2018年5月8日 イチロー

問題は、構図だ!


この人の写真、超スキ。このおじさんの人柄もスキ^_^。Wedding Photography Tips: Storytelling with Joe Buissink

いつも注釈しているがこのブログはベテランの方を対象にしていない。不器用な素人の自虐ネタを赤裸々に書いているだけだが、それなのにたくさんのベテランの方から心温かいメッセージを頂き、謝りたい気分になる(笑)

今日も、写真や絵画の専門教育を受けた事の無い、僕と同じくらいの平民の方々ための、構図を改善する初歩的な方法を思いついたので^_^、自分なりに書いてみる。

Joe Buissink氏のwebsite

幼少期から成熟期にかけて絵画に深く関わった人の感性というものは、最初から写真を見る目が違う。これは悲しい現実で、分からない人には何が良くて何が悪いのかさっぱり分からないし、分かる人にはなんで分からないのかさっぱり分からないという、両者の間には残酷なほどに深い溝が存在する。

僕の嫁は美大卒で全国6,000社の広告を手がける現役デザイナーだが、明らかに僕とは違う目を持っており、僕の写真をひと目見た瞬間に次々とダメ出しして行く。しかもそのコメントがなるほどいつも的確で、全て納得。指摘されるまで自分では全く気付けないので、ぐうの音も出ないのだ。

僕のお気に入りのFlickrのfavリストを見せても、ほとんどの写真の構図が全然ダメと言う。たくさんいいねも付いてるしそんなはずは無いだろうと一枚一枚、感想とその理由を聞けば、スラスラと問題点を指摘し、その改善方法まで見たそばから言い当てていく。ごくたまーに、これは文句の付け所がない、と100点が付く。だったらおまえが撮れよ、と段々腹が立ってくるw。(ちなみに彼女はライカに全く興味も無いし、カメラの使い方をいくら教えても決して覚えられない^_^。iPhoneでいいらしい。)

彼女に言わせると、歴史に残る絵画で構図がイマイチなものは一つも無いので、無配慮な構図が気になって仕方がないのだそうだ。この発言は、彼女にとって絵画と写真の垣根が全く無い事を示唆している。しかも比較対象が世界の巨匠だったりして、少しは多目に見てもらいたいものだ^_^

僕の興味は身内の自慢話ではなく、そういう特殊能力を持ち合わせてない僕の様な平民が、どうやってその感覚を享受するかだ。

貴方がもし、成人式をとっくに終えた年齢ならば、残念ながらこの深い溝を一発逆転で飛び越える裏技は無いかもしれない。しかし平民にも、後天的に学び努力した暁には、彼女に褒めてもらえる一枚を撮る道は残されていると、僕は信じたい(笑)

そこで僕が考えた作戦はこうだ。たった一時間で、貴方の構図が変わる(かも)。

 

構図改善・大作戦

例えばボナールから始める。このYoutubeは一枚につき6秒間、次々に名作が表示されていく。これを漫然と鑑賞して楽しむのでは無く、貴方が実際にこの場所に行き、Leicaを構え、ライカのシンプルなフレームの中にこの絵が見えていると想定するのだ。

貴方はここでシャッターを切る。貴方は今、ボナールと同じ構図で撮っただろうか。そこにはボナールと自分と、構図の捉え方の違いが必ずあるはずだ。彼と自分と、どう違ったのか、何が違ったのか、そして何故、彼はそうしたのか。その違いを認識し考える事が、スタートラインだ。


Pierre Bonnard: A collection of 783 works (HD)

構図の学習に写真では無く絵画を選ぶのは、絵画の場合、最初の一筆目から描き手の意思と計算が存在する点で、半ば受け身的に目の前の状況を受け入れたかもしれない写真集よりも、驚きがある。

構図に唯一の正解は無いので、ボナールと同じ構図に矯正する必要は無い。冒頭のJoe Buissink氏も、最も大切な事は「Who you are、貴方である事」と語る。ユニークでオリジナルな個性の構築には、他者との違いを認識する事から始めるのがより具体的で、面白い。少なくとも相手は世界の巨匠だ。得るモノは山ほどあるはずだ。

6秒間で場面が変わってしまうのも、短いようでかえってリアルで都合がいい。現実世界もフレームを覗いてから構図を考えるのに許される時間は、同じ程度かもっと短い。6秒で決めるという事は、考えるというよりは「反応」しなければならない。現実にはここにピントと露出の手間もある。見た瞬間に捉える訓練としても、最高の教材じゃないか。(ライカMはマニュアルカメラだが、ピントと露出作業を回避して、どんなAFより速い様々な方法がある。)

気をつけて見てみると、明らかに35mmレンズかもっと広角な絵もあるし、ちょうど50mmレンズの視野角っぽい絵もあって、とても勉強になる。

そして明日カメラを持って出かける時に、よし!と何も考えずにシャッターを切る瞬間に、待てよ、構図をひと工夫出来ないか?と一瞬、自問自答出来るかどうか。ほんの少しの違いなのだが、この一瞬が写真の価値を変える。

我ながら、この作戦はなかなかイイかも^_^。このムービーだけで783枚も訓練が出来る。ちなみに僕は10分くらいで飽きたがw、他にも好きなアーティスト2,3人もやれば、劇的に自分の写真に影響すると思う。一人で酒でも呑んで退屈している時にでも是非やってみて欲しい。

 

(2018年5月10日追記)

大人になってから一時期、僕は天体望遠鏡に激ハマりした時期があるのだが^_^、通常の単眼で覗く望遠鏡を二本並べて双眼視する、双眼望遠鏡なるものが存在する。双眼視した途端に、視野が広がり、対象物は大きく、微かな光芒が何倍にも明るく見え、しかも長時間覗いていても疲れず、それはそれは素晴らしい。二本だから二倍になるのではなく、人間の脳のパフォーマンス向上により、数学的な理論値を超えて感覚的にはそれ以上の効果を体感するのだ。(もう二度と単眼望遠鏡には戻れなくなる。)


以前所有していた双眼望遠鏡の写真を引っ張り出してきた。懐かしい^_^

ボナールビデオを眺めながら気付いたのだが、実は写真の難しさも、ファインダーを片目でしか見れない事かもと思い始めた。普通に考えても、両目で見るのと比較して、単眼視は脳の情報処理能力が大幅に減退し、客観性が失われないか。しかも僕の場合、右目でビデオを眺めるのと、左目で見るのでは空間把握能力に差がある様に感じた。

Mの場合は無理やり右目に矯正したが、もしかしたら左目の方が右脳に作用しやすいとかあったりして。アンリ・カルティエ=ブレッソンは右目でファインダーを覗くが、確かに彼の作品は左脳的にも見える。そしてハッセル500とかローライ二眼とかが構図に集中しやすい気がするのは、スクリーンを両目で見てるからだったりして。

双眼レンジファインダーを作ったら面白いかも!要らないか^_^

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