れば気が付くのではなく、見た瞬間に、ひと目でカッコイイのだ。

Leica M型の使い方

オーナーは教えてくれない、ライカは実は超カンタンな件

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現代デジタル・ライカで速射性を考える

クラシック・ライカの速射性は以前、アンリ・カルティエ・ブレッソンの「晴れた日はシャッタースピード1/125s、絞りf8、距離は10feet(5m)に固定」していた逸話から考察してみたが、露出計が内蔵されている現代のデジタル・ライカで、最も合理的な方法とは何かを考えてみた。

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カルティエ・ブレッソンの教えをM10でやってみる

いよいよ仕事が忙しくなってきたので、またこのブログに現実逃避することにする(笑)この秋に手放したHASSELBLAD 50周年記念 500C & Makro Planar CF 120mm F4 T*で撮った最後のフィルムの現像が上がって来た。現像に出そうと思いながら数ヶ月間、使用済みフィルムをバックに入れたまますっかり忘れて持ち歩いていたら、カビが生えてしまった(笑)。それだけM10が面白かったとも言える。汚らしいのでアンダーにして誤魔化す。

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ライカの内蔵露出計

「だってマニュアルだしなあ」とライカに興味はあっても使いこなす自信が持てない人のために、是非ここで紹介してみたいと思っていた。実は、ライカのマニュアル露出は「超」カンタンなのだ。ライカの優れた内蔵露出計がマニュアル操作性を著しく簡単に、便利にしてくれている。

写真に向き合う人のための登竜門

いろんな人からイイこと聞いたり実験したりしたのでシェア

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写真は「滅びの美学」

以前、友人が教えてくれた「貴方は何のために写真を撮るのか」の中に多くのヒントがあったのだが、それでも僕の足りない頭では未だモヤモヤしていた。ところがある日、美輪明宏さんの美しいお言葉の中に、僕の知りたかった答えの全てがあったので是非ここでご紹介したい。

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世界に羽ばたけ!LFI、Leica Meet(最終回)

何かのセレクションに入選したり、いいねを頂いたりするのはとても嬉しいし、光栄な事だ。しかしいいねを獲得する事自体が、写真を撮る目的になってはならないと僕は思っている。クライアントが喜ぶ作品が求められる商業写真家と違って、我々写真愛好家は、自分のためだけに写真を楽しんでいい特権がある。

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貴方は何のために写真を撮るのか

「何のために写真を撮るのか?」「何を撮りたいのか?」
貴方はこの問いに、なんと答えるだろうか。
今日は僕にとって、また写真愛好家にとってとても大事な事を教わったので、是非ともここで共有したい。

カメラ機種別・記事まとめ

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Sigma fpL

L1020739

Hasselblad X1D II

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Leica S

M9-P

Leica M9

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Leica M Typ240

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Leica M10

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道具編

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天体観測

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